2025年10月24日 東京都・明治神宮野球場
チーム 123 456 789=R H E
中 大 000 000 000=0 6 0
東洋大 101 000 000=2 8 0
[中]岩城、三奈木、高橋蒼、東恩納、山口ー新妻、野呂田
[駒]大坪、安松、鈴木由、桒江、中島賢ー高山、熊谷、石橋
[本]なし
1[右]皆川 岳飛(経4=前橋育英)
2[中]橋本 航河(文2=仙台育英)
3[二]繁永 晟(商4=大阪桐蔭)
4[指]若井 勇輝(文1=桐蔭学園)
5[左]安田 淳平(商3=聖光学院)
6[一]髙橋 徹平(文1=関東第一)
7[三]伊藤 櫂人(文3=大阪桐蔭)
8[遊]武井仙太郎(商2=鎌倉学園)
9[捕]新妻 恭介(文2=浜松開誠館)
P 岩城 颯空(経4=富山商業)
プロ野球ドラフト会議から一夜明け、寒空の下で秋季リーグ最終戦が始まった。後半に得点の糸口をつかむも、走者を返すことができず、最終戦は惜しくも勝利を飾ることができなかった。秋季リーグ戦の全日程が終わり、最終的に中大は4位となった。4年生の皆川は今日の試合で2本のヒットを記録し、史上25人目となる東都大学リーグ通算100安打を達成した。
1回表、先頭打者の皆川がセンター方向へフェンス直撃の二塁打を放つ。「打線に火をつけるという思い」で打席に入ったという。皆川はこのヒットでリーグ戦通算99安打とし、大台にリーチをかけた。2番橋本の犠打で1死三塁のチャンスを作るも、後続が倒れて先制点を奪うには至らなかった。
その裏、先発の岩城は2死から3番山内にヒットを浴びる。続く4番高中の打球はショートの頭上を越え適時打となり、1点を許す。

▲3日ぶりの先発となった岩城
3回から2番手の三奈木(亜星=商4・浦和学院)がマウンドに上がった。四球と内野安打で二者連続で出塁を許し、中大は内野ゴロの間にさらに1点を失う。
5回表、1死二塁で皆川に打席が回り、ついに待ち望んだ瞬間が訪れる。皆川はストレートを弾き返しピッチャーを強襲。一塁を駆け抜けるとHのランプが灯り、リーグ戦通算100安打を達成した。ベンチ、スタンドから温かい拍手や声援が送られた。
▲通算100安打を達成し、ガッツポーズをする皆川
6回表、リーグ戦で初めて4番に座った1年生の若井、続く安田の連打でチャンスが訪れるが、あと一本が出ず得点には結びつかなかった。6回を投げた相手の先発・大坪(東洋大)から四球や単打で出塁するも、打ち崩すことはできなかった。
8回表には橋本、佐藤壱聖(経3=東日本国際大昌平)が冷静に球を見極め、連続四球で出塁し、無死一、二塁の好機を作る。しかし、代打長谷川(航汰=文3・札幌日大)の打席間に牽制死、暴投で1死二塁となる。長谷川は内野フライ、若井は見三振で無得点に終わる。
好機を生かせず、これ以上相手に流れを許したくない中大は、8回裏に山口(謙作=経4・上田西)が登板する。緩急を使ったピッチングでテンポ良く3人で抑え、次の攻撃へ望みをつなぐ。

▲東洋大の攻撃を無安打に抑えた山口
9回表には、代打綱川(真之佑=経4・健大高崎)、伊藤櫂、途中出場の藤本(陽毅=文1・京都国際)に打席が回る。しかし、中島賢(東洋大)のピッチングに抑えられ、三者凡退で試合終了。
皆川は秋季リーグ戦全試合に先発出場し、通算打率4割4分7厘をマーク。春季リーグ戦では惜しくも逃した首位打者を獲得した。さらに自身4度目となるベストナインに満票で選出された。「順調に今まで一本一本積み重ねてきた結果が最後良い結果になれば良い」という本人の言葉通り、4年間の集大成が大記録として実を結んだ。
清水監督は皆川のリーグ戦通算100安打について、「先輩方の後に彼の名を残せたというのは、今後プロに行ってからも自信にしていいんじゃないかと思う」と記録を称えた。
皆川本人は「今後の野球人生につながる一歩」であり、「ゴールじゃなくスタートだと思う」と今後に向けて意気込む。「自分の実力だけでは達成できなかった」といい、監督や他の選手への感謝の言葉を口にした。記念すべき100安打目のボールは球場で観戦していた両親に渡すという。

▲100安打目のボールを手にする皆川
主将・繁永のもと「覚悟」をチームスローガンに戦った今年のリーグ戦は終わりを迎えた。4年生にとっては、今日の試合が最後の東都大学野球リーグ戦であった。副主将であり、チームの主軸を担ってきた皆川は「(最後の試合は)勝って終わりたかった」と悔しさをにじませていた。
清水監督は「(あらゆる点を)克服して見直してやっていきたい」と来年を見据えている。入替戦のある東都大学野球リーグでは、今年も激しい順位争いが繰り広げられた。皆川ら4年生は中大入学直後に入替戦を経験し、「戦国東都」の厳しさを最も良く知っている。中大は直近6年間、リーグ戦優勝から遠ざかっている。皆川は「優勝という結果は後輩たちが絶対してくれる」と話し、自身の代で叶えられなかった目標を後輩に託した。
◆お知らせ◆
秋季リーグ戦は全試合終了いたしました。
(記事:福島佳那子、写真:高橋美帆、橋本唯花、紀藤駿太)
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