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トラックシーズン突入 中野翔 自己ベストも「最低限の走り」ー中央大学記録会

3月15日追記:一部記事を修正しました。

2022年3月13日 中央大学多摩キャンパス陸上競技場

穏やかな天候と共に春の訪れを感じさせる暖かな気温の元、絶好のコンディションで迎えた今季最初の中大記録会。同日開催の立川学生ハーフに多くの選手が参加したため、昨年よりも出場者が少なくなった今記録会だが、今春入学予定の高校生2人を含む4人の選手が出走した。

レースは、ペースメーカーとしてエース吉居大和(法2)の弟で今春入学予定の吉居駿恭(仙台育英高)、居田優太(経2)、山田俊輝(経2)、中野倫希(経1)が交代で引っ張る形となった。目標タイムに向けてハイペースで走る中野翔太(法2)の後ろに、高校生の溜池一太(洛南高)が果敢に食らいついて、第1集団を形成。小林龍太(経3)、伊東夢翔(国学院久我山高)の2人は第2集団を形成した。

▲スタート直後。第一集団は居田が引っ張る

最初の1周を69秒から70秒で通過する中、3000mを過ぎたあたりで溜池が中野翔のハイペースにつききれずに遅れ始める。「疲労を抜き切れなかった」と語った溜池は、それでも後ろから来た第2集団には離されずに食らいついた。

先頭をひた走る中野は中間点の5000mを14分22秒で通過し、ペースメーカーの吉居駿に引っ張られ、終盤に向けてスピードを上げていく。一方で8000m過ぎ、伊東夢が第2集団から離されて単独走となった。

▲吉居駿がペースメイク

「設定タイムよりは遅かったですが、最低限の走りはできた」と中野翔は自己記録を更新する28分38秒78でフィニッシュ。少し遅れた溜池もラスト1周は中野翔と同じ63秒で走り、29分21秒62をマーク。溜池は「甘くなかった」とレース後悔しさをにじませた。目標にしていた28分55秒は出せなかったが、終盤見せた持ち味の粘りの走りは今後のシーズンにつながるはずだ。

▲小林㊧は5000mまで。伊東夢㊨は終盤単独走となった

終盤、単独で走り続けた伊東夢は29分48秒56でフィニッシュ。「都大路から連戦続きで調整がうまくいかなかったが、この時期に故障せずに走れたのは収穫だった」と前を向いた。

新入生にとっては力を出し切れなかったと振り返る苦い記録会となったが、ともに走った中野翔は「強力な1年生が入ってきているので、上級生として新1年生に負けないように」と、期待と同時に危機感も口にした。

箱根駅伝において歴史的なシード権を獲得したチームに、春の訪れとともに新しい風が吹き込もうとしている。果たしてそれがチームにどのような変化をもたらすのか。さらなる飛躍に向けて期待が高まるばかりである。

◆選手コメント◆

中野翔
──目標タイムは
28分30秒ぐらいを目標というか設定にしていました

──今日の結果について
ちょっと中盤落ちてしまった所があったんですけど、最後しっかりと上げれて28分40秒は切れたので、設定タイムよりは遅かったですけど、最低限の走りはできたと思います

──今後のシーズンに向けて
シーズン前半は5000mをメインでやるので、このスタミナをしっかり5000mで出して、そこからスピードにつなげていければタイムが出せると思うので、そこにつなげていければいいかなと思います

──新入生と一緒に走ったが
強力な1年生が入ってくるので、上級生として新1年生に負けないように結果を出していければなと思います。チーム全体としても盛り上がると思うので、しっかりその流れに乗っかっていきたいなと思います

伊東夢
──レースを振り返って
最低限ベストを出せるペースで、あわよくば28分台狙いだったんですけど、都大路が終わってから連戦だったので、思ったより調整がうまくいかなかったです。僕はこの時期に結構故障してることが多いので、この時期に走れたというのがまずは収穫です。課題は走り込みがまだまだ足りていないところ。今日走っている中野さんとかは走り込みができているからこそ、こういった暑い中でも走れるんだと感じました

溜池
──レースを振り返って
思ってたより甘くなかったですね。甘くなかったです

──途中、中野翔選手から離れたが
今日を迎えるまでに疲労を抜き切れず、調整ができなくてあまり調子が良くなかった。その中でも結果を出していかないと戦っていけないなと思いました

──監督やペースメーカーからの声かけについて
しんどい中で声かけをしていただいて、ずるずるとペースが落ちていきそうな時も耐えようと思えました

◆大会結果◆
①中野翔太(法2)     28分38秒78 PB
②溜池一太(洛南高)    29分21秒62
③伊東夢翔(国学院久我山高)29分48秒56
④小林龍太(経3)     DNF

(記事:角谷優希 写真:杉浦瑛俊)