昨年度出雲は総合10位、全日本は総合2位、箱根総合5位で駅伝シーズンを終えた中大は今年、箱根駅伝出場100回目の節目を迎える。三大駅伝三冠を掲げる中大はどのような夏を過ごしてきたのか。そしてどう進化を遂げてきたのか、指揮官の思いに迫る。
出雲駅伝直前特集最終回となる今回は藤原正和駅伝監督のインタビューをお届けします。
(聞き手、構成:大畠栞里)
―上半期のトラックレースを振り返っていかがですか
上半期はそうですね。おかげさまで全日本と箱根の予選会がなかったので、基本的には7月までは個人の能力を磨いてもらうことに重きを置いて、その中でチームとしては関東インカレでの全種目加点と男鹿駅伝の優勝、あとは日本選手権で出場者10名出すっていうところを大まかな目標としていて、でも、最後の日本選手権10名っていうところが8名で未達成だったっていうところと、ちょっと早稲田勢に結構日本選手権ではしっかりやられてしまったので、そこがマイナス点ではあったかなと思うんですけども、おおむねやりたい強化はできたかなっていう評価はしてます。
―日本選手権の際に藤田(大智・文4)さん、岡田(開成・法3)さんをエースとして挙げられていましたがそれは変わらず
そうですね。あとはプラスして言えば大きく成長してきた三宅(悠斗・文2)が十分にエース格に育ったかなと。
1年生でも栗村(凌・法1)が十分にそれを持ってると思ってますので、基本軸としてこの4人を中心に戦っていくってのが基本の路線になるかなと。
おかげさまで、その各学年にエース格の選手がたくさん出てきてますので、今年はちょっと選手層が分厚くなってきた分、総合力で戦っていきたいなという風に考えてます。
―3月の幹部取材の際に藤田さんはじめとする幹部の方々が生活面を課題として挙げられていました、半期過ごされてみて監督の視点ではどんな変化がありましたか
全体としてはあんまりもう僕らスタッフがね、口だけ言わなくてもしっかりと競技者らしい、らしいって言ったらあれだね、よりこう高みを目指したような集団にはなってきているので、その点は良かったかなと。
あとは今、月に1回ミーティングを全体でやってるんですけれども、その質が非常に上がってきたっていう意味では、優勝を目指すにふさわしいチームになっていってるんじゃないのかなとは思います。
―今年はユタ合宿に松尾(翼・文1)さん、門間(蒼大・法1)をが行かれていましたが選考については
まだそんなに練習量ができない子たちって言ったらちょっと語弊があるかもしれないですけど、どっちかというと、ちょっとじっくり4年間作っていかないといけないメンバーの中で力のある2人を選んだっていう形で、非常にこう、辛辣な言い方かもしれないですけど、1年目から即戦力だと思って、箱根に関してですね、即戦力だとは思ってないけど、2年目以降はちゃんと出てきてほしい、そういう実際代を担うっていう意味にも選手を選んだっていう形ですかね。
―これから伸びてきて欲しい選手を挙げるなら
学生スポーツである限り、全員に伸びてきてもらわないといけないのが間違いがないので。なんて言うんだろう。
もちろん全員に期待っていうところが間違いがないのであれですけど、やっぱりちょっと手薄になってる2年生世代で、濵口(大和・法2)、長谷川(大翔・文2)、杉本(憲亮・文2)あたりがこの夏合宿で成長してくれてるのはプラスの材料かなと。
あとは1年生で蒲生(悠・法1)、德山(博貴・法1)あたりがもう十分にハーフ走れるところまで来てるので、1年生がね、一番伸びる時期だと思いますから、箱根に向けて面白い戦力になってくるんじゃないのかなと感じてるっていうのが今の時点でですかね。
―菅平合宿は選抜合宿、選考の基準など
もう基本的にしっかりと夏合宿できたかどうか、もうそのラインだけです。
なので、ここに来てる子たちはもうほぼフル100パーセントでやってきた子たちっていう理解でいいと思います。
―合宿の練習消化率としては
基本的にはもうほぼほぼ全ての合宿で100パーセントできた子たちしか連れてきてないので、その中で取りこぼしが1つもないので、これぐらいのレベルはこれぐらいでやれる集団じゃないと勝てないと思いますから、当たり前のラインでは来てるかなっていう感じですかね。
―合宿の内容で昨年度と違う点は
昨年はちょっと急激にと言ったらあれですけど、大幅にかなりボリュームを増やしたような夏合宿を過ごしてきた中で、その取り組みを通年でやってきましたので、ボリューム的にはそんなに去年とは変わってないのかなと。
ただ、質はかなり上げたので、その分の疲労感っていうのもあるかと思いますけども、やっぱりしっかりと練習してきた分、選手たちの回復もその分早くなってますので、そういう意味では全体のレベルアップはできてるんじゃないのかなっていう手応えはいってますかね。
―合宿のMVPを挙げるなら
1年生2人ですかね。德山、蒲生2人が1年生でよくあれだけのボリュームと普通に食らいついてきてこうやってきてますので、この2人ですかね。
―各学年の印象としては
4年生は4年生らしくしっかりとやってくれてますので、特に言うことはないかなと。
3年生世代で若干濃淡が出てきてるかなっていう風に思いますかね。
田原(琥太郎・文3)あたりは通年でちょっとうまく練習詰めてない影響がもろに出て、やっぱり大事な紋別に入ってから体調崩したりして、もうこっちに連れてきたりしてないので、田原の奮起っていうところには期待したいなと。
3年全体としてはしっかりできてますかね。2年生としては三宅しか戦力としてなってなかったところに濵口、長谷川、杉本あたりが出てきているので、その学年層としてもうちょっとここの方を強化していかないとと思ってますので2年生の全体の動きっていうことは変わらず流していきたいなと。
1年生に関しては、本当に全体としてよくやれてますので、この学年の次、3年生みたいになっていくんだろうなという評価はしてますかね。
―駅伝シーズンの話に移ります、出雲全日本それぞれどんな展開になるとお考えでしょうか
いやぁ、出雲も全日本もね、ほぼ早稲田さんとの一騎打ちでしょうから、かなり向こうのね、火力は強いと思いますので、相当厳しい戦いになるんじゃないのかなとは思ってます。
ただ、チャレンジしないことには優勝も転がり込んできませんので、積極的なレースで全体としては展開していきたいなと。
箱根に関してはこれにプラス青山さん國學院さんあたり、しっかりと強化されてると思いますので、夏合宿前に挙げた課題としては8区、9区、10区をそこを単独走でガンガン攻めていける選手は今のうちにはいないと。だから復路で競った場合、青山さんに負けるのは必然になっちゃってるから、その部分を強化する夏合宿にしてくるということでスタートしてますので。
その辺り、選手がどれだけ自覚を持ってやれているかっていうところが、この秋にある程度見えてくるんじゃないのかなっていうところと、やっぱり5区ですよね、5区のところは通年でしっかりと対策とっていく中で、ある程度目処は立ってきたのかなと思ってますので、そこをどれだけ最後仕上げていけるかっていうところになるかと思います。
―やはりライバルとして挙げるなら早稲田
今年は圧倒的に早稲田ですね。もう圧倒的な戦力だと思います。
ー先ほど三宅さん、岡田さんも取材の際に「8.9.10区が課題」と仰っていましたが夏合宿経て成果は出てきている
そうですね。単独走っていうところではある程度目処は立ってきているのかなと。
ただ、じゃあ例えば後ろから追いかけないといない展開、あるいは先頭にいて逃げないといけない展開でガンガン行ける選手がいるかっていうと、まだそこまでは育ってないんじゃないのかなと思ってますので、9月後半、10月、11月、12月上旬までかけて、この3ヶ月でそこまで消化させていきたいなっていうのが今の感じですかね。
夏合宿でやりたいことはしっかりできたので、あとはこれから仕上げに入った段階で、それぞれのやっぱり個性っていうのを出していく場面になってくるもんですから、性格も見て、そういう攻めていける人間をしっかり見つけてというかある程度ね、あの性格を加味しながら、区間の配置を含めてやっていきたいなと思いますね。
―区間希望は取られる
いや、おそらく今年は希望を取らないと思います。完全にこういう配置で、君にはこういう働きが必要だと思ってるから、この区間でこういう走りをしてくれっていう形になっていくと思います。
ある程度、なんて言うんだろうな、こういうことを考えてるっていうのはね。選手から聞きますけども。ちょっと今年は練習でもそうですけど、やりたいことと必要な練習が違うのと一緒で。
君たちが走りたい区間と、勝つために必要な配置は違うということは結構常々言ってますので、そこはシビアにやりたいなと思ってます。
―山を意識した選手というのも目処は
そうですね、やっぱりね、セカンド、サードまで見つけておかないと、何があるかわからないのが箱根駅伝ですから、そこまで見つけてきています。
―トラックに加えてロードも入ってくる中で出走レースはどう考えられているか
もうかなり学生たちに選考の明確化って言ったらいいのかな、これまで明確にはしてましたけど、かなり選考の一本化を図って、こういうことをやって、このトライアルを経て全日本の16人選んで、箱根に関してはここのレースを2つで揃えてきた選手を16人中に選ぶからってしてますので、かなり出るレースがもう決まってると。
で、ほとんどみんなが全員がそのレースに出ていって、選考にかけられるっていう流れにしてますので、例年とはかなり変わった流れになると思います。
―かなり絞った形に
そうですし、今年大石コーチがいなくなったことで練習の一本化をしていった中で、最終的にはこういった場面で競り合って、自分の立ち位置だとか実力っていうのをしっかりと認識していく中で、下級生はね、その中で来期に向けて何が必要かっていうのを探してもらうのが1つ大事なことですし、4年生はやっぱり4年間かけてきた中での最後の選考で悔いのないようにやってもらうことで違う力が出てくるのは間違いないですから。
学内の選考を勝ち抜けないような実力だったら、当然箱根を走れないというのを明確にできると思うので、そのあたりは線を引いた分、全員に対等にチャンスを与えてやっていきたいなっていうとこですね。
―三冠へ向けた手応えは
途中申し上げた通り、かなり早稲田は強いと思いますので、三冠のうち1つでもやっぱり勝たないといけないと思えば、藤田たちが立てた目標が三冠ですからまずは初戦で出雲からしっかりとやっていきたいですけど、個人的に一番可能性があるのは全日本だと思ってますので、まずはそこに向けてしっかりと仕上げていく中で、全日本出られるのは8名ですから、それ以外の選手をその期間にもう一度しっかりと強化してですね、箱根に向けて仕上げていきたいなっていうのがいまのところですかね。
―三大駅伝で選手たちに期待する走りなど
そうですね、優勝はね、やっぱりこう、不思議の勝ちありじゃないですけど、やっぱり積極的に行って、自分たちが思うようなことやった時に初めて転がり込んでくるもんだと思いますので、まずは自分たちの走りをしっかりとやることと、中大らしい走りをしていくってことが大前提だと思いますので、積極的なレースまずはしていけるような準備を整えたいなっていうところですね。

▲インタビューに応じる藤原監督
出雲駅伝直前企画はこれにて終了です!ご覧いただきありがとうございました!
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