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【全日本大学駅伝展望】このあと号砲!一体感のある駅伝で3位表彰台を狙う─第57回全日本大学駅伝対校選手権大会

三大駅伝の二戦目となる第57回全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)が2025年11月2日に開催される。愛知・熱田神宮西門前から三重・伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間、106.8㌔のコースに27チームが集結。今年5月の全日本大学駅伝予選会では盤石のレース運びで1位に入り、本戦の出場権を獲得した中大は5年連続32回目の出場。今季最大の目標である箱根駅伝総合優勝に向けて、中大の流れを手繰り寄せる大会となるか。

11月2日発表のメンバーエントリーでは、ダブルエースの吉居駿恭(法4)と溜池一太(文4)がそれぞれ2区と8区、今季成長株の藤田大智(文3)を3区、大学1年次以来の三大駅伝出走となる柴田大地(文3)を4区と序盤から終盤まで、核となる選手がバランスよく抜擢された。また、1区に本間颯(経3)、7区には岡田開成(法2)が当日変更で配置され、盤石の布陣に。主力と新戦力が掛け合わさり、一体感のある駅伝をできるか。

(記事:日向野芯)


■主力と新戦力の一体感が鍵

区間名前
1区(9.5㌔)本間颯(経3)
2区(11.1㌔)吉居駿恭(法4)
3区(11.9㌔)藤田大智(文3)
4区(11.8㌔)柴田大地(文3)
5区(12.4㌔)三宅悠斗(文1)
6区(12.8㌔)佐藤大介(文2)
7区(17.6㌔)岡田開成(法2)
8区(19.7㌔)溜池一太(文4)

先月の出雲駅伝では序盤から流れを作ることができず、まさかの10位。1区で区間賞を獲得した岡田も「今回僕自身は良い思いをさせていただいたんですけど、チームが勝たないと意味がないので」と険しい表情を見せていた。今大会はその出走メンバー全員がエントリーされる中、レースを占う中盤区間には初めての伊勢路となる3選手を配置。10000mエントリーメンバー16人平均タイムは全大学中トップに位置するだけあって、個人の力があることは既に立証済み。主力と新戦力が掛け合わさった時の総力を増幅させることができるのか、一体感が今回の鍵となるだろう。

■1区はスローペース、レースが動くのは2、3区か

「この駅伝はそこまで簡単にリードできるものではないと思っています」。1、2区の戦略を問われた際に藤原正和駅伝監督はこう語った。今大会は出雲駅伝の倍以上の総距離となるが、後の流れを大きく左右するだけあって出遅れは禁物。前半区間は上位争いを見据えてミスなくつなぐことが重要となってくる。各大学2区や3区、終盤区間にエース級の選手を並べる中で、1区はけん制する展開が予想される。本間がラストスパートで勝ち切り、好位置でつなぐことで後続の走者に勢いをもたらせるか。

スターターが築いた流れのもとに、上位浮上を図っていきたいのが2区の吉居。他大学のスピード自慢が集める主要区間への配置となった。「色々と背負う者もあるとは思うが、ここで先頭に出て欲しいという思いもありますので、彼らしい4年生らしい走りをしてほしいと思います」。藤原監督は最上級生として、キャプテンとしての走りに期待を寄せる。

「大期待」という一言で評された3区藤田はいよいよ初の伊勢路へ。今年の箱根駅伝でもチームを救った成長株が今大会も鍵を握る。

▲吉居で先頭に立つことができるか

 

■豊富な選手層活かし、中盤で上位浮上を狙う

中大の将来のエース候補が帰ってきた。3000㍍障害を主戦場とし、大学2年次には日本選手権で銀メダルを獲得している実力者が満を持して登場。「アップダウンがある区間ではあるが、クロカンに強い選手なので久々のレースとなるのでしっかりと走って欲しい」。コース適性もあるだけに、この4区で他大学との差を築いていきたい。

続く5区には三宅がエントリー。全日本大学駅伝予選会や日本インカレなどルーキーイヤーから主要大会に出場し、持ち前の強心臓でその存在感をアピール。藤原監督も「1年生の中で1番安定感がある」とお墨付きである。

そして、6区には2大会連続の起用となる佐藤大が配置された。今年主力へと一気に成長を遂げた2年生に対して、藤原監督は「暑さに強い選手なので、2分55(1㌔あたり)で押していって区間賞を獲得して欲しいと思います」と期待を寄せる。選手層を武器にする中大にとって、この3区間をアドバンテージにしたいところである。

▲伊勢路デビューとなる柴田

 

■エースの真価が問われる長距離の7、8区

レース終盤、長距離となる7、8区には岡田と溜池が起用された。「岡田はもううちのエース格というかエースになりつつある」と評価した上で、佐藤圭汰(駒大)との再戦に関しては、「箱根駅伝からどれくらい成長できたのか感じて欲しい」と思いを口にした。日本選手権5000mでは決勝進出、出雲駅伝1区でも区間賞を獲得した実力者が他大学のエースへと挑む。

アンカーにはエースの溜池が待つ。「(7区までで)トントンで来てくれたら一番いいかなと。本当に『ヨーイ、ドン』で勝負できたら一番面白いんじゃないですかね」と山川拓馬(駒大)との熱戦を展望した。

▲箱根駅伝からの成長が試される岡田

 

壁にぶつかった出雲駅伝から早3週間。夏場に長い距離を走りこんできた中大にとっては、今大会が正念場となる。実力のある個人が想いをつなぎ、一体感のある駅伝を築いた先には、どんな景色が待っているだろうか。

 

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