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あと一歩届かず1部最下位決定。18年秋以来の入れ替え戦へー東都大学野球春季リーグ戦 対青学大 最下位決定戦

2022年 6月3日 UDトラックス上尾スタジアム

チーム 123456789=RHE
青学大 000100202=5111
中 大 003000000=381

[中]岩本、西舘ー村髙、綱川
[青]児玉、金城、下村ー佐藤英、青木
[本]なし

◆スタメン◆
1[二]繁永  晟(商1=大阪桐蔭)
2[三]中前 祐也(法3=浦和学院)
3[一]北村 恵吾(商4=近江)
4[右]森下 翔太(商4=東海大相模)
5[中]皆川 岳飛(経1=前橋育英)
6[指]髙橋 隆慶(文3=明秀日立)
7[遊]石井  巧(文3=作新学院)
8[左]佐伯 和希(経3=岩国)
9[捕]村髙  尭(商4=日大豊山)
P   岩本 大地(法3=石岡第一)

 

2度目の最終決戦は、中大がこの試合に勝利し3校が1勝1敗で並ぶと、プレーオフ全試合の総失点や得失点率などで最下位が決まるという異例の条件付き。条件が非常に複雑なゆえ、両校とも普段とは異なる戦略が求められた。まず、中大が残留を確定させるには、青学大に2点差以上で勝利することが必要である。つまり後攻でサヨナラ勝ちをした場合、1点リードで試合が終了してしまうため、勝利しても最下位決定となる。
以上の状況をふまえ、両チームとも先攻を希望するという異例の状況に。副将の森下が攻守決めじゃんけんに挑んだ結果、東海大相模の同級生・山田(青学大)に敗れ、中大は後攻となり決戦が始まった。

中大は3回、先頭の佐伯が死球で出塁すると村高の犠打で1死二塁とし、1番・繁永の中前打で先制。さらに2番・中前の左適時二塁打、5番・皆川の二ゴロの間に中前が生還し、この回3点を奪った。直後の4回、先発の岩本は先頭の佐々木(青学大)に右越二塁打を打たれると犠飛で1点を許す。ランナーを背負い、ピンチの場面がいくつもあったが、持ち前の勝負強さを発揮し6回1失点でマウンドを降りる。

▲6回1死二、三塁のピンチをしのぎガッツポーズをする岩本

7回からはクローザーの西舘勇陽(法3=花巻東)が登板。しかしこの回、小田、佐藤英(ともに青学大)の安打で1死二、三塁とすると、1番・中島に走者一掃の中越適時二塁打を浴び、同点に追いつかれる。

残留を確定させるために2点差をつけて勝利したい中大だったが打線が振るわず。さらに9回には2死から3連打で2点を失い、ダメ押しの追加点を青学大に許す展開となった。

同点に追いついて、なおも2ランホームランが出れば残留のチャンスがある最終回。先頭・佐伯が死球、2死からは中前が遊失により出塁し最後まで望みをつないだが、北村が内野フライに倒れ、悔しくも敗戦。2018年の秋季リーグ戦以来となる入れ替え戦出場が決定した。

▲試合後には選手たちを集め長い時間語りかける様子もあった北村

試合後、清水監督は「守りで無駄な失点をしてしまった。もう一回立ち直るしかない」と振り返った。主将・北村も「今までの野球人生の中で一番精神的にも身体的にもしんどい試合が続いた」と悔しさをにじませるも、「まだ降格したわけではない」と前を向いた。
入れ替え戦で戦う2部王者の東洋大は、最速154㌔左腕・細野晴希をはじめ投手陣が豊富なチームだ。北村は「自分と森下が打てば勢いづく。どんな投手でも打つ」と意気込んだ。清水監督も、1部で対戦経験がある東洋大の投手陣について「ある程度のイメージはついている。守りからほころびが出ないように」と語った。入れ替え戦は再び神宮に戻り、先に2勝した方が1部校となる。長らく東都の1部で戦ってきたチームとして、何としてでも残留すべく、背水の陣で入れ替え戦に挑む。

◆試合結果◆
●青学大5-3中大〇

(記事:鈴木佐和、カメラ:高梨晃世、小野祐司、為谷楓太)