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【2024春季リーグ開幕直前インタビュー】第2回・2年生前編

昨年は春季リーグで5位、秋季リーグは3位という結果に終わった中大野球部。今年は「結勝」をスローガンに掲げ、櫻井亨佑(商4)主将のもと5年ぶりのリーグ優勝、日本一に向けて調整を進めている。今回は春季リーグ開幕を目前に控える選手たちの声を6日間、全11回にわたってお届けします!

第2回は大学野球2年目のシーズンを迎えさらなる成長が期待される伊藤櫂人(文2=大阪桐蔭)選手と平山颯士(文2=水戸商業)選手です!

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<伊藤櫂人>(聞き手、構成:高橋美帆)
サードやDHで活躍する伊藤櫂

——今の状態はいかがですか

「あまり良くないですね。試合には出させてもらってるんですけど、あまり結果が出てないので。リーグ戦も近いのでちょっとずつ上げていければいいかなって思ってます」

——おいどんカップではヒットも打っていたが

「そうですね。キャンプ中はいい感覚があったんですけど、最近少しその感覚のズレが出てきているので、練習して調整するしかないと思います」

——昨年1年間東都戦ってきて実りや課題などはありましたか

「去年で言ったらレベルの高いピッチャーが多くいて、その中でも少しはヒットとか長打とか打てたと思うんですけど、もう少しチャンスで打てたりとか、そういう勝負強いバッターになりたい。簡単にアウトにならないというか、そういうしぶといバッターになりたいなって思います」

——オフシーズンはどのような練習をしてきましたか

「自分のバッティングの癖の悪い部分をなくそうとたくさんティーバッティングをしたり、強く振ったりとか、自分の課題を克服できるような練習をたくさんしてきました」

——悪い部分っていうのは具体的には

「先に体が開いてしまうので開かないように。意識するしかないんですけど、自分の中では無理やりでも肩を止めたりとかしてやってました」

——センターからレフト方向に向けて打つ打球が多いが、引っ張ることを意識されていますか

「自分のいいイメージがそっちの方向なのでそういう意識では打ってるんですけど、もう少し幅を広げたいっていう気持ちがあるので、逆方向にも強い打球を打てるようになりたいなっていうのは今ずっと考えています」

——DH とサードで起用されることの難しさだったり、プレッシャーはありますか

「サードとDHというのは二遊間とかに比べたらバッティングを重視してるっていうイメージがあるので、 DH だからサードだからっていうのはないんですけど、とにかく打つことに執着して試合の中でもやっています」

——新入生の注目選手はどの選手ですか

「橋本航河(文1=仙台育英)や東恩納蒼(商1=沖縄尚学)、新妻恭介(文1=浜松開誠館)など高校の時に活躍してた選手が何人か入ってきてくれたので、すごく戦力になるかなって思います」

——何かお話を交わされたりしましたか

「そうですね。自分も高校の時ジャパンだったので、橋本とか新妻とか東恩納とかは高校の話であったり、大学のリーグ戦とかの話だったりとかいろんな話をします」

——打率などの数字にはこだわっていきたいと思いますか

「1年目だったので去年はとにかく思いっきりやろうっていうのがあって結果は後にしてそこしか考えてなかった。2 年目なんで1年目の経験もあるし、そういうところも意識したいんですけど、意識してしまったら自分は結果が出ないタイプだと思うので頭にはあるんですけど、とにかくチームのためにやるし、やらないと自分のタイプだと結果が出ないっていうのが高校も通じてそうだったのでとにかくチームのためにやりたいなと思います」

——今年2年生になられて先輩という立場になると思いますが実際に後輩も入ってきた中で、意識は何か変わったりしましたか

「自分もまだまだ今の3、4年生の先輩たちと比べたら技術も劣ってる部分もあるので、プレイで見せるとか技術面で見せるっていうのはまだ自分の力では難しい。でも声かけとかアドバイス、気持ちの持ち方だったりとか、そういうことはこの 1 年間リーグ戦とか先輩方に経験させてもらったことがあるので、伝えられればいいのかなと」

—昨秋はリーグ前インタビューでおっしゃっていた通りに、状態があまり上がらずにスタメンを外される試合もあるなど悔しい思いもされたと思うが、どうでしたか

「先輩達も結果出してやってる中でなかなか調子が上がらなくて。今日もチャンスだったんですけど、自分の状態が良くないので交代っていう形になってしまって。2 年目となってスタメンで出たいしヒットとか打率も気にしてやりたいっていう気持ちがあって最近それが焦りになってしまって。いろんな焦りがあって空回りしてる部分もある。練習するしかないし強い気持ち持ってやるしかない。もう本当にあと短い期間ですけど、短い時間でも何番でもいいので出れるようになりたいなと」

——昨年1年間の自分のプレーに点数をつけるとしたら何点ですか

「10点満点で4 点ぐらいです」

——なぜその点数

「出させてもらって、少しは結果が出たっていうか。でもやっぱりエラーだったりここぞっていう時にもう 1 本出せなかったりとか、1打席目にダメだった時に自分はそっからズルズルいってしまうという日が結構あったんで、そういうのも考えたら全然チームに貢献できてないですし成績も良くなかったのでそれくらいかなと」

——長打力に魅力のある選手だと思いますが、何か意識していることはありますか

「最近やっぱり考えてしまうことが多くなって長打とかは今はよくわかんないんですけど、指導者の方にも長打は求められていると思うので。とにかく強く振ろうとは思ってます」

——ナゴヤ球場での亜細亜大との試合でホームランを打った際に監督さんからアジャストする能力が高いというお言葉がありましたがアジャストする能力は自分でも高いと思いますか

「自分の中でも初球から振って捉えていくっていうのが持ち味であって、そこを生かしていきたいなって思います」

——昨年のホームラン2本はどちらも走者を置いた状態で打たれていて、勝負強さが光っていたと思いますが、ランナーがいる場合はどんな意識で打席に立っていますか

「高校のチームの時から得点圏にいる時やランナーがいる時は自分がスターというか、自分が輝いた状態で打席立つっていうイメージを持って打席に入るっていうのを考えてきてたので、そういう高校でやってきた気持ちをこの大学でも生かすっていうのは思ってました。ランナーいる時も積極的に行こうっていうか。野球ってピッチャー主体で最初投げるんで結局受け身になってしまうんですけど、自分が受け身にならずに攻める気持ちを持ってランナーいる時はやろうって思ってます」

——1番や7番など様々な打順で出場していたが、打順が変わることが難しさなどはありましたか

「打順によって任される役割ってのが違うと思うので、その部分では少し難しいかなっていうふうに思ってたんですけど、試合になったら真剣勝負なのでとにかく気持ちがあったらいいのかなって思います」

——自分がチーム内でどんな存在になっていきたいですか?

「どう見られてるかはわかんないですけど、今は全然頼りないっていうか、出ても結果が出ないし。自分が打席に入ったら打ってくれるっていうふうに思われたり、自分のところに打球が飛んだら絶対アウトにしてくれるというか、そういう信頼される選手にまだ 2 年生なんですけどチームに貢献するためにもなりたいなって思います」

——自分のプレーのどんなところを見てほしいですか?

「リーグ戦入ったらやっぱり気持ちも入って声出したりすることが多くあると思うんですけど、積極性が自分の一番の持ち味かなって思うのでそこを見てもらえたらいいなと思います」

——東都の大将軍になる男と書いていたが、その心は

「自分が一番であるっていうか、どのチームからでも脅威とされる選手になりたい。今はなる男なのでなりたいっていう気持ちが強い。嫌がられる選手になりたいと思います」

——意気込みや目標などありましたらお願いします

「今の段階ではあまり先が見えてないのでわからないですけど、自分はサードとして固定されてやりたいです。サードで言ったら青学に佐々木泰、国学大に柳舘とか。今年だったらそういうすごいバッターが同じポジションにいるので、そういう選手がいる中でベストナインとか取ることができたら自分の自信にもつながると思う。今はこの状態ですけど、そこを目指すのを変えたら先が見えなくなってしまうと思うので自分が意識して、ベストナイン取れるようにやりたいなって思ってます」

◇伊藤櫂人(いとう・かいと)◇
学部学科:文学部人文社会学科
身長・体重:177.5㌢・77.7㌔
出身高校:大阪桐蔭

 

<平山颯士>(聞き手、構成:松岡明希)


▲リーグ戦登板に期待のかかる平山

——今の状態、調子を教えてください

「春のオープン戦から結構投げさせてもらって、良かったり悪かったりの繰り返しで。絶好調とまではいかないですけど、今は悪くない状態かなと」

——1年目を振り返っていかがでしたか

「高校から大学野球来て、レベルの高さに圧倒されて、それについていくのがやっとな1年だったかなと」

——どういったところでレベルの高さを感じられましたか

「高校生と大学生を比較したときに、体の強さというか。バッターと対戦するときにスイングの強さとか、体の大きさとか。基本的に体の力という部分で違いを感じました」

——この冬と春に集中的に取り組んできたことは何ですか

「体の線が細いので、体づくりをメインに、去年1年間とオフに取り組んできました」

——体作りは、具体的にはどのようなことをされたのですか

「体重の増加、ビック3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)など、基本的な筋トレの向上を目指しました」

——成長はありましたか

「数値的にも上がりました。高校のときはあまり筋トレをしていなかったので、最初の方は全然上がりませんでしたが、トレーナーに教えてもらって筋トレを続けていくうちに、ベンチプレスは60キロくらいだったのが今は90キロ上がるようになりました。スクワットは100キロ前後だったのが今は140とか150。デッドリフトも今はMAX160くらいまで」

——筋トレ仲間がいるのですか

「練習を特に同じ学年の投手、鈴木晶太(経2・仙台育英)とやっていて。切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっています。鈴木は外見おとなしそうに見えるんですけど、実は気が強いです」

——オープン戦、おいどんカップなどは何試合ほど投げられましたか

「おいどんカップでは2試合、法政戦と慶応戦で投げました。オープン戦すべて合わせると6~7試合程度投げました」

——手ごたえとしては

「最初の法政戦とかは結構よかったんですけど、調子を維持するのが難しくて。良かったり悪かったりと波がありました」

——投げていく中でここは自分通用するなという部分は

「昨年よりも真っすぐの強さが強くなって、真っすぐで押せるのが成長した所です。あとはスライダーが得意なので、スライダーで空振りをとるというのは自信を持ってやっています」

——見つかった課題としては

「制球面で、四球を出すことは少ないんですけど、追い込み方と言いますか。枠を結構大きく外してしまうことがあり、それだとバッターに的を絞られやすくなるので、緻密なコントロールがまだまだ自分にはないかなと」

——主にリリーフ起用となるのですか

「タイプ的には先発ではないというのは自分でもわかっているので。中継ぎリリーフだと」

——なぜリリーフタイプだとお考えですか

「テンポが良く、ストライク先行でどんどん打ち取っていくのが先発タイプだと思いますが、自分はあんまりテンポが良くなくて、空振りをとる方なので」

——ストレートの最速は

「147,148くらいです」

——大学入って結構球速は上がりましたか

「高校の時のMAXが142だったので6キロくらい上がりました」

——やはり筋トレの成果ですか

「そうですね」

——他の投手に勝る自分のアピールポイントは

「真っすぐのノビと空振りをとれるスライダーかなと」

——アナライザーの大塚豪(文3・沼津東)さんに期待の後輩として挙げられていましたが、期待を感じますか

「大塚豪さんとは結構仲良くて、データとかも教えていただいていて。期待してもらっているなという感じはあります。期待に応えたいです」

——昨年卒業された先輩方とのエピソードはありますか

「石田裕太郎(令6卒・横浜DeNAベイスターズ)さんを慕っていて。いろいろ教えてもらいました。裕太郎さんを目標にした理由は自分と投げ方が似ていて。西舘(勇陽=令6卒・読売ジャイアンツ)さんとかは結構オーバーハンドで。石田裕太郎さんとかはちょっと下がったスリークォーター気味で、タイプも似ているのかなと。全然足元にも及ばないですけど、身近に同じタイプであんなに活躍されている人がいて、憧れでもあり、師匠でもありという感じです。とてもフレンドリーな方なので、『教えてください』と言ったら快く『いいよ』と言ってくださいました」

——同級生との関係性は

「佐藤壱聖(経2・東日本国際大学附属昌平)とは高校時代に練習試合何回かしていて、結構打たれていたんですけど(笑い)。伊藤櫂人(文2・大阪桐蔭)とか、淳平(安田淳平=商2・聖光学院)とか、同級生で日本代表が入ってきて最初はオーラがあって話しかけづらさもあったんですけど、今ではもう仲良くやらせてもらっています」

——同部屋は

「捕手の綱川(真之佑=経3・健大高崎)さんで、よく話します。捕手として自分の悪い所を言ってくれたり、あとは一緒にパスタを食べたり」

——捕手目線から伝えられることはまた面白いものですか

「ピッチャーの意見だけじゃわからないところを言ってくれるので、結構勉強になっています」

——お手本にしている選手は

「石田裕太郎さん、伊藤大海(北海道日本ハムファイターズ)選手です」

——伊藤大海選手のどういったところがすごいと感じるのですか

「真っすぐの質、コントロール。真っすぐとスライダーがすごいので。自分も真っすぐとスライダーの投手なので同じタイプの投手として、憧れでもあり、目標としている選手です」

——好きなプロ野球の球団は

「横浜DeNAベイスターズです。出身が茨城なのですが、東京ドームやハマスタが近かったので。どこが好きかと言われたらベイスターズかなと」

——大学野球をやる意義とは

「自分は結構大学野球をやるかやらないか迷っていたんですけど、まだまだ自分の限界値が高校では来ていないなと思ったところで、中央大学さんから声をかけていただいたので。レベルが高い環境で自分がどこまで出来るかというか。自分を試すものだと思います」

——先日行われた春のセンバツで印象に残っているシーンは

「広陵と青森山田のタイブレークのシーンで、青森山田の投手がタイブレークを三振で切ったときは、すごくいいピッチャーだなと」

——今年入ってきた後輩とは話しましたか

「すごいみんなガツガツ来ます。みんな名の知れた投手なので。自分よりいいピッチャーいますし、野球に対する熱意もそうですし、フレッシュさがあって、自分も見習わなければと思います。高橋史佳(経1・日本文理)とかは結構よく練習に行きますし、ご飯も行きます。練習に対してまじめな後輩です」

——学業の方は

「順調です」

——この選手と対戦したいという方は

「亜細亜大学の石川ケニーと対戦したいです。茨城出身なので、あいつも明秀日立の高校で、高校時代の対戦では抑えたり打たれたり見たいな感じで。結構いいバッターで、亜細亜でも4番を打っていて先を越されたなという感じはあるんですけど、リーグ戦で石川ケニーと対戦したいです」

——春季リーグ、ここを見てほしい!を教えてください

「投げっぷりがいい方だと思うので、投げっぷりに注目していただければ」

——意気込み、目標をお願いします

「チームで日本一になろうという目標でやっていて、そこに自分も少しでも貢献できればと。まずはリーグ戦に登板して抑えたいです」

◇平山颯士(ひらやま・そうし)◇
学部学科:文学部人文社会学科
身長・体重:177.0㌢・70.6㌔
出身高校:水戸商業

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Instagram(@chuspo_report