2025年6月14日、15日 東京都・日本武道館
各大学の熱烈な声援が会場を飛び交うなか、日本武道館を舞台に全関東学生弓道選手権大会が行われた。
団体は予選、決勝トーナメントともに男子は6人立、女子は3人立で行われ、80を超える大学から決勝には上位24校が進出する形式となっている。また個人はすでに各大学で行われた予選を通過した者による決勝のみ行われた。
14日、男子団体の決勝トーナメント初戦の相手は千葉商大。大前の安達陸翔(理工2)、中の木村光(総3)が皆中を達成するなど計18中と相手校に4本の差をつけ2回戦に進出した。
▲皆中を達成した木村
続く2回戦の法大戦では、1回戦で1中と精彩を欠いた水原大輝(文3)や、初めての公式戦出場となった秋元耀吏(理工1)が皆中を達成し、合計的中数の増加に期待が高まった。しかし前後の的中がかみ合わず、流れを完全に掴み切れない雰囲気が漂う中でも計18中と奮闘したが一歩及ばず、2本差で敗退した。
予選も含め12射10中と1年生ながら好調を維持し、チームをけん引した渡辺倖成(理工1)は「悔しい場面もあった」としながらも、「全力でやりきれたので良い経験になりました」と振り返った。
▲期待の1年生・渡辺
また、落でチームを支えた中込大斗主将(経4)は自身の射については「正直悪かった点しか思い浮かばない。大事な場面で中ててこれなかったことが非常に情けなく、悔しい」と語る一方で、「多くのメンバーが大きく成長できた機会になった」とチームのさらなる成長に期待した。
▲チームの大黒柱である中込
女子団体は初戦がシードとなり迎えた2回戦の相手は日大。髙野美那(経4)、松井和華(商4)が皆中を達成し、合計10中と高い数字を記録するもここでは同中となり、一手競射に移った。しかしここでも決まらず決着は一本競射の舞台となる。一人一本、計3本の的中数で決まる一本競射は中大が2中、日大が3中と惜しくも敗れ無念の敗退となった。落を務めた松井は「同期に助けられ、最後は自分が〇(的中)で締めくくることができ、同期ならではの絆を感じた」と、ともにに戦った髙野、花岡真理佳(経4)への思いを語ったうえで、「昨年のインカレと同じメンバー、同じ結果だったものの、自分もメンバーも最後まで自信を持ってやり切れたという点に、成長を実感した」と語った。
▲同期で組まれた女子団体(前から髙野、花岡、松井)
15日に行われた個人戦は男子が安達、黒羽蒼史(文2)、田口宜知(理工1)が出場。女子は鈴木朔夜(経4)、髙野、松井が出場した。
男子は全員2年生以下と期待が集まる中で、団体では8射7中と好調だった安達が、一本競射の独特な雰囲気のなかで中てることができず敗退。黒羽、田口も同様に敗退となった。
女子は団体では出場のなかった鈴木が1本目で外してしまい敗退。髙野、松井は2本目まで中てるも3本目で松井が敗退。残すは髙野のみとなった。
4本目からは八寸的となり的の大きさが小さくなるため難しさが急増する。髙野はその4本目に外してしまうも、この時点で人数が絞られ5本目の遠近競射に挑む。的の中心に近い方から順位が割り当てられるこの方式で髙野は見事上位9番目に入り、入賞を果たした。
この結果について髙野は「悔しい」と一言。そのうえで「実力を発揮することはできたけどもそれでも負けてしまった。その差を次の選抜、インカレに向けて埋めていきたい」と次戦に目を向け力強く語った。
▲女子個人9位入賞の髙野
部としては悔しい結果となったものの、彼らはそろって「成長」の言葉を語ってくれた。期待の1年生からチームを支える4年生までそれぞれが切磋琢磨し、お互いに高め合っていく。日々「成長」し続け強くなっていく彼らの活躍から目が離せない。
◆男子団体決勝1回戦◆
〇中大(18中) - 千葉商大(14中)●
安達○○○○
秋元○○○×
木村○○○○
渡辺○○×○
水原×○××
中込×○○○
◆男子団体決勝2回戦◆
●中大 (18中)- 法大(20中)〇
安達○○○×
秋元○○○○
木村××○○
渡辺○○×○
水原○○○○
中込○○××
◆女子団体決勝2回戦◆
●中大 (10中)- 日大(10中)〇
髙野○○○○
花岡××○○
松井○○○○
◆一手競射
髙野○×
花岡×○
松井○×
◆一本競射
髙野○
花岡×
松井○
◆男子個人決勝◆
安達×
黒羽×
田口×
◆女子個人決勝◆
鈴木×
髙野○-○-○-×(遠近競射の結果9位入賞)
松井○-○-×
(記事:国広直秀、写真:渡邉咲衣、樋口有花)
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