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【箱根駅伝直前特集2024/戮力協心】 第1回 柴田大地(文1)× 本間颯(経1)


3冠を掲げて臨んだ三大駅伝は、出雲駅伝7位、全日本大学駅伝4位という結果に終わった中大。残るチャンスは箱根のみ、「戮力協心」で悲願の優勝へ―。大会を目前とした選手たちは何を思い、何を目指すのか。

第1回は中大陸上部に新しい風を吹かせる柴田大地(文1)、本間颯(経1)の1年生コンビ。10月の中大記録会1万㍍ではともに28分台を突破。またハーフマラソンのタイムは全く一緒と、常に切磋琢磨する二人に箱根への気持ちに迫りつつ互いの存在について語り合ってもらった。(取材は12月1日に行いました)


▲肩を組む柴田(左)と本間

お互いについて

──お互いの印象は

本:まじで負けず嫌いっす。陸上競技へ全力なんですけどふにゃふにゃしてそうじゃないですか、まぁいっかなみたいな性格そうなんですけど、気持ちとか入ったらめっちゃ負けず嫌いですね。

柴:そうかな、、

本:が、たまにめんどくさい(笑)。

柴:本間は覚えてなかったんですけど、中1のときジュニアオリンピックっていう全国大会で予選と決勝で同じ組で一緒に走ったんですけど、もうずっとそのときから全国トップレベルのところで競技してて、練習とか生活から、食事でもめっちゃストイックで。ほんまにずっと陸上のための生活をしてるみたいな感じなのですごいと思います。

──お互いの活躍について

本:いやぁ〜すごいですよ。

柴:思ってへんやろおまえ(笑)。

本:まじで勝ち切る力っていうのがすごいと思ってて、U20の日本選手権、3000㍍障害のときめちゃめちゃ調子悪くて。まじでハマるか大爆死するかみたいに言われてて。でもその中でもしっかり勝ち切ってきましたし、高校生の時も世界クロカンとか出てて。

柴:もうええて(笑)。

本:大事なとこしっかりはめてくるところがすごいです。僕はあんまり勝ちきれない、安定して5番とか3番とか取っちゃって1番は取れないのでそこが自分の課題なんですけど、柴田はしっかり勝ちきってくるのですごいなと思います。

柴:あざます(笑)。

柴:中学のとき速い人って高校大学とあんま伸びなかったりとかもあると思うんですけど、本人は今勝ちきれないっていう風に言ったんですけど、ずっと全国のトップレベルでいっつも名前載ってるみたいな安定感あります。僕らの代、多分本間颯知らない人いないと思うんで、ほんまにずっと全国のトップレベルで競技してて、大学入って一緒に練習しても、ほとんど練習で取りこぼしというか、こなせないことはないですし、練習でもほとんど勝てないというかすごい高いレベルで継続してやってるっていうのはほんまにすごいと思います。それずっと見てるんで、本間が全日本走って自分は走れなかったっていうのは悔しかったですけど、選ばれたって聞いたときはうれしかったっす。かっこよかったです。

本:あざます(笑)。

──本間さんが一足早い駅伝デビューでした

柴:夏2人でアメリカで合宿させてもらって、結構そっからの合宿でも一緒にやってたんですけど、出雲の直前に中大記録会があって10秒負けて、その10秒はやっぱり本間が継続してやってきた差だなと思いました。その結果全日本で走って、先越されたっていう悔しさもありますしやっぱり僕も走りたかったっていうのはあるんですけど、でも同じ練習を積んできた本間が走れたっていうのはうれしかったっていうのもありますし、自分にもできるっていうことの証明じゃないですけど、いい意味で、「本間ができるんやったら自分にもできるな」っていう風に思えたのでとても刺激になったかなと思います。

──お二人のエピソードなどはありますか?プライベートでも仲良しですか?

柴:そんなことないと思います(笑)。

本:おいっ!仲いいです。

本:思い出のエピソードはやっぱりアメリカじゃないですかね。

本:柴田がもう行きの空港で帰りたいって言ってました(笑)、アメリカの空港で乗り継ぎするんですけど、日本からシアトル空港行ってシアトルからソルトレイクシティっていう空港に行くんですけど、ソルトレイクっていうところで乗り換えまで時間があったので昼食食べたんすよ。そのシアトル空港の中の飲食店に入ったんすよ、アフリカの料理屋さんって知らなくて!

柴:読めないんで僕ら!

本:入ったら柴田スーパーナチョスみたいなの食ったんすよ、めっちゃ辛くて、しかも辛いの苦手なんすよ(笑)。

柴:辛いの苦手で、、

本:もう日本帰りたいって言ってました、絶対にご飯残さないんすよ、残さないっていう自分の中の、、

柴:絶対に、あるんですけど、、8分の1くらいしか食べてへんな(笑)、帰りたかったなあれは(笑)。

成長と刺激の1年

▲ともに28分台を更新した10月の中大記録会

──入学してからもうじき1年ですが、ご自身に点数をつけるとしたら

本:せーので言お。

柴:笑笑笑

本:僕はもうパッと数字がでてきました。

柴:僕も今パって言おうとしたけど、、、、(考え中)OKかな、、、!

本&柴:せーのっ!!

本:40!

柴:50

本:最近こそ走れてきたんですけど、やっぱり前半がボロボロだったので入学してから夏まで全く走れなかった、けがももちろんしましたし、けがから復帰しても調子が全然上がらない時期があったので、40点です。

柴:僕が50点なのはほとんど一緒の理由で、前半結構苦しんで1ヵ月に1本(レースに)出れればいいくらいだったんですけど、その後走って故障してとか、継続してずっとできなくて、夏超えてからやっと軌道に乗ってきたっていう。練習も継続してできるようになってちゃんと自己ベストも狙えるようになってきた。後期は割と評価できるかなと思うんですけど、前期崩れてたってとこで(50点)。本間と40と50の10点の差は、個人的には結構高校の時から長い距離あんまり好きじゃなかったんで、距離に対して大学入ってからも不安があって、練習は想像以上で最初はキツかったんですけどだんだん走り込めて、ハーフである程度まとめられたっていう10点かなと思います。

なかなか調子が上がりきらない前半、転機となったのがアメリカ合宿だった。

本:(アメリカから)帰ってきたらポイント練習全消化できたんですよ、練習送る度に監督のLINEの返事とかどんどんテンション上がってきて。

柴:最後は全体LINEでよくできましたみたいな。

本:「よっしゃーーー!!」って。

柴:うれしかったな!

また、本間は柴田の”負けず嫌い”な性格をアメリカで知ったという。

本:標高2000㍍なんですけど、最初ほんっとにしんどくて、だんだん慣れてきたら体にゆとりが出てきた。与えられたメニュープラス、自分たちでプラスアルファでジョグしたんですよ。自分15㌔走ったら、(柴田が)20㌔とか走るんですよ!しかも「何キロ??」って聞いてくるんですよ!!

柴:アハハハハハ

本:部屋で「何キロやった??」ってめっちゃ聞いてきて、「…12だけど」って言ったら「へぇー」みたいな。それで自分の言わないんですよ!!で僕が聞いたら「…15」

──ちょこっと

本:そう、ちょこっと。それで自分も「くっそーーー!」って。で自分も次20走ってやろうって思う。20走って、柴田が15で次柴田がくっそーってなって、次柴田25とか走るんですよ!!

──ハーフマラソンのタイムが柴田さんと・・・

本:一緒なんすよ。

柴:僕のこと好きなんで(笑)。

本:それ狙ってゴールしました(笑)。

卒業までずっと切磋琢磨してほしい、仲睦まじいエピソードだ。

初の箱根路へ

──走りたい区間は

本:1区です、走れるかどうかは分かりません(笑)。テレビも映れるので。

──湯浅さんも同じこと言ってました(笑)。

本:やっぱテレビでたら嬉しいじゃないですか。日本国民みんなが知ってる選手になりたいです。

柴:がんばれ。

──柴田さんは

柴:僕も走りたい区間は1区で、別にテレビには映らなくていいんですけど、駅伝では1区が好きです、1番区間賞が分かりやすいじゃないですか。勝てば区間賞なんで。

──箱根への意気込み

柴:初めての箱根駅伝で、見る側の駅伝から実際自分が当事者になるっていうところで注目度も高いっていうのもそうですし、このチーム最後の駅伝になると思うので4年生には仲良くしてもらって、その4年生と最後の駅伝で、特別なものなのでしっかり自分も走ってチームに貢献したいと思います。

本:チームとしては総合優勝狙ってるので、出走するだけではダメで走って区間3番以内はマストになってくるのでしっかりそこを狙っていきたい。柴田も言ってましたけど4年生と最後の駅伝になるのでお世話になったっていう感謝の気持ちと、注目度も高いので見ている人たちに感動を与えられるような走りをしたいと思います。

「あいつらにできるなら俺らにもできる」

──4年生が抜ける中、来年はどんなチームを作りたいか

本:湯浅さん、大和さん、中野さんなどが抜ける穴は本当に大きな穴だと思います、だから自分がエースになって引っ張っていきます。

柴:4年生の存在は戦力的なところも精神的にもでかいと思います。自分たちの代はそこそこ期待されて入ってきたと思うんですけど、その割に前半ハマらなくてっていうところから最終的に僕らの代では箱根優勝もしたいとずっと思ってますし、そのためには強い先輩方が抜けるっていうのは大きな穴だとは思うんですけど、逆に僕らの代が成り上がるというか、チャンスだと思うので。割と自分と本間は学年の中でも下の方で苦しんでたんですけど、ここで箱根を2人で走れれば「あいつらにできるなら俺らにもできる」って同級生も皆思ってくれると思うので、学年全体で今の4年生のような存在感のある学年を作れれば、チームの成績も良くなってくるのかなと思います。

いいライバルで、いい目標

──最後に、お互いの存在について

本:負けられない存在ですね。マジで負けられないです。柴田が10回やるなら11回って。皆に思いますけど、柴田は特に思う。常に練習の結果とかも見ちゃいますし、目がいっちゃうというか、ハーフの記録も同じですしだいたい力が同じくらいなので負けたくない、負けられないモチベーションを与えてくれる存在です。

柴:僕も同じで負けられないですし、全日本では先越されてますけど、すぐに追いついて僕もチームで駅伝走ってっていうところまで行きたいですし、さっき本間区間3番って言ってましたけど本間が区間3番なら僕が区間賞とりたいって思います。今は結構いいライバル関係で上手いこといってるんですけど、どっちかが故障とか必ずあると思うんですけど、なったとしてもすぐに復帰して追いつこうってお互いに思い合える。いいライバルで、いい目標だと思ってます。

 ▲箱根駅伝の目標を掲げる二人

箱根への目標に本間は「恩返し」、柴田は「七転八起」と色紙に記す。柴田の文字に「8回も起きれなそうな字やな〜」と本間は柴田と顔を見合わせ笑いあった。常にリスペクトし合い、高め合う二人。一心同体な彼らの初めての箱根駅伝がもうすぐやってくる―。

(取材:井口縁、山崎響、構成:山崎響)

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