2024年9月26日 明治神宮球場
チーム 123456789=RHE
東農大 100000010=271
中 大 00004111×=770
[農]金井、太田遥、石原、松村-仲間
[中]子安、今村、岩城-綱川
[本]〈農〉江川(8回ソロ)
◆スタメン◆
1[遊]佐藤 壱聖(経2=東日本国際大昌平)
2[中]橋本 航河(文1=仙台育英)
3[二]繁永 晟(商3=大阪桐蔭)
4[左]櫻井 亨佑(商4=習志野)
5[一]松嶋 晃希(経3=浦和学院)
6[三]伊藤 櫂人(文2=大阪桐蔭)
7[右]皆川 岳飛(経3=前橋育英)
8[指]佐藤 豪 (経3=藤代)
9[捕]綱川 真之佑(経3=健大高崎)
P 子安 秀弥(経1=東海大相模)
前日多くの投手が登板し総力戦で東農大に辛勝した中大は2回戦に臨んだ。注目の先発投手は大学初先発となる子安。初回に先制点を許すも3回まで粘り、続く今村拓哉(文4=関東第一)にマウンドを託す。圧巻の投球で流れを作った中大は5回に失策間の得点やタイムリーなどで逆転に成功。その後も毎イニング得点を重ねて東農大を突き放して勝利し、大きな勝ち点1を獲得した。今村は大学初勝利となり、屈託のない笑顔を見せた。
1回表、先発・子安が投じた初球を1番古川(東農大)にはじき返され、先頭打者の出塁を許す。その後、2死三塁とピンチを迎え、打席には前日タイムリーを放った4番菊地希(東農大)。菊地に投じた3球目をセンターに運ばれ、先制点を奪われる。しかし何とか粘り切り、さらなる得点は与えなかった。子安は3回を投げて被安打3、四死球2、失点1とまずまずの投球を見せた。
▲大学初先発となった子安
援護したい打線も4回まで無安打。東農大の1年生左腕・金井の前に翻弄されてしまう。
4回からは今村拓哉(文4=関東第一)がマウンドに上がる。高めに抜けがちだったシンカーが今日は低めに集まり、東農大打線を封印することに成功。清水監督は今村の投球を「重苦しい雰囲気を彼が断ち切った」と評した。
▲圧巻の投球で重い雰囲気を断ち切った今村
今村の投球によって流れを手繰り寄せた中大打線が爆発する。5回裏、松嶋、伊藤櫂の連続安打などで1死一、二塁とチャンスメイク。8番佐藤豪の放った一、二塁間への打球は一塁手の悪送球を誘い、ボール転がる間に二塁ランナーが生還、1-1と試合を振り出しに戻した。
アウト1つ増え、1番佐藤壱が打席に。138㌔の直球をはじき返しランナー2人生還。3-1と勝ち越しに成功し、塁上で佐藤壱は大きなガッツポーズで喜びを表した。
▲勝ち越しタイムリーを放った佐藤壱
続く橋本もボールをしっかりレフトに運び、二塁走者・佐藤壱の決死のヘッドスライディングで追加点を獲得した。この回一挙4得点と復調しつつある打線について清水監督は「(今までは)自分たちのバッティングができなくて、気持ちだけ焦っているような感じで。リーグ戦だからこういう風になりがち。学生だから気持ちの部分で自分たちの力が出ないというのはあるんですけど、経験者も多いので。どっしりね、腰を据えて」と振り返った。
▲橋本もタイムリーを放ち、チームに貢献した
乗り出した中大打線は止まらない。四球で出塁した走者がしっかり得点圏まで進んだ状態で6回は伊藤櫂、7回は櫻井、8回は綱川がタイムリーを放つ活躍ぶり。確実に得点し、東農大を突き放す。
▲巧みなバットコントロールで右適時打を放つ伊藤櫂
好投を続けてきた今村は6回に重政(東農大)との対戦が巡ってきた。2人は高校時代の同級生である。「昨日センター前打たれたというのもあるので。二度はないということで、本当に思い切って強気でいきました。力みもありましたけどそこはしっかりと投げ切ったのでよかったなと」と今日は三ゴロで軍配は今村に。8回表、江川(東農大)にソロホームランを浴びたところで今村は降板。その後、マウンドを引き継いだ岩城颯空(経3=富山商業)が残り2イニングを危なげない投球で締め勝利。投打がかみ合い、今季初勝ち点をストレート勝利でものにした。
▲危なげない投球で試合を締めた岩城
今村は個人的な目標として挙げていた大学初勝利を記録。2年夏にはトミージョン手術を経験。多くの時間をリハビリに費やすこととなったが、休日返上で自主練習で汗を流した苦労人がラストシーズンで念願の勝ち星を手に入れた。「やってきてよかったなと素直に思いますね」と爽やかな笑顔を見せた。
大学初勝利だとは知らなかったと驚きの表情を見せた清水監督も「ずっと準備しっかりしている子なので」と信頼は厚い。
▲今村は大学初勝利となり笑顔を見せる(ウイニングボールは審判の手元にわたってしまったという珍事も)
今季、4年生として試合に出場しているのは櫻井と今村。最上級生として引っ張っていくことの責務からプレッシャーを感じることも少なくないが、小学生時代より選抜チームで親交のあった両者の絆が今のチームを支えている。最上級生2人の活躍が光り、勝ち点を獲得したことは大きなことだと笑みをこぼした。
一部残留をして後輩に引き継いでいくことは大前提とも語る今村。4年生を中心としてもっともっと上を目指して。まずは次節、亜大戦の初戦を大事にし、優勝に一歩でも近づくようにと力強く決意した。チームの勢いそのままに、ラストシーズンにかける選手の思いをつなげられるか。
〇中大 7-2東農大●
◆お知らせ◆
次戦は10月1日(火曜日)に明治神宮球場で行われる対亜大1回戦です。
(記事:松岡明希 写真:髙梨晃世)
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