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〜最下位から躍進の秋、この秋をバネに更なる高みを〜17日間連続インタビュー4日目・綱川真之佑選手

春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。

連続インタビュー4日目は綱川真之佑選手(経1=健大高崎)。春の入れ替え戦からスタメンマスクを被り中大の一部残留に貢献した綱川。正捕手争いを制し、この秋は全試合スタメン出場、扇の要として中大の秋の躍進に攻守ともに貢献した。春での更なる活躍を誓う彼に注目したい。(取材、構成=髙梨晃世)

——秋季リーグを振り返って
今回は開幕から出させてもらって、入れ替え戦とは違う緊張感もあって、ナイターも経験して、いろいろ初めてが多くて、最初うまくいかなくて焦って余計悪い方向に進んでいくことがあって、一応最後までやり切れたけどまだまだだなと思います

——福島で開幕について
神宮が個人的にはやりやすいですけど、初めての球場で見え方とかも違うので少し緊張しました

——ZOZOマリンスタジアムは
高校のときに使ったことはあるんですけど、風がすごくてキャッチャーフライ落としてしまってすごく難しいなと思いました

——リーグ戦、全スタメンで出た感想は
だんだんきつくなってきて、疲れがプレーに影響していたので冬場のトレーニングで基礎体力をつけていくことが大事になっていくのかなと思います

▲秋季リーグ、全試合スタメン出場を果たした綱川

——打撃の方はチーム内3位、東都11位でしたが
自分も最後の方気づいてびっくりしました。まぐれですよ

——後半打撃の調子が上がった理由
自分は今まで足開いて構えてピッチャーに向かって肩真っすぐにしていたから、足引いたときに肩もそのまま入ってしまって、肩が入ると開きやすくなるので、栗原(利彰=法4・茅ヶ崎北陵)さんに「それやめた方がいんじゃない」といわれて、少しフォームを変えて打つように意識したらそこら辺から打てるようになりました

▲打撃ではチーム内3位の打率を残す

——エラー0でしたが守備で意識していたことは
記録はワイルドピッチだけど逸らしてるのがあるので0ではないですけど、やっぱり春のリーグ戦はパスボールとかキャッチャーのミスで負けてたのでまずはしっかり止めることを大事にして、あと盗塁刺してピッチャーを助けられるように頑張りました

——秋でのベストプレーは
プレーじゃないですけど青学戦連勝できたときに配球についてピッチャーとずっと話していたので、準備してきたことがそのまま試合で結果を出すことができたのでそこが自分の中で印象に残っています

——青学大戦での配球で意識したこと
初戦は振りの強いチームなのでまずはかわすように、西館(勇陽=法3・花巻東)さんが先発だったので、ストレートが1番いいボールなのでそれを狙ってくると思って、それ以外の球種をうまく使いました。1試合目で変化球が多い印象をつけさせて2試合目にバッターの反応を見て全部真っ直ぐで行ったりと逆をつけるようにしてやりました

——対青学大初戦、西舘投手は8回までノーヒットでしたが何回から意識し始めたか
5回くらいまで全然気づいてなくて、ベンチで石田(裕太郎=経3・静清)さんとかが「まだ打たれてないよ」とか言ってきて、言われたら意識しちゃって、そのときぐらいからいけるんじゃないかって思ってました

——キャッチャーから見える西舘投手の凄さ
ピッチャーって例えば野手がエラーしたときとか、自分がパスボールしたときとか意識してなくても嫌な顔しちゃったり、ちょっとイライラすることがあると思うけど、西舘さんは「いーよー、俺もミスボールしちゃったし」とか自分のミスで失点したときも、「俺がエラーしなかったら点取られなかったから」とかそういうのを本当に思ってるように言うんですよ。それがすごくありがたいし、余計自分も頑張らなきゃって思えるので、そういう性格を尊敬してるし、すごいと思います

——あまりそんなピッチャーはいない?
でも中大のピッチャーはみんなそうですね。優しいです。いい意味でピッチャーらしくないというか、すごくいい人たちばかりでやりやすくできています

——母校の健大高崎の清水叶人選手が広島から4位指名されたことについて
うれしい気持ちはありますけど、自分もプロ目指しているので先越されているわけですし、負けてられないなって思います。清水が健大のドラフトのなかで1番上の順位で呼ばれているので自分が3年後はもっと上の順位で呼ばれようっていう気持ちです

——健大高崎から多くのキャッチャーが育つ理由は
キャッチャーコーチの方がいて中大の準硬式野球出身の人なんですけど、そのコーチが考えさせるような指導法で「これやれ!」って感じじゃなくて、提案してきて自分で考えて練習する感じなのでそれが大学でも生きているのかなと思います

——負けたら優勝はないという試合はどんな意識で戦ったか
点がなかなか獲れないので何としても失点は3以内にはしたいと思っていて、ピッチャーがすごいので打たれたら自分のせいなのでミスしないようにデータとかをしっかり入れて試合ではやるだけという状態で臨めるようにしました

——印象に残った相手ピッチャー
青学大の常廣投手ですね。対戦したときに絶対真っ直ぐくると思って、短打狙ってたけどそれでも振り遅れて。今までで1番速かったです

——10月5日対青学戦のときの初打点のときの気持ちは
初球カットボール低め空振りして、2球目絶対もう一球くると思ってて、でもあとで写真見たら右手はなして打ってましたね。打った瞬間はどこに打球が飛んだか分かってなくて、なんか走ってて、ベースの上いたら点が入ってました(笑い)

▲優勝がかかる大事な一戦で初打点をあげた

——綱川選手から見るチームが6位から2位に上昇した理由は
1番は気持ちの面だと思います。自分が春に入ったとき國學院に連敗して、最初の頃はまだリーグ戦の厳しさをわかっていなくて。その時は「ここから巻き返せるでしょ」みたいな、すごい先輩ばかりなので、けどそれが後に響いて、ビリになって。小さいミスとかが命とりになるというのを春で学んで秋まで練習してきて、技術よりもそういう意識でやってきたことが2位に繋がったのかなと思います

——高校のトーナメント戦と大学のリーグ戦どちらがやりやすいか
楽しいのは大学のリーグ戦ですね。3試合あるので、1試合目で相手のバッターがわかってきたうえで配球するのが楽しいですね

——秋で見つかった課題
東都のチームは足が速いチームが多くて、全然盗塁刺せなくてチームに迷惑かけて、國學大のときも2盗塁許してそのランナーがどっちも帰ってきて逆転を許してしまって。國學院のあの試合勝っていればプレーオフもしくは優勝があったので、自分が盗塁刺せなかったことがチームが優勝を逃したことに繋がっているので今年の冬しっかり練習していきたいと思います

▲相手チームの足を封じチームを勢いづける

——どんな練習をしていくのか
まずは捕球を大事にして、自分はステップが下手なんですけど、ステップをうまくするにはまず上手く取らないといけないので、捕球から見直してステップの練習を同時進行でしていきたいと思います

——春での目標をお願いします
開幕から全試合出場することで、キャッチャーとして安定した守備をするのと、守備もバッティングでも1年生だから「よく頑張った」って言われるレベルでしかないので、来年は1年生だからというレッテルは無くなるので、見る目が厳しくなった中でも活躍できるように頑張りたいと思います

◇綱川真之佑(つなかわ・しんのすけ)◇
学部学科:経済学部・経済学科
身長・体重:180㌢・79㌔
出身高校:健大高崎高校