残り9試合となった関東大学サッカーリーグ戦。約1か月の中断期間を経ていよいよ再開を迎える。目標として掲げた「優勝」に向けて残りの試合をどう戦っていくのか、これまでの振り返りと今後の展望を選手インタビューとともにお届けします。
前編では、順位やスタッツからこれまでの戦いを振り返ります。
▲第4節 東洋大戦のスターティングイレブン
トップ3を射程圏内に
中大はここまで13試合を終え、7勝1分5敗で勝ち点22、4位に付けている。1部復帰を果たした前年度は、13試合を終えた時点で1勝3分9敗と大きく負け越していたが、今年は勝ち点を積み重ね、全日本大学サッカー選手権大会(以下、インカレ)への出場圏内で終盤戦を迎える。
13節終了時点で昨年リーグ戦優勝の筑波大、インカレ覇者の明大が1位、2位(明大は1試合未消化)。両者失点数がリーグ最少で、筑波大は2敗、明大に至っては無敗と全日本王者の力を存分に発揮している。続く3位には昨年リーグ戦2位の東国大、そして4位に中大が付ける。中大は首位からは勝ち点7差、3位東国大とは勝ち点1差と上位を射程圏内に捉える位置におり、目標として掲げた「優勝」も手の届く位置で終盤戦を迎える。
1部順位表(9月20日現在)
順位 | 大学名 | 勝ち点 | 試合数 | 勝利数 | 引き分け数 | 負け数 | 得点数 | 失点数 | 得失点差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 筑波大 | 29 | 13 | 9 | 2 | 2 | 25 | 12 | 13 |
2 | 明大 | 28 | 12 | 8 | 4 | 0 | 37 | 12 | 25 |
3 | 東国大 | 23 | 13 | 7 | 2 | 4 | 18 | 12 | 6 |
4 | 中大 | 22 | 13 | 7 | 1 | 5 | 19 | 19 | 0 |
5 | 東洋大 | 18 | 13 | 5 | 3 | 5 | 18 | 16 | 2 |
6 | 日大 | 18 | 13 | 5 | 3 | 5 | 18 | 19 | -1 |
7 | 東海大 | 15 | 13 | 4 | 3 | 6 | 17 | 17 | 0 |
8 | 桐蔭横浜大 | 15 | 12 | 4 | 3 | 5 | 13 | 14 | -1 |
9 | 流経大 | 15 | 13 | 4 | 3 | 6 | 17 | 21 | -4 |
10 | 駒大 | 14 | 13 | 4 | 2 | 7 | 11 | 22 | -11 |
11 | 国士大 | 12 | 13 | 3 | 3 | 7 | 19 | 30 | -11 |
12 | 関東学大 | 6 | 13 | 1 | 3 | 9 | 9 | 27 | -18 |
(関東大学サッカー連盟オフィシャルサイトより作成)
勝利数はすでに昨年を上回る
昨年は終盤に追い上げ、4勝7分11敗の10位でフィニッシュ。今年はすでに昨年の勝利数を上回っている。ここまでの1試合の平均獲得勝ち点は約1.7で、このままのペースでいくと残り9試合で勝ち点を約15伸ばし、シーズン終了時に勝ち点37に到達すると予想できる。ただ好材料として、残りの対戦校の多くに前半戦で勝利していることもあり、さらに勝ち点を伸ばすことが大いに期待できる。
続いて、総得点に関しては現状19点でリーグ3位の数字を記録しており、FW星野創輝(商4)、FW加納大(商4)がそれぞれ4得点でチームトップの数字を残す。昨シーズン得点数チームトップの星野がどこまで数字を伸ばせるか、昨年は無得点ながら6月以降に3戦4発を記録した加納が勢いを継続できるかに注目である。得点時間帯を見ると後半開始15分での得点が全得点の4割近くを占め、ハーフタイムでの調整を挟んだ後半立ち上がりの強さがうかがえる。一方で、失点数は同じく19点で得失点差は0と、数字では上位進出を狙ううえで物足りなさが見られる分、今後前後半それぞれ終盤に多い失点を減らすことは求められるだろう。勝ち切る試合を増やすことのできている状態は継続したい。
時間帯別得失点数(第1節~第13節)
~15(分) | 16~30 | 31~前半終了 | 46~60 | 61~75 | 76~試合終了 | |
---|---|---|---|---|---|---|
得点数 | 2 | 1 | 3 | 7 | 3 | 3 |
失点数 | 2 | 2 | 5 | 1 | 2 | 7 |
(関東大学サッカー連盟オフィシャルサイトより作成)
昨年の経験をいかして
「1部の強度に慣れたというのが大きいかなと思っている。昨年は1部のパワーだったり、速さとかプレーの強度だったりに苦戦した1年だったかなと思っていて、それを経験して今年は強度などを練習で昨年よりは取り組むことができているから、試合で他のチームとの差というのがなくなってきているというのが1番の要因かなと思う」。そう前半戦を振り返るのは8節以降守護神として君臨するGK岩瀬陽(経3)。昨年リーグ戦では、1部での戦いに慣れることに時間がかかり、後半戦にかけて内容では他大学との差が縮まったものの勝ち切れない、決め切れない試合が多かった。しかし、今年は先制した試合では負けなしであり、第11節国士大戦の後半アディショナルタイムで見せた勝ち越しをはじめ最後まで粘り強く戦う姿勢が勝利を手繰り寄せている。
▲第5節 東海大戦で得点後喜ぶ選手たち
「勝利」のイメージで臨む残り9試合
ここまでの5敗の内訳は、筑波大と日大に2敗ずつ、そして明大に1敗となっている。つまり、残り対戦校のうち前半戦で敗戦した相手は明大のみ。駒大戦は引き分けに終わっているがその他全てのチームに勝利しており、いいイメージを持って残り試合に臨めるだろう。
再開初戦は中大の1つ下、5位に付ける東洋大。白星を与えると一気に差を詰められることもあり、ここで勝利し勢いに乗れるか。第19節では前半戦で敗れた明大と対戦する。前回対戦時は、前半に複数失点をし苦しい展開となったが、「優勝」を目指すうえで勝利は必須であり、爆発的な得点力を誇る相手に挑む注目の一戦となる。
勝ち点1差で追いかける東国大とは最終節での対戦が決まっており、最終節が順位を決める決戦になる可能性もある。第2節で対戦した際には田中幹大(商3)のゴールが決まり1-0で完封勝利を収めているが、総理大臣杯では全国の強豪校を倒しベスト4入りと勢いに乗っており、そのままの勢いでリーグに臨んでくることが想定される。強敵との対戦までに勝ち星を積み重ねたい。
今後の試合日程一覧
節 | キックオフ日時 | 対戦相手 | 会場 |
14 | 9月21日 18:00 | 東洋大 | 中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
15 | 9月28日 18:00 | 国士大 | 国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場 |
16 | 10月5日 14:00 | 桐蔭横浜大 | 中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
17 | 10月12日 11:00 | 駒大 | AGFフィールド |
18 | 10月19日 14:00 | 流経大 | RKUフットボールフィールド A面 |
19 | 10月26日 14:00 | 明大 | 中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
20 | 11月2日 14:00 | 関東学大 | 関東学院大学金沢八景キャンパスグラウンド |
21 | 11月9日 14:00 | 東海大 | 東海大学湘南キャンパスサッカー場 |
22 | 未定 | 東国大 | 未定 |
(関東大学サッカー連盟オフィシャルサイトより作成)
悲願の「優勝」へ
総理大臣杯への2年連続出場はかなわなかったが、その分中断期間に今後に向けての調整が十分にできているだろう。今月2日から5日間かけて開催された「サマーユニバーズフェスタ2024」に参加し、全国各地から参加するチーム相手に7位という結果を残した。出場する全ての大会での「優勝」を目標に掲げた今季。残るはリーグ戦と出場すれば4大会ぶりとなるの参戦となるインカレである。チームスローガンである「BE ROOTS」の言葉に込められた通り、今年だけでなくその先も見据えた1年にするために。勝負の終盤戦が幕を開ける。
(記事:琴寄永里加)
後編では、今後のチームの躍進に欠かせない3選手へのインタビューをお届けします!
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