2025年11月7日 埼玉県・笹目公園野球場
秋季リーグ優勝の行方は最終戦までもつれ込む。中大は明学大と対戦。初回から先制するとその後も順調に得点を重ね、リードを広げる。先発した田邉優河(商2)も要所を締めるピッチングで1失点完投を収め、攻守充実した内容で見事優勝を果たした。
雌雄を決する大一番のマウンドを託されたのは、この秋好投を見せる2年生の田邉。初回は四球で出塁を許すも次の打者を併殺に打ち取り、結果として3人で抑える。
中大打線はその裏、1番打者の香川太佑(経2)、続く小牧颯太(経3)が四球で出塁。さらに、前の試合で復帰を果たした4番・若松虎太朗(文2)が申告敬遠を受け満塁のチャンスを作ると、5番の山本宗二朗(経3)のタイムリーヒットで幸先よく1点を先制する。

▲先制打を放つ山本
3回表、田邉は先頭打者にこの日初となるヒットを打たれる。続く打者の送りバント処理では自らのエラーで出塁を許し、得点圏に走者を背負う展開となった。その後、続く打者を空振り三振に仕留めて1死を奪うものの、次打者の打席でバッテリーエラーが発生。走者がそれぞれ進塁して二、三塁と一打逆転のピンチを迎えるが、田邉は直後に立て直し、後続を抑えて切り抜けた。

▲力投する田邉
粘る先発投手を援護したい中大は4回裏、1死から片倉裕文(法3)が四球を選ぶと、香川の打席で果敢に盗塁を決める。香川の捉えた打球はフェンス直撃のツーベースとなり、片倉は生還。貴重な追加点を挙げる。
5回裏、先頭の藤井拓海(経1)がライトへヒットを打つ。ランナーを置いて打席には先制のタイムリーを打った山本。「色々考えて練習でやってきた成果が出た」とセンターを勢いよく破るタイムリーツーベースを放ち、リードを3点に広げる。
田邉は6回表、先頭にツーベースを打たれると1死からタイムリーヒットで1点を失う。しかし続く打者を併殺に打ち取り、最小失点でしのいだ。
7回表、今度は先頭に死球を与えると、送りバントと内野のエラーで1死一三塁のピンチを招く。田邉はここで集中力を発揮。その後は走者を釘付けにし、追加点を許さなかった。
打線も流れを渡さない。この裏、1死から藤井拓が10球粘った末にセンターへヒットを打つ。続く打席には主砲の若松。3球目、捉えた打球はライトへ放物線を描き、試合を決定づける2ランホームランに。若松は相手投手についていくことが精いっぱいだったと語るが、抜群の修正力を見せた第4打席となった。

▲本塁打を放ち、出迎えられる若松
優勝まで残りアウト3つとなった9回の表、田邉は2死から出塁、続いてヒットを許し一、三塁とまたも緊張感のある場面を背負う。しかし続く打者をサードゴロに打ち取り、最後のアウトを奪う。その瞬間ナインは勢いよく飛び出し、マウンドには歓喜の輪ができた。

▲マウンドで歓喜するナイン
投打かみ合い最終決戦で秋季リーグ優勝を果たした中大は、春季リーグと全日本大会に引き続いて三冠を手中に収めた。
目前に控えているのは東日本大会。海老沼樹喜主将(経3)は、「新チーム発足当初から四冠達成っていうのを目標にずっと練習してきたんで。3年生にとっては本当に最後の大会になるので、とにかく悔いが残らないように、ここから東日本までしっかり気合を入れて練習して、四冠できるようにいい準備をしていきたい」と力強く意気込みを語った。最後の関門を制し、昨年に続く四冠達成という偉業に挑む。
◆試合結果◆
〇中大 5-1 明学大●
チーム 123 456 789 計
明学大 000 001 000=1
中 大 100 110 20X=5
(記事:木下百葉 写真:大澤晶、塚越香都)
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