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箱根駅伝前哨戦 初開催・MARCH対抗戦で自己記録連発―MARCH対抗戦2021

2021年11月24日 町田GIONスタジアム

ことし初めての開催となるMARCH5大学(明大、青学大、立大、中大、法大)の対抗戦が町田GIONスタジアムで開催され、10000m上位10人の合計タイムで青学大、明大に次ぐ3位となった。また、多数の選手が自己ベストを更新し、3~5組で自己記録を最も大きく更新した選手に贈られるABEMA賞に山田俊輝(経2)が輝いた。

1組目では渡辺大地(青学大)がスタートから独走するが、第2集団は他大学を中心に牽制する展開に。しかし、「自分の方から前に出ていけた」と言う中野倫希(経1)が29分台の目標に向けて第2集団を率いた。中野倫は最後まで積極的な走りを見せるも、30分切りには届かず。「あと1歩のところで粘り切ることができなかった」と課題を口にし、次へとつなげることを誓った。

2組目は、10月の東海大記録会後に花田コーチから賞賛を受けた丸山大輝(法2)が、この日も躍動する。「前半良い感じに動け、後半も崩れなかった」とラスト100mまでトップを争い、自己ベストを更新。夏合宿をうまく積めなかったという丸山だが、仕上がりは順調だ。

3組目には中大OBである上野裕一郎 立大男子駅伝監督(セントポールクラブ)が途中まで先頭を引っ張り、ペースメイク。上野監督が外れた後も400mを70秒前後で、ペースを崩さず居田優太(経2)、湯浅仁(経2)の2人が29分を切る好記録を叩き出した。居田は「今日少し自信になった分、トラックだけでなくロードにもつなげていけたらなと思います」と振り返った。
またゴール後、湯浅は喜びを表すと同時に鈴木聖人(明大)のもとへ駆け寄った。ラスト1周で声を掛け、28分台へと導いた鈴木。チームを越えた支えあいも見られた。

全日本大学駅伝の出場者が複数エントリーした4組目。ペースメーカーに外国人が起用されたこともあり、約半数が28分台という高速レースとなった。そんな中「どこまでつけるかというチャレンジ精神に絞っていた」と井上大輝(法4)が第2集団に最後まで食らいつき、28分45秒30でゴール。自己記録を更新した。

最終5組目。近藤幸太郎(青学大)、鎌田航生(法大)らが出場し、“各校エース対決”と銘打ってスタート。後半になるにつれて振り落とされる各校の主力を背に、阿部陽樹(文1)と若林陽大(法3)は第2集団での位置を維持し、今季チームトップとなる28分37秒35(阿部)、同2位となる28分42秒02(若林)で駆け抜けた。試合後、阿部は「練習から28分台を出せる力がついてきたと思っていたので、実力が発揮できてよかった」と振り返った一方、若林は「今日の結果では箱根で全く戦えない」と厳しい表情だった。

中大にとっては箱根駅伝の選考となり、多くの選手が照準を合わせて挑んだ今大会。藤原正和駅伝監督は「出してほしい選手がしっかりと出してくれた」と振り返った。
全日本大学駅伝や箱根駅伝予選会で出走した選手達の活躍だけでなく、次世代の台頭も見られた。藤原監督が選手起用、区間起用をどのようにするのか、目が離せない。

◆大会結果◆
1組
②中野倫希(経1)30分3秒90  PB
③高沼一颯(経1)30分7秒66  PB
⑤羽藤隆成(経2)30分31秒34  PB
⑫植村優人(経2)30分56秒97
⑰藤井拓輝(商4)31分16秒04
㉓川田涼(経1)32分21秒36  PB

2組
④丸山大輝(法2)29分38秒59  PB
⑨佐野拓実(経1)29分56秒78  PB
⑮矢萩一揮(法1)30分23秒15  PB
⑯浦田優斗(経1)30分31秒81
⑳小木曽竜盛(理工3)30分46秒59
㉕大澤健人(文2)31分21秒38

3組
②居田優太(経2)28分46秒35  PB
④湯浅仁(経2)28分47秒81  PB
⑥倉田健太(商4)29分11秒84  PB
⑪山田俊輝(法2)29分26秒30  PB
⑬園木大斗(法2)29分33秒89
⑮梶山林太郎(法3)29分38秒30  PB
⑲田井野悠介(文3)29分56秒21
㉖千守倫央(商3)31分14秒95

4組
⑦井上大輝(法4)28分45秒30  PB
㉑伊東大翔(文2)29分30秒08
㉘山口大輔(文1)30分20秒97
㉚山平怜生(法1)30分51秒94

5組
⑨阿部陽樹(文1)28分37秒35  PB
⑪若林陽大(法3)28分42秒02  PB
㉑助川拓海(経3)29分10秒29
㉖東海林宏一(経1)29分36秒04

◆選手コメント◆
藤原監督

──大会の位置付け
例年は学連の記録会に出場していますが、ここをメンバー選考の場にさせていただいて。うちの場合は(箱根駅伝)予選会と全日本の本戦で使ったメンバーが多かったので、主力は休ませたり、吉居は八王子の方で。ここには次世代というか、次にブレイクしてほしい選手を中心に、青山さんの胸を借りようと。

中野倫
──レースを振り返って
もともと関カレ、全カレで1500mの中距離を中心でやっていて、ここ2カ月くらいで長距離に戻って練習もしてきた中で、5000mにつなげる10000mという意図でレースに出場しました。結果、30分切りから29分くらいで走りたいと思っていたのですが、あと一歩のところで粘り切ることができなかったので、そこの粘りというところを5000mに活かしていきたいです。

──環境について
昨シーズンと今シーズンは観客や応援があるレースがなかったので、このように周りの声が聞こえるレースはすごく新鮮で、ありがたいことだと思います。

──今回見つけた課題
ここ2カ月の練習で長い距離をしっかり一定のペースで押していくというところで、(きょうは)後半になるにつれてあまり粘りができなかったところがあるので、そこをもう一度練習で積み直していきたいと思います。

丸山
──レースプランについて
前の方で攻めていく気持ちで、29分30秒に近いタイム出すことを目標にしていました。

──実際の結果は
自分が前に出るのが思ったよりも早くて、最後攻めきれなかった部分もありました。

──よかったことや悪かったこと
前半いい感じで動け、後半も崩れなかったことです。改善点は9000mあたりから追いかけてきた人たちに対応できる力がまだ足りていなかったと思います。

──今後の課題
スタミナは自信を持っているので、スピードをもっと楽に出せれば10000mも伸びてくると思います。あとは中間の動きを精度高くやっていけたらと思います。

佐野
──今日のレースを振り返って
5000mまで余裕を持っていけて、そこからペースが上がり集団が2つに分かれたときに前につけなかったのが反省点です。最後、30分をしっかり切ってベストが出せたのはよかったです。

──レースについて
6000mまでは予定通りにいけたのですが、そこからキツさで落ちてしまって。9000mとか3分5秒とかかかってしまったので、そこはちょっと遅くなってしまったという感じです。

──今後の課題
中盤のペースのアップダウンに体が遅れてしまったところで、ただラスト1キロはちゃんと上げられたので切り替えを意識して頑張ります。

居田
──今日のレースを振り返って
今日を1番の目標にというよりかは、12月の5000mを目標にしているので、気持ちも楽にスタートできました。ペースメーカーにもずっとうまく引っ張ってもらったので、目的通り次の5000mに向けていい感じに刺激入ったなと思います。

──レースプランについて
9000mまでずっとついて、5000mの速いペースを自分で上げていけというのを言われてたのですが、ちょっと上げきれなかったというか、キツくなってしまって。負けてしまうところがあったのでそこはまだまだかなと。

──今後の課題
長い距離になればなるほど僕は弱くなってきてしまうので、今日少し自信になった分、トラックだけでなくロードにもつなげていけたらなと思います。

湯浅
──今日のレースを振り返って
目標タイムは28分台ということで、タイムを意識するのではなく、順位を狙っていけばタイムがついてくると思ったので、とりあえず先着するということを一番に走りました。

──レースプランについて
立教大学の監督さんが引っ張ってくれるということだったので、とにかく上野さんについていって、残りの2,3キロをしっかり上げていくことを意識しました。

──よかったことや悪かったこと
よかったことはしっかりとタイムを出せたことで、悪かったところはラスト1周2周で中大の2年生に前にいかれたというところです。

──箱根駅伝に向けての意気込み
まだメンバーに入れるかは分からないですが、もしメンバーに入ったらしっかりと出走メンバーにも入ってチームの力になれるような走りができるよう頑張ります。

倉田
──今日の調子について
調子自体はそこまで抜群に良いという感じではなかったのですが、自信を持ってスタートラインには立てました。

──どう臨んだか
学内の選考であったので、そこの緊張というかプレッシャーはありましたが、こういうすごい環境を整備していただき、ここで走れるということに関しては楽しかったです。

──今回の記録会をどのように捉えたか
もう4年で、残り1カ月というところで、ここで走れなかったら箱根駅伝のメンバーとして走れなくてチャンスを逃してしまうことになるので、そういうところのプレッシャーというか、覚悟を決めて今日走れたと思います。

井上
──レースを振り返って
ペースが自分がやってきたレースより速くて、5000m以降はきつかったので、最後は粘ったという感じです。

──レースプランについて
留学生が引っ張るというのは分かっていたので、そこにどこまでつけるかというチャレンジ精神だけに絞っていました。

──よかったことや悪かったこと
よかったことは前が早いタフなレースでもしっかり自己ベストで走れたところ。課題点は僕よりもいっぱい他大学の選手が前で走っていたので、もっと前で前でという勝負ができたら100点だったかなと思います。

──箱根駅伝に向けての意気込み
ここからは調子を合わせたりとか、今の自分の力をどこまで出せるかというところになるので、そこに集中して。もう最後なのでこれまでやってきたことを出し切りたいです

伊東
──今日の調子
今シーズン通してずっと調子は良くなく、今日はある程度上がってきた感じです。

──環境について
こういう環境でやるのは初めてなので緊張とかはしたのですが、どちらかと言えば楽しみという気持ちが大きかったです。

──自己ベストを更新するためのレースの改善点
今日の先頭集団のペースが自分的に速いと感じてしまって、途中で自制してしまったところがあったので、そこはやっぱり早いと感じるのではなく、このペースがちょうどいいと思うようにならないともう一歩上の段階には行けないと思います。

阿部
──大幅自己新でした
練習でも28分台を出せる力がついてきたなと思っていたので、そこでしっかりと実力が発揮できてよかったです。

──ここに向けては
全日本から2週間しか経っていないので、合わせるというよりも今ある力を出そうという感じでした。

──箱根駅伝に向けての意気込み
全日本では少し悔しい走りになってしまったので、箱根駅伝ではしっかりと走れるように練習を積んで強くなりたいと思います。

若林
──今日のレースを振り返って
思った以上にタイムが出なくて、悔しかったです。

──レースプラン
最初、14分15秒くらいで入って、そこから押していくというプランだったのですが、思った以上に集団のペースが上がらなくて、自分もそこに合わせてしまって。自分でもっといけばよかったかなと思います。

──課題について
後半落ちてしまったので、そこを練習積んで、箱根までに修正していきたいです。

──箱根駅伝への意気込み
今日の結果では箱根では全く戦えないと思うので、残り1カ月くらいしかないですが、箱根に向けてしっかり練習していきたいと思います。

(記事:牧島駿太、杉浦瑛俊、写真:古川紗菜、杉浦瑛俊)