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主将が決めた勝利の一撃! 苦しみながらもGWを勝利で締める!-関東学生ハンドボール春季リーグ戦 対法大

5月4日 日大八幡山総合体育館アリーナ

思い返せば、この大型連休の始まりだった筑波大戦も劇的な結末だった。そして、今回の法大戦。大型連休の締めくくりは、その筑波大戦より短い『残り2秒』で決着した。5点差をつけた前半から一転、終始苦しんだ後半だったが、「悪い流れだった中で、勝ち切れたのは大きいね」(実方監督)と指揮官は笑顔で胸をなでおろした。

▲安永翔(法3)とともにセンターとしてゲームメイクの役割を担う中村仁宣(文2)。安定感のあるプレーで監督からの信頼も厚い

前半、先制点こそ許したものの、前日の勢いそのままにディフェンスから流れを作る。キーパー大西暁斗(法4)の好セーブも光り、すぐさま3連続得点で逆転に成功。6分から9分にかけては「パスで相手を揺さぶって、しっかり点を取れていた」と蔦谷大雅(法1)が言うように、多くの選手が攻撃に絡む多彩な攻撃で4連続得点を挙げた。ここで法大はたまらずタイムアウト。この日も快調な滑り出しに見えた。

しかし、タイムアウトが明けると試合展開は一変。キーパーの好セーブやシュートミスなどが互いに重なり、10分から17分の間に両チーム合わせて1得点と試合はこう着状態となった。17分終わり頃に山川慎太郎主将(経4)のシュートが決まり、均衡が破れたと思われたが、中大はその後の18分から26分にかけてもシュートミスが重なり、得点を挙げられない歯がゆい時間帯が続く。前半を12-7の5点差で終えたものの、いつもとは異なる流れが漂っていた。

▲後半、悪い流れの中で貴重な連続得点を挙げてチームを救った蔦谷

後半、その悪い流れが現実のものとなる。法大は後半から2人の選手が前に出て守備をする、『2-4ディフェンス』の形に変更。そこで「相手の形にはまってしまって、崩すことができなかった」(山川主将)と前半終盤と同様に攻撃のミスが続いた。その間に法大が猛追。ついに8分中盤、試合は振り出しに戻った。その後は一進一退の攻防。相手の強烈なシュートがゴールを次々と揺らす中、中大も点差を広げられることなく何とか食らいついた。

そんな苦しい流れの後半、存在感を発揮したのが蔦谷だ。絶対に外せない緊張感の中で19分、20分に連続得点。「厳しいところでよく決めてくれた」と頼もしい1年生サウスポーの活躍に監督も目を細めた。

最終盤の28分、中村仁宣のパスをきっかけとしたプレーで、法大は1名が2分間の退場に。その後中大は同点に追いつくと、残り16秒でタイムアウト。「数的優位だったので、ノーマークを作って確実に決めよう」(山川主将)。キャプテンはそう声をかけた。そしてパスを回し、残り2秒。ボールを受けた山川主将が放ったシュートはゴールへ突き刺さった。その後すぐにブザーが鳴り23-22で試合終了。ベンチは総立ちで山川主将の周りには歓喜の輪が広がった。

▲残り2秒、逆転のゴールとなるシュートを放つ山川主将

現在3位の中大は、他大学の結果次第では2位以上も射程圏内。試合後「自分が監督になってからリーグ戦は3位が最高順位。2位以上にいきたいね」と監督から本音がこぼれた。リーグ戦は残り2試合。上昇気流に乗った中大が『常勝』軍団への道のりを突き進む。

▲逆転弾を決めた山川主将の周りには大きな歓声とともに歓喜の輪ができた

 

◆試合結果◆

〇中大23(12-7、11-15)22法大●

 

◆コメント◆

実方監督

「前半はディフェンスが良かったし、センターの安永・中村仁宣もうまくゲームメイクしてくれていい内容だったと思う。後半、相手のディフェンスにはまってしまって試合としての流れが悪くなってしまった。そんな中でも勝ちきれたし、最後キャプテンが決めてくれたのも良かったと思う。しっかり対策をして、万全の状態で来週臨みたいと思います」

山川主将

「相手のディフェンスにはまってしまったときに立て直す力がまだないと実感した。負けなかったことは大きいと思うが、チームとしてはまだまだ。左利きの選手に頼ってしまっている部分もあるので、もっと自分たちもがんばって、残り2勝したい」

蔦谷

「前半のシュートミスで流れが相手に行ってしまった。後半、2分間退場になってしまった場面があったので、気持ちでゴールを狙っていきました」

 

◆今年もやります!~4年生特集~◆

昨年に引き続き、チームを支える4年生を紹介するこの企画。第2回は今年度からアナリストとして重要な役割を担う、大坂間慶裕選手(法4)です!

▲パソコンを会場に持参し、データを入力する大坂間(右)

――ハンドボールを始めったきっかけは何ですか

大坂間「ハンドボールを知ったのは小学校3年生の時で、近所のおじさんに教えてもらいました。それで自分が小5になった時に、そのおじさんや知り合いの人が作ってくださったクラブチームに入って本格的に始めました」

――中大を選んだ理由は何ですか

「ずっと中学生の頃からハンドボールが好きで、どんどん高いレベルのところでプレーしたいなと思ていて。高校も地元離れて強いチームに行って、その頃からハンドボールの盛んな関東の大学に行きたいと思うようになりました。それで縁あって中大に入学しました」

――アナリストとしてどのようなことをしていますか

「試合中にどこからシュートを打たれたのかを着目したり、漠然と試合を見ているだけではわからないデータを客観的に分析しています。分析したデータはみんなにミーティングで知らせてたり、部のフォルダに入れて共有できるようにして還元します」

――同期はどんな存在ですか

「アナリストは自分からやろうと決めました。最初は主将の山川に相談したのですが、とても親身になって相談に乗ってくれて、自分で決めた道をみんなが応援してくれました。今まで自分は試合に出ることはできなかったけど、このアナリストという役職は新たな生きる道を与えてくれたと思っています。下級生時代から自分は一般生だったけど、同期のみんなは自分を一人の仲間として受け入れてくれました。この3年間は同期がいなかったらなかったと思っています」

――大坂間選手にとってハンドボールとはどのようなものですか

「自分にとって当たり前のものなので、ハンドボールは失いたくない宝物ですね」

▲好きな言葉は高校の校訓だった『他者の為に』。その思いがチームをいつも支える原動力となっている

とてもチーム思いの大坂間選手。中大アナリストのさらなる活躍に期待がかかります!

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部