昨年のリベンジ果たし春季リーグ優勝！誕生日迎えた監督へ最高のプレゼントー東都大学準硬式野球春季リーグ戦対国士大　第一戦

2025年５月10日　東京都・スリーボンドスタジアム八王子

この試合に勝てば最後の勝ち点を待たずして優勝が決まる大事な一戦。負けられない試合の相手は昨年の秋季リーグで敗北を喫し、中大の10季連続優勝を拒んだ国士大だ。悔し涙を飲んだ相手に果敢に攻めの姿勢を見せ、先発の大山北斗（商４）も完投完封を成し遂げ危なげなく勝利。春季リーグ優勝を決めた。また、この日は小泉監督の誕生日でもあり、最高のプレゼントとなった。

試合は初回から大きく動く。先頭打者の相野七音（文４）が四球で出塁すると、続く村田慶二（商３）の犠打で相野を二塁へ送る。吉井愛斗（経３）がセンター方向へ安打を放つと、一死一、三塁と大きなチャンスを迎える。打席に立った４番・山口剛大（文３）が好機を逃さずライト方向へ打球を飛ばしヒットとなる。その間に相野が帰還し、先制点を挙げた。なおも一死一、三塁とチャンスは続く。岩井大和（経４）は４球目で捉えた打球はライト方向への適時打となり、一気に２点を追加した。その後も堀川琉空（文２）のヒット、村上太一（経１）の犠打で１点を追加し、初回から一挙４点を獲得した。岩井は「１度負けた相手に２回負けることは許されないので、とにかく泥臭く、勝ちにこだわって」挑んだという今回の試合。「３塁ランナーをタッチアップで返すことしか考えてなかったので、いい所に飛んで日頃の行いが出たなと思いました」と点を決めた時の心境を語った。

▲２打点の活躍をした岩井

大山は３回にランナーを三塁に置くピンチを切り抜ける。その後迎えた４回、再び試合は動く。この回の先頭打者沼澤梁成（商２）が四球を選び出塁すると、相野の完璧なスクイズで沼澤を二塁へ送る。続いて打席に立ったのは一回で安打を放っている村田。村田は２球目で打球をセンター方向に運び、沼澤をホームへ返すことに成功。ダメ押しの１点を追加した。

▲通算打3割４分６厘の村田

この回を抑えれば優勝が決まる９回。大山はこの回の先頭打者、その次の打者から連打を浴び無死二、三塁とこの日一番のピンチを迎える。しかし、３人目の打者をゴロに打ち取ると大山のギアが上がる。続く打者を空振り三振で倒し、後アウト一つで優勝が決まるという場面。緊張の中、大山は制球を乱さずに攻めた投球を見せる。ラストの落ちるボールに打者はタイミングが合わず空振り。三つ目のアウトを取ると大山は両手を上げ笑顔を浮かべた。その瞬間、中大の選手たちがマウンドに駆け寄り、優勝の喜びを噛み締めた。大山は「今日勝てば優勝だったので意地でも抑えてやろう」と強い気持ちでマウンドに立ち、メンタルを保っていた。優勝については「去年の秋季リーグ戦で10連覇を逃しており、今回の春季リーグ戦で優勝する事が出来てホッとしています」と語った。

▲優勝を決め、マウンドに集まる選手たち

試合後、小泉監督の誕生日を選手がサプライズでお祝い。監督は、ケーキとプレゼントを持って登場した選手に笑顔を向け、嬉しそうな笑みを浮かべた。酸いも甘いも共に分かち合い、歩んできた監督へ「優勝」という最高のプレゼントも選手たちは併せて送った。監督は「毎年ああやってお小遣い削って（お祝いを）やってくれてるっていうところは、いつもの勝利よりも嬉しい勝利にはなったっていうのは正直なとこですね」と笑顔で語った。

▲試合後に小泉監督の誕生日をお祝いする選手たち

▲ロウソクを消す監督

雨で順延が続き、中大は過密なスケジュールの中でのリーグ戦となった。監督は「雨で流れていたシーズン。まだ終わってないですけど、建て直して１個１個焦らずに積み重ねて取れたっていう選手をまずは本当に称えたいなと思っています。雨で流れたことによって、怪我してる者とか調子が悪い者が調整するチャンスっていうのがあったので、そこをプラスに捉えて、気持ちを切らさずに、まずはこの自分たちの目標してるところを勝ち取れたっていうのは、評価に値するかなと思っているので、明日にもしっかり繋げたいなと思ってます」と明日に残った試合について話した。優勝した選手たちが目指すのは「完全優勝」。優勝が決まった後の試合も気を緩めず、５つ目の勝ち点を手に入れ有終の美を飾るため、明日も彼らはバットを振るう。