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40分で人を救う、献血の大切さを知る

9月24日 中大サッカー場

 

この日、中大サッカー場で献血のセミナーが開催された。講師として招かれたのは、自身も急性白血病と診断を受けた過去があるマルフォートラ・マイケル氏(法大)。マイケル氏は現在大学を休学中。自身と同世代の集う大学に赴き、献血を呼びかけるセミナーをして回っている。

セミナーの様子

 

マイケル氏「今日僕がここに来ているのは今も病院で確実に苦しんでいる人がいる。その人たちのためです。そして、これから未来で苦しむ人が出てきます。8801 人っていう数字は皆さんなんだと思いますか?白血病関連なんですけれども。ここにいるのは何人くらいですか?100 くらい。周り見てください。この 88 倍もの数の人間ですよ。皆と同じくらいの世代。これって白血病で 2017 年に亡くなった人の数なんですよ。やばくないですか?この 88 倍。しかも毎年増えていて、今は 9300 人くらい。そう考えると、サッカー部の中に白血病になった方がいるじゃないですか。すごい奇跡というか」

 

現在中大サッカー部には白血病を患い現在も治療を続けている選手がいる。高橋真(経2)だ。高橋は昨年5月に急性リンパ性白血病と診断され、やむなく中大サッカー部から離れることに。長きにわたる闘病生活を経て、今年の9月に見事復学を果たす。大好きなサッカーもできるようになった。しかし、1年半の闘病生活は過酷なものだったに違いない。

マイケル氏(左)と高橋(右)

 

マイケル氏「白血病になったときにがん治療をやる前に、僕は明確に『治療しますか』って聞かれたんですよ。おかしいじゃないですか。だって僕は明日生きられるかわからない状況で、するに決まってんじゃんって思ったけど、あとあとわかったんですよ。質問する理由が。きつすぎて、本当にやる価値があるのかを考えなきゃダメなんだってことを。例えば高齢者だったらこの痛みを味わわないで亡くなっちゃいたいっていう人もたくさんいる。じゃあ 、そんな質問聞かれた。めっちゃきつい治療この後待ってます。じゃああなた頑張りますか?っていう質問なんですよ。それじゃあ、頑張りますって答えた人がいます。でも治療ができないって言われたら、それはきつくないですか。めっちゃ頑張りたいって決めました。だけどこのままいけば輸血できませんって。となるとその人って頑張れない。選択肢を奪っちゃっている。 がん治療は100%輸血がないとできないんですよ。この中には、(将来)病気になる方も出てくると思うんですよ。出てくる可能性が高いんですよ。その時に自分たちが献血しなかったからその人の命は救われないんですよ。悔しくないですか?」

 

マイケル氏は想いを語った。難病と呼ばれる多くの治療には、輸血が必ず必要になってくる。しかし現状では毎年輸血する人口が減り、このまま減少し続けると将来治療する選択肢もできない患者がでてくるという。献血はたったの40分で終わる。この40分間が、世界中の輸血に困っている人を必ず救うことになるのだ。

 

マイケル氏「人を助けることが何よりも力だし、みなさんもサッカーチームやってて思うと思うんですけれども、お互いを助けようっていうのは何よりも力だと思うんですよ。何よりも偉大だと思うんで、明日明後日是非献血に参加して欲しいです」

 

最後にマイケル氏は献血への参加を熱く訴え、今回のセミナーは終了した。このセミナー後、サッカー部から多くの部員が献血に参加をした。顔も知らない誰かかもしれないが、確実に人を助けること。若い世代の元気な血が、世界中で求められている。この記事を目にした読者の方にも、ぜひ近くの献血センターで人の命を救う手助けをしてもらいたい。

 

記事:「中大スポーツ」新聞部

写真:杉山麻子(文3)