2025年7月12日 東京都・世田谷区立総合運動場陸上競技場
屋台や太鼓による音頭、パン食い競争などバラエティに振り切ったかと思えば、日本記録を樹立するような硬派なレースも行われるMDCグランプリ。この大会に中大中距離陣5人が出場し、会場の盛り上がりを背に受けてトラックを駆けた。
男子一般800mに濱野拓弥(商1)、藤田悠舜(総政2)、村上龍一郎(商4)が出場。村上は今大会をもって競技を引退。惜しくも自己ベスト更新とはならなかったが、「楽しみながら800m、トラック2周走りきれたなっていう、率直に久しぶりに楽しいレースができました」と満足気の表情を浮かべた。また同組を走った濱野は上半期を締めくくるレースと臨み、「後半シーズンにつなげていけるような、良いところも悪いところも出たようなレースだったかなと思います」と好感触を示した。
▲引退レースとなった村上(左)とルーキー濱野
次の組を走った藤田は序盤でスピードに乗れず苦しいレースとなったが、それでも自己ベストまであと1秒と迫る好タイムでまとめた。「悔しいの一言です」とふり返り、「お世話になってた村上さん、4年生がこの大会で引退っていうことで色々引っ張ってもらったんで、そこを自分でしっかり自覚持って、自分で行動できるようにしっかり頑張っていきたい」と今後の抱負を述べた。
▲自己ベストに肉迫するレースとなった藤田
大会後半ではハイレベルなデッドヒートが繰り広げられるGP種目も設けられ、男子GP 800mにはルーキー上田悠輔(理工1)が出走。最初の1周を終えて先頭集団をキープ、最後のスパートには苦しんだものの、4位でまとめた。想定したレースプランとのギャップを感じたと述べ、「本当に自分の弱い部分がすごく出たなっていうレースでした。まだまだですね」と悔しさをにじませた。夏合宿に向けての目標を尋ねると「強い選手と一緒にやるっていうことで、必死に食らいついて、なんなら最後競り勝つぐらいのそういう気持ちでこのまま進んでいって、もう前半シーズンが終わってしまうので、後半シーズン良い形で結果を残せたらいいかなって思ってます」と意気込んだ。
▲グランプリ種目で4位入賞のルーキー上田
最終種目となった男子GP 1500mには寺田向希(文2)が出場。全日本選手権から1週間後という過密スケジュールの中での出走となった。終始ハイペースの集団で競り合い、「ハマればベスト出るかなって思ってたんですけど、実際はそんな甘くなくて」と10位で終え、悔しさの残るレースとなった。調子の良いレースでは「ラップタイム読んでくれる声とかすごい全部聞こえて、もうレースを自分の手の内で分かるっていうイメージがあって」と比較した上で「前についていくので精一杯になっちゃって、その他のことを考える余裕が全然なくて、そこが差なのかな」と分析。「練習が足りてないってことなんで、やらなきゃなっていうのを感じました」と前を向いた。夏の目標については「自分が100%できたって思えるとこからさらに質も量も上げて、夏で自分の殻を破れるようにいっぱい練習したいと思ってます」と語った。
▲全日本選手権後1週間で出場した寺田
グランプリ種目に加え、老若男女問わず走れるレース、飛び入り参加可能なレース、パン食い競争など、バラエティ要素も豊富な今大会。悔しさをにじませる選手もいれば、引退に際して陸上の楽しさを噛みしめながら走った選手もいた。鍛練の夏を経て彼らがどのような成長を見せてくれるのか、楽しみは募るばかりだ。
◆大会結果◆
男子一般(公認) 800m
6組
⑤村上龍一郎(商4) 1:57.31
⑨濱野拓弥(商1) 1:58.79
7組
④藤田悠舜(総政2) 1:55.57
男子GP 800m
2組
④上田悠輔(理工1) 1:52.46
男子GP 1500m
2組
⑩寺田向希(文2) 3:46.21
(記事:大日方惠和、写真:大日方惠和・本間理子)
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