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今年も2種目で表彰台入り!沖縄インカレ 大会総括&コメント-全日本学生ソフトテニス選手権大会

2024年9月11~15日 沖縄県総合運動公園テニスコートほか

今年のインカレは日差しが照り付ける厳しい暑さのなか沖縄で開催され、例年とは異なりダブルス、シングルス、団体の順で全5日間に渡り熱戦が繰り広げられた。

ダブルス

大会初日は全国から535組がエントリーしたダブルスの3回戦途中までが行われ、中大からは12組が出場し、9組が2日目に進んだ。そのうち、濵田祐(経4)・髙田翼(経4)組、武市大輝(法3)・中尾彦斗(経1)組がベスト8入りを果たした。

▲最後のインカレでベスト8入りを果たした髙田

武市・中尾組の7回戦の相手は竹田・増田組(日体大)。昨年インカレ3位の強豪ペアで、竹田は今年東日本インカレのシングルスで準優勝を飾り、今季好調をキープしている。技術は折り紙付きの相手に対し「向かっていくだけ」という武市の言葉通り序盤から積極的に攻め続けた。武市のサービスエースや中尾が見せたネット際の攻防で流れを引き寄せ、ゲームカウント4-1と中盤までは相手を圧倒した。しかし、徐々に随所で勝ち切れず相手に流れを持っていかれ、ファイナルゲームにもつれ込む。それでも最後は、チームメイトの声援を背に受けラリー戦をものにし、7-4でゲームを取り切った。試合後「応援のおかげで勝ち切れた。持っているもの以上の力を出させてくれた」と武市は仲間への感謝を述べた。準々決勝では浅見・安達組(早大)に圧倒され敗戦するも、今年度から組み始めた2人が今後につながる結果を残した。

▲1年生ながら躍進した中尾

武市・中尾組と同様にベスト8入りを決めた濵田・髙田組は、準々決勝でここまで圧倒的な強さを見せてきた矢野・端山組(早大)と対戦した。終始矢野の強烈なボレーに押し込まれながら2人でなんとか食らいつき、粘り強くラリーに持ち込む場面が目立った。何度も倒れ込む激闘を見せ、濵田がインカレ前に口にした「去年はベスト16だったから、最低でもベスト16に入りたい」という目標を達成した。ラストインカレで過去最高の成績を残し、2人で挑み続けた数年間の集大成を締めくくった。

 

◆試合結果◆

(6回戦以降)

6回戦

○濵田・髙田組5-3浦田・後藤組(立大)●

○武市・中尾組5-1高橋・広岡組(法大)●

●鈴木亮太朗(経3)・関川結斗(法2)組2-5大村・屋比久組(日体大)○

●中川雄太(経2)・宮下武輝(経2)組4-5浅見・安達組○

7回戦

○濵田・髙田組5-1寺本・岩崎組(国学大)●

○武市・中尾組5ー4竹田・増田組●

準々決勝

●濵田・髙田組1-5矢野・端山組○

●武市・中尾組1-5浅見・安達組○

 

シングルス

大会3日目はシングルスが行われた。例年から大幅に出場選手数が減少し、64人によるトーナメント戦となった。中大からは、昨年準優勝を飾った幡谷康平(法4)と今年東日本インカレのシングルスで3位に入った濵田祐が出場。幡谷が2年連続表彰台入りとなる3位、濵田がベスト16入りを果たした。

▲2年連続表彰台入りの幡谷

濵田は3回戦で前年度チャンピオンの橋場(法大)と対戦した。この試合で際立ったのは濵田のサーブ。観客がどよめくほどの力強いサーブが光り、試合を通してサービスエースは5本以上決まった。デュースにもつれ込んだ最初のゲームはサービスエースで取り切り、2ゲーム目も取り2-0。続く2ゲームは取られ、緩急をつけ狙いどころを定める前年度王者に対し攻め込み続ける濵田の一進一退の攻防が続いた。ファイナルゲームは4-7と、この日一番の盛り上がりを見せた熱戦は橋場に軍配が上がった。わずかにベスト8入りを逃した濵田に観客やチームメイトから惜しみない拍手が送られ、本人はそれに応え笑顔を見せた。

▲力強いサーブで昨年大会王者を追い詰めた濵田

幡谷は準々決勝で昨年大会の準々決勝でも対戦した片岡(日体大)との一戦を迎えた。両者随所で強烈な返しを見せ、ガッツポーズが何度も見られる熱戦となった。ファイナルゲームまでもつれ込んだが「最後はラストイヤーの意地を出して勝ち切れた」と7-4で取り切り、体力的にきつかったという一戦を制した。

続く準決勝は早大のエース矢野との対戦となった。今大会に向け幡谷が掲げた目標は優勝。世代トップの実力を誇り、高校の同期である矢野には大学入学後勝てていないこともあり、「優勝するには彼を避けては通れない。今回こそ勝ちたい」と意気込み臨んだ。試合は序盤から相手ペースで進み、なかなかラリーをものにできない展開が続く。一気に3ゲームを奪われ後がない状況で、「このまま同じことをしていても勝てない」と幡谷はここでプレースタイルを変更した。「やりたいことをやろう」とチームメイトからも声がかかり、ミスを恐れずラケットを振っていくプレーを積極的に見せ状況を打開する。まずはストレートで1ゲームを取り返すと、コート隅に強烈なボレーを決めさらにサービスエースを奪った次のゲームも取り切り、ゲームカウント3-2と追い上げを見せた。しかし、盛り返した相手に対しミスも重なり、反撃及ばず4-2で敗戦。昨年以上の結果を求め優勝を狙ったシングルスでは3位と目標には届かなかった。しかし「結果としては負けてしまったが、全ての力を出せたので後悔はない」と語り、これまで何度もしのぎを削り学生トップを争ってきた同期との試合を「楽しかった」と振り返った。

 

◆試合結果◆

1回戦

○濵田4-2太田(札幌学大)●

2回戦

○幡谷4-0西川(大阪商大)●

○濵田4-2本田(中京大)●

3回戦

○幡谷4-2野田(福岡大)●

●濵田3-4橋場○

準々決勝

○幡谷4-3片岡●

準決勝

●幡谷2-4矢野○

 

団体戦

インカレ最終種目は団体戦。幡谷・両角友志(経4)組、濵田・髙田組(初戦のみ鈴木・髙田組)、武市・中尾組で臨んだ。準優勝を飾った昨年大会にも出場したメンバーが大半を占める今年の団体戦の目標は優勝。最終種目ということで疲労も溜まる中、中大は危なげなく駒を進めていく。

迎えた準決勝は早大との対戦となった。1番手の幡谷・両角組がストレートで勝利し幸先良くスタートを切ったが、続く濵田・髙田組、武市・中尾組はダブルスベスト4入りの矢野・端山組、浅見・安達組にそれぞれ敗れた。1-2で迎えた二次戦は幡谷・両角組と矢野・端山組によるエース対決となったが、ゲームカウント4-1で敗戦し、1-3で準決勝敗退となった。昨年の準優勝という記録を塗り替えることはできなかったが、3年連続で3位以内と結果を残しインカレ全日程を終えた。

幡谷は最後のインカレでシングルス、団体の2種目で3位と、2年連続で2種目表彰台入り。大会を通じて「とても楽しかった」と振り返り、「優勝という目標には届かなかったが、来年はこの悔しさをバネに後輩達に優勝してほしい」と後輩への思いを伝えた。来年ラストイヤーを迎える武市は、今後に向けて4年生が引退し不安はあると述べたうえで「みんなが上を向いて切磋琢磨(せっさたくま)して、インカレで優勝できるように頑張りたい」と奮起を誓った。

▲今後チームを引っ張る武市

輝かしい功績を残した幡谷をはじめとする4年生は次の舞台へ、武市ら躍進を遂げた3年生以下の選手たちは来年悲願の優勝へ、新たな歩みが始まっている。

 

◆試合結果◆

2回戦

○中大3-0神戸大●

3回戦

○中大3-0四国大●

4回戦

○中大3-0専大●

準々決勝

○中大3-0立命大●

準決勝

●中大1-3早大○

 

◆大会後コメント◆

幡谷

・インカレ総括

とても楽しかった。ラストの全国大会で緊張するかと思ったが楽しくプレーができた。最初に行われたダブルスで早い段階で負けてしまったが、気持ちを切り替えてシングルス、団体戦と入賞できたのでよかった。チームで目標としていた優勝には届かなかったが、チームのみんなと楽しくプレーができたので悔いはない。

・主将としてチームを引っ張った最後の1年を振り返って

主将としてチームを引っ張っていく中で、楽しくそして厳しくを体現できたと思う。チームの良さである仲の良さを無くさず楽しくプレーする中にも、やるべきことをきっちりできた1年間だった。主将としてのプレッシャー、そしてエースとしてもプレッシャーがあったが、チームのみんながいたから頑張れたと思うし、たくさんの思い出を作れてとても楽しかった。

・今後に向けて

卒業してもソフトテニスを続ける予定なので、社会人という新しい舞台で活躍していきたい。

・後輩に向けてメッセージ

近年は団体で入賞ができているものの優勝まで後一歩が届かない状況が続いているので、僕らの代を土台にしつつ新しい変化を取り入れて、インカレ優勝に向けて頑張ってほしい。

 

武市

・インカレ総括

インカレ優勝を目指してやってきたが、目標は達成できずとても悔しい。しかし、この1年間部員一人一人が目標に向かって努力し、その過程で大きく成長することができた。大学対抗での早稲田大学さんとの一戦では、濱田・高田ペア、幡谷・両角ペアの四年生ペアが格上相手に果敢に挑む姿勢は本当に感動的で、ここまでチームを引っ張ってきた四年生の姿は決して忘れてはならないと思う。

・来年のインカレの目標

強い四年生が抜けて、戦力として落ちる部分が正直あると思うし、今まで4年生に頼ってばかりいたので、来年結果を残せるか不安はある。しかし、その分練習やトレーニング、私生活から真摯に向き合えると思う。来年は誰がメンバーになるか正直分からず、メンバー争いが激しくなると思うがチームとしてとてもいいことなので、みんなが上を向いて切磋琢磨して、インカレで優勝できるように頑張りたい。

・今後の大会への意気込み

秋は、リーグ戦と天皇杯がメインの試合で、まずリーグ戦では新チームのスタートとしていいスタートになればいいと思うし、どこまでできるかとても楽しみ。3位を目標に頑張りたい。天皇杯は今年を締めくくる大会となるので、今年1年の取り組みの成果を出したい。また、格上の選手ばかりが相手になるので、向かっていくテニスで1試合でも多く試合をしたい。

 

シングルス準決勝 幡谷対矢野の試合映像はこちらから

シングルス3回戦 濵田対橋場の試合映像はこちらから

 

(記事:琴寄永里加 写真:琴寄永里加、琴寄由佳梨)

 

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