2025年11月16日 中央大学多摩キャンパス
11月16日中央大学多摩キャンパスにて、第58回日本空手道松濤會学生連盟演武大会が開催された。松濤會90周年の節目となる今年、本学にて本大会が開催されることを、中大空手部一同喜ぶ様子が見られた。

▲挨拶を行う可知
本大会では可知あすか(文4)が学生連盟委員長を務め、演武が始まる前に全体挨拶を行った。
午前には、参加校である成城大、専大、学習院大が演武を行った。中大は自身の演武前ではあるが、同じ大学生の演武を真剣に見学し、良いところを吸収しようと、自らをを高める様子が伺えた。
午後になり、主催校演武では平安二段、平安三段、平安四段、平安五段、抜塞大、観空大、慈恩、十手、燕飛、明鏡、半月、棍の組手、松風の順で担当者が演武。続いて主将竹中杏樹(商4)は大会前に「伝統に恥じないような演武を」と語り、堂々とした演武をしてみせた。最後に大極初段、鉄騎初段を全員で演武し、中大の演武を終えた。

▲主将演武をする竹中
全ての参加校、支部の演武が終わると合同稽古を行った。他大学、他支部と積極的に関わり、互いの技術を高め合った。
空手に試合はないという考えのもとで練習に挑む松濤會。今回の演武大会も、大会という名こそあるけれど、順位を競わず、お互いの練習の成果を発表する場であった。
12月13日(土)に段審査を迎える中大空手部。竹中主将は「学生生活の集大成として」、和田竜輝副将(法4)は「今まで指導してくださった指導部の皆様、OB・OGの皆様、現役時代にお世話になった先輩方に報いるためにも必ずや昇段」とそれぞれの目標を示してくれた。
◆コメント◆
竹中
──演武大会を振り返って
松濤會90周年、中央大学空手部85周年、そして4年に一度の自校開催という節目の年に、中大空手部主将として演武する機会をいただき、大変貴重な経験となりました。主将演武では、会場内に流れる時間を一人受け止める感覚を覚え、主将としての責任の重みを肌で感じた瞬間でもありました。諸先輩方が築かれてきた空手部の素晴らしい伝統を絶やすことなく、次世代にしっかりと引き継ぐことができるよう、引退まで緩みなく稽古に邁進(まいしん)することを改めて決意しました。
──段審査へ向けての意気込み
私たち4年生は、後期審査会をもって中大空手部を引退します。今回演武する「抜塞大」は、黒帯を取得してから練習を重ねてきた、私にとって思い入れの深い型です。これまでの稽古は、諸先輩方のご指導、同期からのアドバイス、そして後輩たちの応援に支えられて取り組んできました。空手部で過ごした日々は、私の大学生活4年間そのものを象徴するかけがえのない時間です。演武を通して、空手部で出会ったすべての方への感謝を表し、学生生活の集大成としてふさわしい演武を披露したいと思います。
和田
──演武大会を振り返って
空手部は、平日は多摩キャンパスと都心キャンパスの二拠点体制で活動しており、土曜日だけ全部員そろって多摩キャンパスの道場で活動しています。
そのためキャンパスの異なる部員同士で型を合わせる機会が非常に少なく、そんな中で型の呼吸や改善点・注意点を共有し、より息の合った型を目指していくことが都心の一部員としてかなり苦心しました。それでも大会当日は部員全員がいつも以上に集中して演武できていたと思いますし、私自身も一緒に演武したメンバーと心が通じ合った型が披露できたと思っています。
そして、先日の演武大会は特に中央大学が演武大会主催校としての開催でした。また、今年は他にも、中央大学空手部の親団体の日本空手道松濤會が創立90周年・空手部が創部85周年、と記念すべき出来事が重なっていました。そのような節目の年に4年生として、副将として携われたことは非常に光栄で貴重な経験をさせていただいたと思いますし、空手部の伝統を後世に引き継いでいけるように今後も関わっていきたいという気持ちになりました。
──段審査へ向けての意気込み
私たち4年生は後期審査会をもって空手部を引退します。4年間苦楽を共にしながら切磋琢磨してきた同期とともに演武する最後の機会であり、これまでの4年間の集大成の場です。
演武大会では正直かなり緊張していましたが、審査会では型に収まるのではなく自分らしさを出して、技の緩急・體の伸縮・力の強弱の大きい型を演武します。そして、今まで指導してくださった指導部の皆様、OB・OGの皆様、現役時代にお世話になった先輩方に報いるためにも必ずや昇段します。
可知
──演武大会を振り返って
まずは、本演武大会の開催にあたり、多くのご支援・ご協力を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
本年度は、松濤會が創立90周年、中央大学空手部が創部85周年という大きな節目の年でもあり、そのような記念すべき年に学生連盟委員長として演武大会の運営に携われましたことを大変光栄に存じます。
5月より本格的に準備を開始いたしましたが、思うように進まず苦労する場面も少なくありませんでした。しかし、空手部員をはじめ、学連メンバー、各支部の皆様の温かいご協力のおかげで、無事に大会を開催することができました。
本演武大会は、参加される皆様が大学や支部の垣根を越えて交流を深めることを目的としております。これまでも3回参加してまいりましたが、今回委員長として運営に携わったことで、改めて松濤會の強い結びつきを実感する貴重な機会となりました。
──段審査へ向けての意気込み
12月13日(土)は、大学4年間で最後の審査会を迎えます。一年生の頃、当時の4年生の先輩方が最後の演武をされる姿を拝見し、思わず涙が溢れたことを今でも覚えております。もう先輩方の演武を見ることができなくなる寂しさと、これまでの思い出が胸に込み上げてきたからです。そんな先輩たちの背中には程遠い私は、残された時間への焦りと、最後の審査会に向けた高揚感が入り混じっています。しかし、だからこそ、悔いの残らないよう一日一日を大切にし、審査会に向けて精進を重ねてまいります。
(記事、写真:藤野真紘)
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