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森凪也×南後海里オンライン対談 エースと主務が語る箱根駅伝・中大新体制

中大陸上部のエース森凪也(経4)と南後海里主務(経4)。今後、チームを牽引していくお二人に、総合12位という結果に終わった箱根駅伝から、再スタートをきった中大陸上部の新体制について話を伺いました。

この取材は3月3日にオンラインで行いました。

 

今日はよろしくお願いします。今回は対談という形で取材させていただくので、初めに他己分析をしていただきたいと思います。

 

―お互いの尊敬しているところはどんなところですか?

南後:ストイックで目標をしっかり持っているので、選手として取り組む姿勢が模範的で、自分自身がお手本になろうと本人が思ってやっていると思うので、そのあたりがすごいと感じます。

森:会ってから長すぎて…南後ってどんなだったかな(笑い)主務っていう立場に置かれながらそこに対してのプライドをちゃんと持っているなと思っています。普通投げ出すような人が多いと思うんですよね。人のためにやらなきゃいけないし。南後は、何かしら人のためにやりながらも自分のために働くような取り組みをしているところが良いマネージャーだなと思います。

 

―寮生活をしていてお互いの意外な一面はありますか?

森:え…南後の寮生活って言われても部屋が汚いっていうイメージ(笑)

南後:いや…まぁ…。面倒くさいのが苦手というか。なんで主務やってるんだって感じですけど。適当なところは適当なんです。メリハリはちゃんとやっているつもりではあります(笑い)

森:汚いけど、仕事とは分けているかなとは思うので問題ないかなと思います。仕事のゾーンとプライベートのゾーンがはっきり分かれていると思います(笑)分けているからこそ汚いのかな?

南:僕と反対でこいつの部屋はきれいなんですよね。細かいこともすごくきっちりやるのですごいなと思いますね。

 

―森選手は今アメリカでトレーニング中ということですが、生活はどうですか?

森:一か月いるので快適です。

南後:去年も行っているしね。

森:今、自分を見てくれている「BTC Bowerman Track Club」はアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツから選手が来ていて、今年だと東京オリンピックを狙って練習しています。正直僕は東京オリンピックを狙うアスリートではないので、中大に帰ったときにどういう取り組みができるのかを最優先に考えています。中大に何かいいものをもたらせないかなということを考えていて、自分が強くなることが中大への還元というか。日本に帰ったときにアメリカでの取り組みを継続できたらということを重視しています。また、4月10日のユニバーシアード(今年からワールドユニバーシティゲームズに名称変更)の1万㍍選考会を意識しながら練習に取り組んでいます。

▲オンライン対談中の南後主務と森凪

―ではここから箱根駅伝についてお話を伺いたいと思います。

まず、箱根全体を振り返るといかがですか

南後:往路はなかなかうまく思ったように行かずという形で、正直、想定外だったというところが大きくて、復路はみんな力を出し切れて、収穫はありましたが…狙った箱根駅伝、1番結果を出さなければならない舞台で力を出せなかったところがなぜなのか悩む状態です…悔しくて、なんでそうなってしまったのかなとずっと考えているんですけど、難しいですね…

 

―森選手は2区区間16位という結果でしたが、相当悔しいものがありますか?

森:去年1年間、2区を走るための準備としてやっていこうと始まったんですけど…結果としてスタートラインに立てたことは一つ良かったなとは正直思っています。

ただ、結果として、勝負にならなかったので、その原因を突き詰めながら、もっとレベルの高いことをやっていかないと思いました。

 

―復路に臨む前のチームの雰囲気は?

森:あんなに通用しないのかと、往路を終えて思っていました。

復路の選手には申し訳なかったと、でも復路の選手は絶対強いと思っていたので、何かを起こしてくれるかもという期待感はありました。

南後:19位という事で正直シードを狙うのは厳しいというのがあったので、後は個人個人がどれだけ爪痕を残してやれるという雰囲気はありました。流れに惑わされず個人個人の爪痕を残す走りができたのは切り替えができていたのかなと思います。

 

―南後主務は大会期間中、サポートで心がけていたことはありますか?

南後:往路終わった後、チームが落ち込んでいた時には、しっかり切り替えて、絶対、力はあるはずだから、往路は往路で、復路は復路で戦おうと選手に声かけしました。

 

―選手にとって、そういった南後主務の支えや周りの支えはどのように感じていましたか?

森:すごくバックアップの雰囲気は良かったです。

昨年、レースがなかったので、マネージャーは難しい立ち位置だったと思うんですよね、僕らは、練習は365日続くわけなんですけど。大会ないのが、苦しかった中で、箱根にかけるマネージャーの思いは、強く感じていました。その思いを選手たちの方が受け止めて走れなかったなと思っています。

 

―箱根を終えて見えてきた課題は何ですか?

南後:一つ一つの記録会などでは結果は出ていましたが、そこで達成できたことに満足してしまって、箱根というところに対してあまり意識が向いてない部分があったと思います

箱根に向けた過程、そのための自己ベストという意識が必要なのかなと。

目標を達成していくことに満足することは悪いことではないけどゴールじゃなくてあくまでも通過点という意識が必要だと感じていたので、チームとして箱根っていうところを大きくしていく必要があると思います。

森:個人としての課題はやれていると思っていたレベルが低かったもっと高いレベルでやらなければと身に染みて感じました。

チームに関しては…箱根駅伝で結果を残すために、果たして一年間やれていたかというとそうではない…そう思ったからスローガンも駅伝に向けたスローガンになりました

箱根に向けては結束力っていうのが大事になっていきます。

個を磨きつつ箱根では力を集結させる、口で言ったら簡単に聞こえるかもしれませんが、難しいので、そこを具現化させるというのを全員が考えていかなければいけないと思いました。

 

―新体制のスローガンは「真紅の襷に個を刻め」ですね

森:今年はチームで戦う試合に対して強くこだわりたいなという思いがあって、襷という言葉が駅伝に取り組む私たちにとって1番大事なもので、そこで結果を残すには個の力というのが重要です。

襷に個を刻むということが駅伝で勝つことに直結するという意味を持って、新4年生で話し合い、このスローガンにしました。

南後:個々の力っていうのを襷にしっかり込めて戦い、チームとして強さっていうのを出していこうという思いが込められています。

 

―森さんはチーム作りにおいてどのようなことをやっていきたいですか?

森:目標の統一をやっていきたいです。

中大は個を大事にしている部分がすごくあって、僕が今アメリカに行かせてもらっているのは、そういうチームカラーだっていうのが大きいです。

ただ、そうなってくると一人一人狙う試合が違ってきて、みんなスポーツ選手なので自分すごいんだぞってことをアピールしたいじゃないですか。物差しが一人一人違うとチームもバラバラになるっていうのを去年感じて、でこぼこのチームだなって思っていました。

目標を統一すること、どういう試合でどういう結果を出すことがチームで求められているのかを皆で意識しなければならないと思います。

 

―チーム内でどのような役割を果たしていきたいですか

森:自分がやれる最大限をやった結果がチームに結び付けられればと考えています。

実力を上げて、常に結果を出し続けることで、選手として中心でありたいと思っています

▲練習中の森凪〈写真提供=陸上競技部〉

―南後主務はチームをまとめるために取り組んでいることはありますか?

南後:4年生としてみんなと話し合ってチームの方針を決めていく上で、選手としっかりコミュニケーションをとっていくことを心掛けていています。力のない選手、力のある選手、全体にどういう意見を持っているか、チーム運営をどういう風に感じているか、意見を吸い取って反映するように意識しています。

 

―今のチームの雰囲気は?4年生が抜けて変わった部分はありますか?

南後:去年だと池田さんがすごく情熱をもっていて、そこに周りの四年生がついていけていないと感じることもあったけれど、今年は四年生全体で責任持ってできているのではないかと思っています。

 

―最後に今シーズン、来年の箱根に向けての意気込みをお願いします

南後:チームとしてはターゲットとなるレースでしっかりと結果を出していくこと。

自分自身はそこに向けて主務として選手のためにできることを今まで以上にやっていきたいと思っています。

森:前期は全日本大学駅伝に出場することが目標です。秋に関しては全日本大学駅伝と予選会がダブルになってきて、初の試みとなって難しくなってきますが、そこを乗り越えた先に強くなって箱根に向かっていけると思うので、秋の2戦をしっかりこなして、箱根総合5位という目標に向けて頑張っていきます。

 

―長時間にわたり取材を受けていただき、ありがとうございました!

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部