2025年8月29日 神奈川県・横浜国際プール
勝てばベスト4、負ければ4年生の引退がかかった大一番。中大と早大は、取っては取られて、取られては取ってと、まさに一進一退の攻防を繰り広げた。試合時間残り1分18秒、森田晃輝主将(文4)がペナルティスローを決め同点に追いつくと、残り27秒佐賀慶(経2)が放った超ロングシュートが決まり勝ち越しに成功。安田康太郎(文3)が連続セーブでゴールを守り切り、中大は見事勝利。ベスト4進出を決めた。
第1ピリオド(以下P)から、激しい攻防を繰り広げる。守りから流れを作りたい中大は、安田が早大の攻撃を防ぐと、佐賀がミドルシュートを決め、先制に成功する。安田はさらに4連続セーブを見せ、チームを鼓舞すると、鈴木海斗(文2)がゴール前で混戦するなか得点した。
▲好セーブを連発した安田
森田の退水に早大が得点するも、佐賀から本部颯汰(文1)へ、本部から藤林佳聖(文3)へと横幅を使ったパス回しで、キーパーを翻弄し、藤林が得点。点差を保っていく。またも失点するが、本部からパスをうけた久保田啓友(文2)がゴールのほぼ真横からシュートを決めて、2点のリードを守った。しかしながら、早大が3連続得点。中大は、4-5と1点を追う立ち上がりとなった。
▲ガッツポーズする藤林
第2P、先制したのは早大。久保田の退水に乗じて得点する。離されたくない中大は、吉村光貴(文4)がゴール前でためてシュートを放ち得点。続いて、早大選手退水のチャンスに、フリーになった佐賀がゴールし、同点に追いつく。早大がシュートを決め、またもリードされたが、すぐに船水淳希(文4)がバウンドシュートに成功し、必死に食らいついていった。
▲ゴールを見据える船水
第2P中盤に失点し、なかなか取り返せない中、早大にペナルティスローを与えてしまい、中大はピンチに陥る。ここで魅せたのが安田。早大のペナルティスローを防ぎ、チームを勇気づける。安田の活躍に呼応するように、吉村がカウンター攻撃を決め、中大は早大に追いついた。
▲同点打を放つ吉村
試合が後半に入るも、両チームの集中力は途切れない。飯島颯大(文2)がワンタッチシュートを決めると、早大も得点。本部がゴールから少し離れた場所から、狙いを定めたシュートで得点すると、再び早大も得点し、互いに譲らない。
▲力を込めてシュートを放つ飯島
第3Pも残り半分となるころ、船水が退水した隙に、早大が得点。取り返したい中大は、鈴木、吉村、本部が果敢に攻めるも、ゴールを捉えることができない。一方で、早大は逆サイドへのパスでディフェンスのマークを外し、安田との1対1に持ち込んで得点する。苦しい状況に、意地を見せたのは吉村。ペナルティスローを決めて同点に持ち込む。第3P残り18秒、横幅を利用した攻撃で失点するも、残り3秒、勝利に燃える船水がバウンドシュートで得点。なんとか同点のまま第3Pを終えた。
▲喜びをあらわにする船水
運命の第4P、森田がこぼれ球を決めリードを奪うも、早大もすぐさま得点する。その後、中大はペナルティスローという絶好のチャンスを獲得するも、得点することができない。大きな盛り上がりを見せる早大に、流れが傾きかけてしまう。安田がここでも好セーブを連発し、踏ん張っていくが、試合時間残り2分17秒、とうとう失点。続く中大の攻撃では、早大選手退水のチャンスに、タイムアウトを使って臨戦態勢を取るも得点できず、刻一刻と終了が近づいていった。
▲笑みをこぼす森田
絶体絶命の状況を救ったのは森田。ペナルティスローで、強気にキーパーの頭上を抜き、同点に追いつく。さらに、残り27秒、時間切れ寸前、土壇場で放った佐賀の超ロングシュートがゴールを捉え、逆転に成功する。これには佐賀も驚きと喜びが混ざった表情を浮かべた。早大は最後の攻撃に備えキーパーを下げる。6人全員攻撃にかかる早大に、ひりひりとした空気が会場を包んだ。応援席では、祈るように選手たちを見守る中、安田が信頼に応える連続セーブ。ゴールを守り切り、中大は勝利した。
▲驚きの表情を浮かべる佐賀
▲喜びを共有する選手たち
接戦を制しベスト4に進出した中大。絶対王者日体大を前に、一矢報いる姿を期待したい。
◆試合結果◆
◯中大 15(4-5、4-3、4-4、3-2)14 早大●
◆コメント◆
森田晃輝主将(文4)
ー今日の試合を振り返って、良かった点や改善点は
試合全体通して中大らしさが出た試合だったかなっていうのが良かったところです。取られても取り返して、心が折れても気持ちを強くしていたのが、チームの良かったところが出たのかなと思います。悪かった点としては、個人的にもなんですけど、自分がキャプテンという立場で、もう1ピリ目で退場寸前っていうになってしまったのが、悪かった点でもあり反省点でもあるので、そこは自分でも反省して、次の試合に向けて頑張っていきたいと思います。
ー今日の試合が山場だったがどのような気持ちで試合に臨んだか
もう負けたら終わりっていうことなので、4年生、やっぱりチーム全員負けられない気持ちって、強い気持ちを持って臨むことができました。
ーリーグ戦の後、強化してした点は
まず1から基礎を見直して、基礎をベースに強くしていって、それから応用っていうのをやっていきました。具体的には、チームの連携っていうものを強くして、意識改善だったりっていうものを徹底したからこそ、今日の試合が出たかなと思ってます。
ーご自身のに特に良かったプレーは何か
ほんとにいないと言っていいくらいの出場時間だったんですけど、最後のペナルティー取る前のプレーだったり、ペナルティを強気で頭の上抜いたりっていうのが、まあまあ最終的になんですけど、気持ちで乗り切ったところがオフェンス面でも良かったところなのかなと思います。
ー日体大戦に向けて意気込み
中央大学はインカレのダークホースとしているので、面白い試合を見せられるように頑張りたいと思います。
吉村光貴(文4)
ー試合の振り返り
気持ちいいっす!
ー今日が山場ということで緊張感とかもあったと思うんですがいかがですか
そうですね、やっぱりこのベスト4、3年連続っていうところは自分たちがすごい目標にしてたところなので、それまでそれに向かって練習してきたので結構自信はあって、個人的にもそんなに緊張とかはなかったかなと思います。
ー点が多く決まった要因など
やっぱり仲間を信じられたので、ここまで3得点かな、決めることできました!
ーリーグ戦後強化した点
やっぱりリーグ戦の反省で、基礎からもう1回積み上げていって、ここに照準を合わせてやってきたので、それが発揮することできて最後泳ぎ勝てたのかなっていう風に思います。
ー昨日、2年生の選手にお話をうかがって、4年生にメダルをかけたいといった意気込みを聞いたんですけれども、後輩の皆さんへの何か思いは
ほんとにいい子たちなんで、最後自分たちがメダル取って、みんなで勝利分かち合いたいなって思ってます。
ー日体大戦にに向けて
絶対勝ちます!!!
船水淳希(文4)
ー試合振り返って
厳しい試合だったんですが、最後勝ちきれて引退にならなくて良かったです(笑い)
ー今日が山場だったが緊張感などは
引退とかチームで最後の試合になるかもしれないという部分でプレッシャーはありましたが自分たちらしく楽しんで試合ができたので良かったと思います。
ー一進一退の攻防だったが試合中はどんなことを考えていたか
試合中は出来るだけ冷静にミスを少なく、そして相手のミスに付け込めるかという部分で心は熱く頭は冷静にということをチームメイトにも声かけをしていました。
ーリーグ戦が終わった後改善した点など
自分たちの流れになったときにミスで流れを持って行かれてしまって勝ちきれない試合があったので、今日みたいに冷静に運べるようにというところを修正してきました。
ー明日の日体大戦に向けての意気込み
相手は絶対王者なので一矢報いることが出来るように集中して頑張っていきたいです。
(記事:福田菜緒、写真:大畠栞里、琴寄由佳梨)
公式X(@chudaisports)
Instagram(@chuspo_report)