2021年11月6日 山梨・塩山体育館
一戦も落とすことのできない5日間が始まった。大学日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が山梨の地で開幕。優勝で終えたリーグ戦からわずか3週間で迎えた初戦の相手は、東海地区の強豪・中部大。前半から粘り強いディフェンスと精度の高いシュートで5点差をつけ折り返すと、後半はメンバーを大きく入れ替える。インカレ初出場の1、2年生が中心となって得点を重ね、33-28(17-12、16-16)で勝利。2回戦進出を決めた。
▲ジャンプシュートを決める伊禮
負けたら終わり。優勝候補と目されながらも「初戦は魔の初戦と言われるくらい強いチームでも負けてしまうことがある」(実方智監督)と話すなど、独特の緊張感の中で迎えた初戦。開始30秒、中村仁宣(文4)のシュートがゴールを捉える。主将の一打で勢いに乗ると、伊禮雅太(法2)のサイドシュートや部井久アダム勇樹(法4)のキーパーの隙を突くシュートで3-0とあっという間に点差を広げていく。さらに「守りからの速攻」を武器とする中大にとって欠かせないディフェンスでは、久保寺歩夢(文3)が相手ゴール前のパスカットに成功するなど総力を挙げてボールを死守。10分からは「いつも通りできた」(中村翼)と話す通り、攻守がかみ合い試合は中大のペースに。17-12で前半を折り返した。
▲リーグ戦にて優秀選手に選出された蔦谷。今試合でもゴールを量産した
5点リードで迎えた後半は、全員ハンドボールを体現する試合となった。伊禮や中村翼を中心に順調に得点を積み重ね、後半15分までに28ー19とリードを広げる。たまらず相手が要求したタイムアウト後は、スタメンからメンバーを大きく変えコートにはフレッシュな顔ぶれが揃った。17分さっそく起用に応えた瑞慶山充貴(法1)がシュート。初出場初ゴールに、「(インカレが)本当に楽しみで練習から頑張っていました。シュートも決めることができてとても嬉しい」と振り返った。試合も終盤戦となった18分から24分にかけては、反撃を試みる相手ディフェンスに捕まり、なかなか得点できない時間が続くも、均衡を破ったのは同じく初出場の蔦谷日向(法1)。2連続得点を決め、チームの勝利に貢献した。
▲攻守ともに存在感を放つ部井久
攻守ともに本来の実力を存分に発揮した今試合。後半はインカレ初出場の1、2年生が中心となって得点するなど新戦力への期待も高まった。1年間チームの目標として掲げてきた大学日本一のために、1つずつ勝利を積み重ねていきたい。
▲後半からはスタメンの選手たちがベンチ入り。応援でチームを盛り上げた
◆試合結果◆
中大33(17ー12、16-16)28中部大
◆コメント◆
実方智監督
「(リーグ戦後は)リーグ優勝で出来上がったチーム力を落とさないように、今の良い状態を続けようということだけ考えていた。今日は前半の入りからいいスタートが切れて点差をつけながらプレーができた。準決勝くらいが山場になると思う。攻撃はもちろんだけど特にディフェンスが良いのでしっかり守って今日のようにできればいいなと思います」
中村翼選手
「初戦だったので入りは若干堅いかなって思った。会場の雰囲気もちがいますし、環境に適応しないといけない。特に今年の1、2年生は関東以外のチームとやるのも経験していないので、3、4年生がきちんと伝えてやることを徹底できれば優勝できると思います」
(記事:河辺希乃佳、写真:小幡千尋)