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「記者が捉えたベストゲーム」第2回 記事・尾又賢司

2年生記者8人が昨年度の取材の中でNo.1の試合を一人1試合ずつピックアップし、その試合を記者目線で振り返っていくこの企画。第2回はラグビー部が見事入替戦を制し、1部残留を決めた試合です

※以下学部学年役職などは昨年度の表記に準じています。

2019年12月8日 ラグビー部
関東大学ラグビーリーグ 対立正大 1部2部入替戦
熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 Aグラウンド

私の記者としての一年の活動で、ラグビー部の入替戦は他のどの試合にも負けないほど熱かった。それは一年を通して戦ってきた中大ラグビー部のドラマがこの試合に感じられたからであった。

始まりは2019年8月31日の菅平での東海大とのリーグ初戦だった。遠藤哲ヘッドコーチを招き、新たな気持ちで臨んだこの試合だったが、結果は21対100で敗戦。大差をつけられた選手たちは衝撃を受けていたように思う。しかし、得点差ほどの実力差はなかったようにも見えた。

その後のリーグ戦も手ごたえは感じつつも苦しい結果が続き、選手たちは自分たちの成長を結果に照らして感じることができずにいた。もどかしかったはずである。試合前半に何とか粘り強く相手に食らいつくが、最後には勝つことができない、そんな印象の試合が多かった。リーグ戦も終わってみれば全体を通して16敗の8位でリーグ最下位。前年度に引き続き、入替戦に臨むこととなった。

▲スタンドには両チームたくさんの応援が駆け付けた

迎えた入替戦は立正大との対戦だった。会場はラグビーワールドカップでも使用された熊谷スポーツ文化公園ラグビー場のAグラウンド。寒空の中、スタンドにはたくさんの応援が駆け付け、スタンドはいつにない熱気に包まれていた。リーグ戦全勝で入替戦に臨んだ立正大の勢いに決して負けない中大サイドの応援の方々の強い気持ちが私にもありありと伝わってくるようだった。

▲FBの楠本航己(文4)のトライに喜ぶ選手たち

 選手たちのグラウンドでの立ち振る舞いにも相当な強い気持ちが表れていた。試合がスタートし、先制点を取られた時も焦る様子はなく、選手間での声の掛け合いや表情から気迫や試合にかける思いを感じ取ることができた。また、味方のプレーを称え、笑顔を見せる場面がいくつもあり、選手たちが試合を純粋に楽しんでいるようにも見えた。プレーの強度や技術に加え、試合にかける気持ちが強く試合に作用し、結果は52-24と快勝。見事に1部リーグを戦い抜いた中大ラグビー部の実力を発揮した。

▲試合後の4年生のみでの集合写真

私がこの試合を取り上げたのは、チームスポーツのいいところに出会えた試合だったからだ。苦しみながら年間を戦い抜き、成長を感じながらもリーグ戦で結果を出せずにいた選手たちの努力がこの試合で報われたようだった。選手、監督、スタッフ、そしてサポーターの方々が一体となって戦ってきた形跡とそれらが作り出したドラマが、これぞまさにチームスポーツの醍醐味であるということを伝えてくれるような、そんなベストゲームであった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

記事:尾又賢司(文2) 写真:「中大スポーツ」新聞部