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櫻井のバットで導いた!苦しみながらも掴んだ今季初勝利ー東都大学野球秋季リーグ戦 対東農大1回戦

2024年9月25日 明治神宮球場

チーム   123456789=RHE

中 大   002003000=571

東農大   000011011=4122

[中]山口、三奈木、今村、岩城-野呂田

[農]長谷川、金井、石原、澁谷、岡部-仲間、山田浩

[本]なし

◆スタメン◆

1[遊]佐藤 壱聖(経2=東日本国際大昌平)

2[中]橋本 航河(文1=仙台育英)

3[二]繁永  晟(商3=大阪桐蔭)

4[左]櫻井 亨佑(商4=習志野)

5[一]松嶋 晃希(経3=浦和学院)

6[三]伊藤 櫂人(文2=大阪桐蔭)

7[右]皆川 岳飛(経3=前橋育英)

8[指]安田 淳平(商2=聖光学院)

9[捕]野呂田 漸(文3=秋田中央)

P   山口 謙作(商3=上田西)

開幕カードは日大に投打で圧倒され、22年春以来の連敗スタートとなった中大。空き週を経て迎えた第2週は今秋31年ぶりに1部昇格を果たした東農大との対決となった。
開幕カードで連敗を喫した両校の対決は、中大が3回に櫻井の適時打で先制点を獲得し、その後も追加点を重ねる展開に。しかし、中盤以降は細かいミスが連鎖し、一転して東農大に流れが傾いた。9回には一打逆転サヨナラの場面まで攻め込まれるも、8回途中から登板の岩城颯空(経3=富山商業)が踏ん張り、苦しみながらも今季初勝利をつかんだ。

 

開幕カードは18イニング無得点と打線が振るわなかった中大はトップバッターに佐藤壱、皆川を7番に下げるなど打順を組み替えて試合に臨んだ。
初回、その佐藤壱が右前に運び、橋本が犠打、繁永が四球でいきなり好機を演出する。しかし、4番櫻井、5番松嶋が倒れ得点を奪えない。

中大の先発は開幕カードはリリーフで登板した山口。初回は先頭打者の古川(東農大)に安打を許すも、落ち着いた投球で後続を打ち取り、安定した立ち上がりを見せた。


▲今季初先発で試合を作った山口

両チーム無得点のまま迎えた3回に試合が動く。2死から繁永が四球を選び出塁すると、打席には先日プロ志望届を提出した4番櫻井。東農大のエース長谷川の初球ストレートを振り抜くと、鋭い打球がライトの頭上を破る。この間に一塁走者の繁永が生還。スコアボードに待望の「1」を刻んだのは、キャプテンのバットだった。櫻井は「打席に入って直感で真っ直ぐだと思って、詰まらないようにという意識で入って、一番良い結果になった」と振り返った。
勢いそのままに松嶋もライト線に適時二塁打を放ち、中大が2点の先制に成功する。


▲先制タイムリーを放った櫻井。中大に今シーズン初得点をもたらした

援護を受けた山口は時折制球に苦しみ、走者を背負いながらも130㌔台後半のストレートと変化球の組み合わせで要所を締めて5回1失点。先発の役割を十分に果たす投球を続けた。6回表には四球と相手のエラーで無死満塁とし、7番に打順を下げた皆川がバットを折りながらもショートの頭上をしぶとく越える適時打を放つと、野呂田のセカンドゴロの間にもう1点。その後も相手のミスが絡み、この回3点を追加する。4点差で終盤戦に突入し、試合の流れは完全に中大にあると思われた。


▲追加点となるタイムリーを放った皆川

しかしその裏、好投を続けていた山口が先頭打者にストレートの四球を与えると、ベンチは三奈木亜星(商3=浦和学院)にスイッチ。その三奈木は2本の単打とホームゲッツーで2死三塁のピンチを招くと、バッテリーミスの間に1点を失う。

7回8回と塁上を賑わせながらも得点を奪えずにいた中大。8回に大きな山場が訪れる。三奈木の後を継ぎ、7回は三者凡退に抑えた今村拓哉(文4=関東第一)が先頭に死球を与えると勢いを増す東農大打線の中軸を前に連打を浴び、無死満塁のピンチを背負う。一塁走者が還れば一気に同点という緊迫した場面で開幕カードでは先発を務めた岩城がマウンドへ。春季リーグの日大戦では無死満塁を無失点で切り抜ける完璧な投球で強烈なインパクトを残した岩城。この日も1球目から147㌔を記録するなど力強いストレートを軸に最初の打者を浅い右飛に仕留める。その後もストライク先行の強気な投球を見せるも、続く山田愼(東農大)にはセンター前にポトリと落ちるタイムリーを浴びる。依然として1死満塁とピンチが続く中、後続は高めのストレートで空振り三振と一ゴロで抑え、何とか最小失点で切り抜けた。


▲8回途中からのリリーフで試合を締めた岩城

2点差で迎えた9回裏、続投の岩城は先頭の古川(東農大)に痛烈な中安打を浴び、続く打者は意表を突くバント安打。投内連携がわずかに乱れて無死一、二塁と一打同点、一発が出れば逆転サヨナラとこの回も厳しい展開を迎える。
この場面で東農大の打者は主将の和田。カウント1ー1から低めの変化球を泳ぎながらも拾い上げた打球がライトの後方を襲うも、途中から守備に入っていた古河琢麿(経2=佐野日大)がフェンス際で好捕。抜けていれば一気に同点だっただけにチームを救うビッグプレーとなった。岩城は続く4番菊地希(東農大)には詰まらせながらも左前に落ちる適時打を浴び、1点差に迫られるも続く2人を打ち取り、試合を締めくくった。


▲試合後、ガッツポーズを見せる櫻井

櫻井は試合後、「取れるところはまだまだあったと思うし、課題も出たと思うので明日しっかりそこを潰して勝ち点取れるようにやっていきたい」と話し、清水監督も「どこも必死だし、一つも落とせる展開ではないから、また全員で戦っていきたい」と気を引き締めた。

中大はこれが今季初勝利。攻守ともに課題が垣間見えたものの、苦しみ抜いた末につかんだこの1勝がリーグ優勝への道しるべとなるか。昨秋、今春ともにわずかな勝率の差に泣いた中大にとって、このカードを連勝で飾れるかは大きなターニングポイントとなる。

◆試合結果◆

〇中大 5-4東農大●

◆お知らせ◆

次戦は9月26日(木曜日)に明治神宮球場で行われる対東農大2回戦です。

 

(記事:志水恒太 写真:髙梨晃世、中島遥)

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