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全日本予選へ、藤原監督「何としてでも勝ち切る」主力の復調目立つエントリー締切前夜ー第201回東海⼤学⻑距離競技会

2021年5月29日 神奈川・秦野市カルチャーパーク陸上競技場

日中の気温が29度近くまで迫る暑さの中、秦野市カルチャーパーク陸上競技場で東海大長距離競技会が開催された。全日本大学駅伝関東予選(6月19日)の有効期間最終日ということもあり、10000mには専大をはじめ、慶大など予選出場を目指す大学の選手が多数エントリー。そんな中、中大は3週間後に迫る全日本予選に向け「レースの感覚」と「けがで出遅れた主力の確認」(藤原監督)をテーマに臨んだ。

▲5000m 6組のようす

中大は、5000mに同じメンバーで二組出場。「1本目で動きをしっかりと意識して、その中で2本目でどれだけ自分の力を出し切れるかという練習だった」(三浦)といい、1本目はペース走を行った。スタートから後方で集団を形成すると、安定したペースでレースを進め、14分45秒の設定で多くが46秒~47秒台でフィニッシュした。

▲三浦は復帰レースを14分7秒にまとめた

1本目を終えてから約20分後に2本目がスタートした。序盤からニャイロ(NTT西日本)が引っ張る展開となったが、すぐ後ろに三浦拓朗(商4)と助川拓海(経3)がしっかりと付いた。残り600mとなったところで三浦が仕掛け、先頭に立つ。チラッと後方を確認すると残り一周の鐘を聞き、さらにスパートをかけた。そして、最後の一周を62秒で独走しそのままフィニッシュ。見事な走りで復調を見せつけた。

「しっかり最後600mから出て、1番でゴールできたのは大きな収穫だったと思います」と振り返った三浦は「ラスト1年のこのタイミングでけがをしたということで、逆に競技の細かい部分を見直すところだと思って前向きに取り組んでいました」と故障期間が競技に向き合う機会になったという。藤原正和駅伝監督も「三浦が実際にどれくらい戻ってきているのかというところを非常に良い形で確認できた」と主力の復帰を喜んだ。

▲5000m 8組 中野㊨と千守㊧

復調を見せたのは三浦だけではない。ルーキーイヤーをなかなか思い通り進められなかった中野翔太(法2)もチーム3位の14分19秒18をマークした。「4月からようやくいい形で練習できていた」と今回は調整を兼ねての出場。監督は「これから徐々にケガに気を付けてしっかり踏んでいければ」としながらも「吉居と中野があの学年の柱になるような選手ですから」と大きな期待を寄せる。

チーム2位に入った助川は先日の関東インカレ10000mを調整不足で回避。しかし今回は自己最高記録を更新し、予選につながる結果を残した。

主力の復調の一方で、千守倫央(商3)が苦しんだ。二組とも15分台に終わり、監督は「けがをしてなかなか練習が継続できていないというところが要因ではあるのですが」としたうえで「こちらが促して決めるのではなくて、自分で決定をして苦しい練習を選んでいかないといけない段階に入っている」と奮起を促した。「僕らは彼にすごく期待をしてる」という監督。千守の復活が待たれる。

▲10000m 6組に出場した中澤

10000mでは中大からはただ一人、中澤雄大(経3)が出場。「中澤は5000m2本よりも10000mを1本しっかりやって、後半の感覚をこの暑さで耐えて、本番の全日本(予選)につなげたい」(監督)と調整。気温が高く時折強い風が吹くタフなコンディションも、しっかりと29分台にまとめ5位でフィニッシュした。

30日に全日本大学駅伝関東予選の出場校、31日にエントリーが発表され、いよいよ戦いの火蓋が落とされた。
メンバーの選考について監督は「吉居をどうしようかと選手とは話していたのですが、日本選手権でオリンピックを狙ってほしいというみんなの総意もあり、我々の思いもあるので13人から吉居は外そうと。エースに頼らないチームというところが今年のテーマでもありますので」とし、東京オリンピックを狙う吉居を予選から5日後に行われる日本選手権(6月24日・大阪)に集中させることにした。

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「冬場故障していた選手たちが戻ってきてくれて、ひとつ今日で戦えるめどが立ったのではないかという風に思っていますので、残りの3週間もう一度しっかり強化をして臨んでいきたいと思います。全日本(予選)はチームの主力を全部投入して、なんとしてでも勝ち切ろうということでやってきましたので、残り3週間チームの総力戦で戦っていきたいです」と意気込む。前期最大の目標である全日本大学駅伝出場そしてシード獲得へ。勝負の3週間が始まった。

◆選手コメント◆
三浦
──きょうのレースを振り返ってどうでしたか
復帰明けのレースということで練習を兼ねてのレースだったのですが、2組目はしっかり最後600mから出て1番でゴールできたのは大きな収穫だったと思います。

──箱根以来の久しぶりのレースでしたが
故障期間をしっかり体の動きを意識して練習してきたので、その練習の成果が出せたので良かったです

──監督から何と言われていましたか
前半はしっかり落ち着いて最後出し切るようにと言われました

──故障期間はどのようにモチベーションを保っていましたか
ラスト1年のこのタイミングでけがをしたということは、逆に競技の細かい部分を見直すところだと思って前向きに取り組んでいました

──全日本大学駅伝の予選に向けて
まだ自分が入って4年間一度も出られていないので、チーム一丸となって予選通過を目指して頑張りたいと思います

◆結果◆
10000m
6組
⑤中澤雄大(経3) 29分51秒54
5000m
6組
⑤東海林宏一(経1)14分46秒47
⑥助川拓海(経3) 14分46秒50
⑦居田優太(経3) 14分46秒53
⑧中野翔太(法2) 14分47秒27
⑨三浦拓朗(商4) 14分47秒75
⑩井上大輝(法4) 14分47秒88
㉙千守倫央(商3) 15分25秒39
8組
①三浦拓朗(商4) 14分07秒77
④助川拓海(経3) 14分11秒95 PB
⑨中野翔太(経3) 14分19秒18
⑫東海林宏一(経1)14分25秒33
⑮井上大輝(法4) 14分35秒52
⑯居田優太(経3) 14分41秒43
㉒千守倫央(商3) 15分48秒29

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部