春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。
連続インタビュー13日目は西舘勇陽選手(法3=花巻東)。この秋は先発転向後初のシーズンであったが、終わってみれば9試合に登板し5勝1敗。ベストナインにも選出されるなどフルスロットルの活躍も見せた。侍ジャパン大学日本代表候補にも選出された右腕は今シーズンをどのように振り返るのか。(取材、構成=為谷楓太)
▲ヨーク開成山スタジアムで登板する西舘。4球場すべてのマウンドに上がった
──秋季リーグを振り返って
個人の内容としては9試合先発して5勝1敗で9回同点まで投げ切って大栄に後を任せるみたいな場面もあったのですが今までで1番投げられたというのもありますしそういう意味では個人としていいシーズンだったと思います。チームとしては最後他力本願という形になったんですけど結果として春最下位から秋2位に上がれたのはとても大きい収穫だと思います
──数字(防御率:1.70、5勝1敗)については
東都のピッチャーの中で最多勝を取れたというのは単純に嬉しかったんですけど9試合投げた中で1試合だけ5回も投げられなかった試合が亜大相手にあったのは第一先発を任されている以上はしっかり5回まで1イニングずつ刻めるようにやっていければと思います
──初めてベストナインにも選出されましたが
賞をいただけるのは嬉しいというのもありますが、最優秀防御率とかも狙っていけるようにやっていければと思います
──四球が減ったように思いますが
後半の方は1試合に1個くらいずつというふうにまとめられるようになって、やっぱり力だけで抑えるのではなくて変化球との組み立てだとかをキャッチャーと合わせながら投げられたのは大きかったですね
──会場を転々としましたがマウンドの違いで投げづらさ等ありましたでしょうか
硬さであったり傾斜の角度だったりが球場ごとに違うのでそこの難しさはあったんですけど、試合前のブルペンで合わせてから投げられたというのもあったのでそこは良かったと思います
▲青学大1回戦では8回までノーヒットピッチングを見せた
──特に投げづらいマウンドはありましたか
個人的にはZOZOマリンが投げづらかったですね。角度が少し神宮とかと比べて緩やかな感じだったので
──雨での登板が多かったと思いますが
夏のオープン戦から雨の試合が多かったので慣れというか逆に雨の方がボールがバットに当たっても滑ったりして、ファールになったりするのでしっかり自分が投げられれば抑える確率が上がると思っているので特に雨だからといってやりづらいとかはなかったですね
──雨男とかそういうわけではないのでしょうか
雨男説…どうだったかな(笑い)。雨に弱いっていうわけではなかったのでそこはよかったです
──1年生の綱川(真之佑=経1・健大高崎)選手が正捕手に座りましたがコミニュケーションや実際に組んでみていかがでしょうか
自分は歳下とか先輩関係なく投げられているので綱川とか他のキャッチャーもそうですし、ずっとブルペンから話し合って投げられたので良かったと思います
▲青学大2回戦に勝利し大栄(陽斗=商3・仙台育英)と抱擁する西舘
──この冬取り組んで行きたいことは
課題としては後半になると少し出力が落ちたりだとかスタミナの面が自分の中ではこの秋通しての課題でコントロールも前半の方は安定していなかったので磨いていければなと思います
──兄の洸希さん(筑波大)も学生野球を終えましたが横浜市長杯のタイミングで何かお話しされたりしましたか
試合の前の日とかに電話とかして「もうすぐ終わるわ~」みたいな話はしましたね。結果として関東大会1回戦で負けちゃいましたけど悔いなくやれた部分は大きいんじゃないかなと思いますね
──大学野球もラスト1年ですが今後の抱負は
来年は防御率の部分が今年の秋は他の大学のピッチャーの方が良かったので数字の部分も拘りながらチームが勝つために、リーグ優勝を目指して頑張りたいと思います
◇西舘勇陽(にしだて・ゆうひ)◇
学部学科:法学部・法律学科
身長・体重:183㌢・79㌔
出身高校:花巻東高校