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特集・吉居大和 2年目インタビュー後編「東京オリンピックへの思いとその先」

前編「初めての海外遠征で見えた課題と得たもの」はこちら
中編「ルーキーイヤー」はこちら
2021年5月9日

全3回に渡ってお届けする「特集・吉居大和 2年目インタビュー」後編。

昨年の日本選手権で初めて日本のトップ選手たちと相まみえた吉居大和(法2)。大舞台での3位入賞はその実力を確かなものにした。今なお続くコロナ禍での競技だが、吉居にとってはマイナス面ばかりではないという。それは1年の延期が決まった東京オリンピックへの意識にも変化をもたらした。災い転じて福となすか──。最終回である後編では、トラックだけでなく駅伝やマラソンといった陸上競技への姿勢、オリンピックをはじめとした世界への意識について話を聞いた。(聞き手、構成:「中大スポーツ」新聞部)


東京オリンピック出場を狙う

──現在、男子5000mではオリンピック参加標準記録(13分13秒50)を突破した選手はいませんが、東京オリンピックへの意識はありますか。
吉居 そうですね。それこそ、このコロナの影響によって少しチャンスとして見えてきた部分があるので、狙える位置までは来たんじゃないかなと思います。結果出られなかったとしてもしっかり狙っていきたいと思っています。

──同世代には他種目でも三浦龍司選手(順大)や鈴木芽吹選手(駒大)といった力のある選手が多くいると思いますが、意識する選手はいますか。
吉居 同世代の選手にはだれにも負けたくないというのはもちろんありますし、これからオリンピックなどを狙っていくとなると、自分の世代よりも上の世代の人たちとも戦っていくことになるので、いまは大学内でしっかりトップを取れるようにしたいと思っています。

──吉居選手自身、トラックと駅伝のバランスはどう考えていますか。
吉居 出場するからにはどれも全力で走りたいというのがあるので、今シーズンまず前期はトラック、5000mに集中して、それから徐々に距離を伸ばして、駅伝では区間賞であったりチームの目標を達成できるように走れる準備をしていきたいなと思っています。

──前期は5000mで記録を狙っていき、秋口からは駅伝にシフトしていくという感じですかね。
吉居 そうですね。

──今シーズン、トラックでの目標は何ですか。
吉居 一番は東京オリンピックの5000mに出場というのを目標にしています。

──ことしもオリンピック選考を兼ねた日本選手権となりますが、タイムなど意識していることはありますか。
吉居 日本選手権は、それこそオリンピックを決めるためには3位以内というのが最低条件ではあるので、まずはそこかなと思います。タイムは3位以内に入れば自然とついてくるものだと思うので、日本選手権では3位入賞を目標にしていきたいなと思っています。

▲昨年の日本選手権のレース後、優勝した坂東悠汰(富士通)㊨と言葉を交わした。

将来像

──将来的なタイムへのこだわりはありますか。
吉居 13分13秒50(オリンピック参加標準記録)を早いうちに更新したいというのがもちろんありますし、それよりも上のレベルというのもいずれは出したいという気持ちがあるので、それに向けての今の目標タイムというのを常に考えてそれに向けて走っています。

──10000mであったりマラソンにチャレンジすることは考えていますか。
吉居 もちろん5000mだけでやっていくということにはならないと思います。どうなるかというのもまだ自分だけでは決められない部分ではあるのですが、マラソンであったりに挑戦したいという気持ちはあります。

──在学中ではどうですか。
吉居 マラソンをやるつもりはまだ学生の間ではないですね。学生のあいだは5000m、10000m、ハーフまでじゃないかなと思っています。

──最後にオリンピックや世界大会への意識を教えてください。
吉居 競技をやっているからには一番を取りたいという気持ちはあるので、いつかはそういう大きな舞台で勝負できる選手になりたいと思っています。

▲インタビューに答える吉居

◆吉居 大和(よしい やまと)
法学部法律学科2年。2002年2月14日生まれ、愛知県田原市出身。仙台育英高時代は3年時に都大路で優勝を経験。その後中大に入学すると、大学1年時から全日本インカレを制覇。またU20日本記録を2度更新し、日本選手権では学生トップの3位入賞を果たした。自己ベスト:ハーフ 1:01:47(U20日本歴代2位タイ)10000m 28:08.61(U20日本歴代3位)5000m 13:25.87(U20日本記録)

 

全3回に渡ってお届けした「特集・吉居大和 2年目インタビュー」。後編をもって完結となります。

なお、今回の取材は5月5日にオンラインで行いました。