2022年11月7日 愛知・ウイングアリーナ刈谷
インカレ最終日。連覇を懸けて中大が挑む相手は秋リーグでも優勝争いを繰り広げた日体大。「中大としても日体大が1番勝つか負けるかみたいな相手」(上山陽平・総3)、「間違いなく競るので、最後1点、2点差になると思う」(実方智監督)という言葉通り点差は大きく開かず拮抗した展開に。延長戦にもつれ込んだ大接戦の末、終了5秒前にエース蔦谷大雅(法4)が強烈なジャンプシュートを決めて試合終了。5度目の優勝を46年ぶりの連覇という形で達成した。
▲優勝に歓喜する選手たち
試合は日体大ボールでスタート。連続で得点されいきなり2点のリードを許すも、蔦谷、泉本心(法2)のシュートですぐに同点に追い付く。その後1点を奪われるも、野上遼真(総3)が1対1を防いだ後に上山がカウンターを決めたことを皮切りに中大は4連続で得点し3点のリードを奪う。しかし日体大も負けじと猛攻を仕掛け、14分には再び追いつかれてしまう。その後は中大がリードを奪えば日体大が追いつくという展開が続いたが、後半27分、29分に蔦谷が連続で得点。守備では最後に野上がこの試合2度目となる7㍍スローのブロックに成功し2点リードで終了。後半に向けて弾みをつけた。
▲7㍍スローを受ける野上。数々のピンチを防ぎ、特別賞を受賞した。
前半終了間際の反則で一人少ない状態からスタートした中大は、伊禮雅太(法3)のシュートで最初の得点を奪うも、その後立て続けに失点する。ここからは前半同様中大が得点すれば日体大が返すという展開が続いたが、後半12分、ついに日体大に逆転を許してしまう。するとここから立場が逆転。日体大がリードすれば中大が喰らいつく形になり、一気にピンチを迎える。試合終了1分前でリードされていた中大だったが、またしても蔦谷が得点を決めて同点に。さらに最後に放たれたシュートを野上が防ぎ試合は延長戦に突入する。
▲渾身のシュートを放つ蔦谷。要所でシュートを決め、この日最多得点を挙げた。
迎えた延長戦。中大は後半同様、日体大に追い付くのが精一杯な時間が続く。前後半5分ずつという短期決戦が要求されるなかで、延長前半3分には2点差を付けられる厳しい展開に。前半終了9秒前に伊禮雅太のシュートで1点差とするも、すぐにリスタートした日体大を防ごうとした際にファールを取られ、一人少ない状態で後半を迎える。
後半は両チーム点を奪い合う中で開始2分、高橋侑吾(文2)、蔦谷の連続得点でついに同点に追い付く。そして終了10秒前、カウンターを仕掛けられるも、野上が足で防ぎ、こぼれ球を上山、高橋とつなぎ最後はゴール前に残っていた蔦谷が押し込み逆転し、38-37で試合終了。「離されたら負けると思って、何としてでも同点にしてやるという気持ちだった。1点取られても追いつけた事が中大が勝てた勝因だったかなと思う」(蔦谷)と語るように、苦しい展開でも諦めなかった気持ちが勝利へつながった。
▲優勝後、胴上げされる久保寺歩夢主将(文4)
悲願の連覇を果たした中大は来年度、初の三連覇を目標に戦うことになる。「下級生も試合に多く出ていてこの経験は絶対自信になっていると思うので、その自信を持って1戦1戦頑張っていきたいと思う」(野上)という言葉通り、連覇を自信に変え、6度目の頂に立つことが出来るのか。来年度も中大ハンドボール部から目が離せない。
◆試合結果◆
〇中大 38 (15-13, 14-16 延長4-5,5-3)37日体大●
◆大会結果◆
①中大
②日体大
③大同大、名城大
◆個人表彰◆
優秀選手賞
蔦谷大雅、伊禮雅太、泉本心
特別賞
野上遼真
優秀監督賞
実方智監督
◆コメント◆
久保寺主将
──今日の試合を振り返って
嬉しいの一言。秋リーグとか勝ってても関係ないんだなって思った。
──この一年チームの雰囲気づくりとして努めた点
中央のみんなは個々の能力もあって、各々が個性豊かなので、みんながやりやすい雰囲気をこの一年間目指してきた。今思えばそれが出来ていたかなと思う。
──来年のチームへ
絶対に力はあるので、僕らが繋いできたインカレ連覇、秋リーグ三連覇とかきっとプレッシャーとかすごいあると思うけど、そんなのに負けないで結果を出してくれると期待している。
蔦谷大雅選手
──今日の試合振り返って
接戦にはなると思ったが、自分たちみんな二連覇しようという思いが強くて、それが最後まで出たのかなと思う。
──自身の最後の得点について
あまり覚えてないというか、4年間ここまでみんなで頑張ってきて、(この試合)勝ったら優勝だったので、気持ち的にも絶対入ると思ってそれで決めることが出来て良かった。
──全日本選手権に向けて
全日本選手権は実業団も入ってくる日本で一番盛り上がってる大会なので、そこで学生王者として実業団倒して中大の名をとどろかせたい
実方智監督
──今回のインカレのMVP
やはり蔦谷。(インカレ全体では)得点自体は多分泉本の方が挙げていると思うが、苦しいときに点を取ってくれる。特に今日はずっと苦しかったのでずっと点を取ってくれていた。4年生の意地かなと思う
──連覇というプレッシャー
僕には全然言ってこなかったがあったと思う。
──来年に向けて
スタイルは一緒。2,3年生で残る選手も結構多いので、日本選手権終わったら新チームで基本のプレーを徹底的にやる。
(記事:立花拓暉、写真:松岡愛莉)
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