優劣を競ったり勝敗をつけることなく自身の心身を鍛え成長することを目標とする合気道。他の多くのスポーツと異なり大きな大会やリーグ戦などはなく、秋に武道館で行われる演舞大会で自分自身のベストを発揮する。今回はそんな合気道の魅力に迫るべく、中大合気道部の練習を訪れた。
▲お手本を見せる田中主将と真剣に見つめる部員たち
合気道部の大きな特徴として、スポーツ推薦がなく部員のほぼ全員が初心者という状態から始まるというのが挙げられる。練習では準備体操をした後、主将の田中優美（文４）が技ごとにお手本を見せ、それを部員が真似をし実践するという形式で行っている。全員がほぼ同じレベルであることからお互いに指摘し合いながらより良い動きを目指し楽しく練習している姿が印象的だった。
合気道の技には呼吸投げ、四方投げ、小手返しなどがあり、相手を攻めるのではなくそれを制し相手のしてきた技を返す守りの武道とされている。例えば手のひらを下側にして相手に腕を掴まれた時に、手のひらを返すことで相手が手を離さなければいけない状態になり、そのまま腕を押さえて床に押さえ込むというような護身術として特に女性が覚えておいて損はないような技術を応用していたりする。
▲部員に技を教える田中主将
▼山ノ井監督インタビュー
ー部の目標
入学時よりも一回り大きな人間になることです。合気道部で様々な経験をし、それを糧に人間として成長する、その実現のための手段が合気道です。合気道部と合気道の活動を通して、心と体を強くし、自分に自信をもって卒業してほしいです。
ー部の雰囲気
現在、複数のキャンパスに部員がいますが、１つの部としてまとまって、お互いを尊重しあいながら合気道を通して自己研鑽をしてもらいたいと思っています。幸いそのように頑張ってくれています。稽古には緊張感をもって取り組んでいます。
ー合気道の魅力
誰にでも取り組むことができ、いつ始めても遅いことはないと思います。人によっては一生のものとなります。また、世界中に愛好家がいて、合気道を通じてコミュニケーションをとることも可能です。合気道部でもこれまでに複数の留学生が在部し、一緒に稽古をしてきました。
ー監督として伝えたいこと
大学の４年間はとても短いということ。一方で、勉強をしながらも自分の時間をある程度自由に、好きに使うことのできる貴重な時であること。その時を手にすることができているありがたさを感じながら、目標が定まっている人はそれに向かって、今探している人は合気道部も選択に入れてもらいながら、有意義に大学生活を過ごしてほしいと思います。この大学時代に、何か自分に誇れるものを手に入れてもらいたいと切に思います。
▼田中主将インタビュー
ー大会は
合気道部に勝ち負けを伴う大会などはなく、毎年10月ごろに、武道館で開催される演武大会があり、今までの稽古の成長を発揮する舞台として参加しています。また、その他にも自分たちの成果を発理する機会として、新入生歓迎活動での演武と白門祭での演武の2つがあります。
ー合気道を始めたきっかけは
中高でもともと剣道をやっていたこともあり、武道つながりで大学でも何か武道をやりたいなと思っていて、いろいろ試道の部会があった中で、合気道部は初心者大歓迎とのことで8～9割の人が初心者で始めていると知り、ここなら大学で0から始められるなと思い入部しました。
ー合気道をやっていて良かったこと
合気道が生活で実際に役に立ったというか技とかを使ったことはないですが、心構えとか気持ちが合気道を始めてから強くなったのでそれがアルバイトとかもそうですし、授業の発表とかに胸を張って堂々とできているなっていうのはすごい良かったなと思うので、部活の方針として実社会でも役に立つものを身につけるというのがあるのですが、そういうのが確かになと感じています。
ーチームの雰囲気
他の部会と違ってスポーツ推薦で入部する学生がいないのが合気道部の特徴であり、稽古内外でのメリハリを大切に日々の活動に取り組んでいます。稽古中は怪我をしてしまうと危ないので厳しく指導する場面もありますが、稽古外の時間では和気あいあいと部員の仲は良いと思います。
ーチーム全体、個人の目標は
技が上手くなりたいということだけだったら稽古をすればいくらでも上手くなれますが、それだけではなく心身ともに強くなるというのが私の中の目標でもあり、部員の目標にも揚げています。筋肉などの力の強さだけではなく、心身の強さっていうのが私個人の目標でそれを部員みんなにも共有していければなと思っています。
ー合気道の魅力、新入生に伝えたいこと
1番は初心者大歓迎ということで、スポーツ推薦の人がいなければ、合気道を昔からやっている人も各代に1人くらいなので誰でもできるし、大学でなにか新しいことを始めたいなって思っている人にはぴったりです！都心キャンパスの人も大歓迎なので1度体験に来てくれたら嬉しいです！
大学に入り何か新しいことを始めたい方にはぴったりの部活です。ぜひ中大合気道部で仲間と共に自身の成長を目指しませんか？
（記事:琴寄由佳梨 写真:琴寄由佳梨、水﨑菜花）
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