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悲願の王座出場果たす 男子アーチェリー部、堂々のベスト16─第64回全日本学生アーチェリー男子王座決定戦 

2025年6月14日~15日 静岡県・つま恋リゾート彩の郷 

15年ぶりの夢の舞台。全日本学生アーチェリー王座決定戦(以下、王座)に、男子団体が出場した。 

予選は、12位につけた中大。決勝トーナメントでは、熊大戦との1回戦に勝利するも、2回戦の強豪・拓大に力及ばず、最終結果はベスト16となった。主将の塚原悠(法4)は、「選手全員が初めての大舞台にも関わらず、ベストパフォーマンスを出せた」と健闘を振り返った。 

▲一丸となったアーチェリー部

 

15年ぶりの王座出場まで


「(現在の)4年生が入部した時は関東2部リーグに所属しており、王座出場など夢のまた夢でした」と、塚原主将は当時を語る。しかし、塚原たち51期が入部した2022年のシーズンに、1部昇格を果たす。それからリーグ内の順位も上げていき、部員ごとに個人差があった王座への意識が、徐々に一つになっていった。

そして2025年、記録選考(公認試合における選手3人分の得点の合計を、まだ王座への出場が決まっていない全国の大学で競う)に通過。出場を夢見た先輩たちの想いを背負い、ついに王座への切符を手にした。 

 

決勝トーナメント・ルール


団体戦出場メンバーは、石井佑治(経4)と大磯晴斗(文2)、日出山凛太朗(経2)の3名。 

各セット2射×3人、計6射を4セット繰り返す。セットごとに相手と合計点を競い、勝てば2点、同点なら1点のセットポイントを手にする。 

また、4セット終了時に両チームのセットポイントが同点の場合は、1射×3人のシュートオフと呼ばれる延長戦に突入となる。 

▲左から大磯、日出山、塚原、石井

 

決勝トーナメント1回戦 対熊大


中大は1セット目を先取するも、続く2、3セットを奪われる展開に。「次のセットで勝たなければ負ける」(石井)と、チームに緊張が走った。さらにこの日は強風で、矢が風に流される場面もあった。「風が不規則かつかなり強かったため、全員が少なからず焦りや苛立ちがありました」と、日出山は風の影響を話す。 

流れを変えたのは、チームを引っ張る最高学年・石井の提案だった。当時の状況について大磯は、「2セット取られた後、矢取りに向かう時に石井先輩が『次のセットから射つ順番変えよう』と助言してくださいました」と語った。 

この変更によって、崩されていたテンポを取り戻し、4セット目をもぎ取った。セットポイントは4-4となり、試合はシュートオフへ。勢いづいたチームは、一人1射の緊張の場面を決めきり、2回戦に駒を進めた。 

 

決勝トーナメント2回戦 対拓大


続く拓大戦は、苦戦を強いられる。どのセットも、射の合計点は3~6点の僅差であったものの、連続で3セットを奪われ敗北となった。「経験不足や緊張が表れてしまった」(塚原)ことは、今後の課題である。 

▲応援にも熱が入った

充実の大会を終えた選手は、既に先を見ている。石井は「常に皆が同じ目標を掲げ、同じ方向を向き続け、王座出場常連校になること」と目標を語った。王座を経たアーチェリー部のこれからは、一味違うはずだ。 

 

試合結果


予選

12位(石井608点、日出山606点、大磯606点、塚原594点 

決勝トーナメント

1回戦 〇中大5-4熊大● 

2回戦 ●中大0-6拓大〇 

最終結果 ベスト16 

 

選手コメント(一部抜粋)


主将・塚原悠 

──チームの今度に向けて 
今年は男子のみの王座出場となりましたが、来年度は男女での王座出場を目指していきたいと思っております。油断することなく、常により高い目標に挑戦していく姿勢を貫いていきます。 

 

石井佑治 

──王座出場の難しさ 

王座常連校の多くがスポーツ推薦出身でチームを構成している中、うちの部活は9割以上が大学始めの初心者で構成されており、出場自体が中々難しい状況にあります。 

──出場の感想 

チームとして活動する上で、皆が同じ目標を持ち続け、諦めないことが大切だと痛感しました。自分たちで掴み取った王座という景色、この舞台は一生の思い出になったと思います。 

 

大磯晴斗

──良かった点 

高校の頃に一度、同じ会場で試合をした経験があったのもあって、過度な緊張はせず、のびのびとプレーできて、予選では606点と試合自己ベストに次ぐ点数を射つことは出来たのはとても良かったと思います。 

──課題 

2日目は自分のミスが目立ちチームに迷惑をかけてしまい、まだまだ未熟さを感じました。この悔しい経験を糧に来年、再来年とチームを引っ張って再び王座に出場して、メダルを持って帰りたいと思います。 

 

日出山凛太朗 

──良かった点 

アーチェリーを初めて1年足らずで王座に出場できたことはとても良い経験になりました。また、射場によって得意不得意の意識が強く出る自分にとって、あの場で試合での自己ベストを出せたことは来年以降につながる良い結果だったと思います。 

──課題 

団体戦ではシュートオフなど局所的に貢献できた場面はあったものの基本的にチームに迷惑をかけ続けてしまい、練習不足や経験不足を感じました。この貴重な経験を無駄にすることのないよう、来年以降ではより良い結果を残せるように精進します。 

 

(記事:田中のぞみ、写真:中央大学学友会体育連盟アーチェリー部提供)

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