10月24〜27日 島津アリーナ京都
全日本大学総合選手権・個人の部が行われた。ダブルスでは新人戦で準優勝、関東学生で3位の成績をおさめた浅津碧利(文1)・小野寺翔平(法1)組が全日学でも力を発揮し3位と好成績を残した。続くシングルスでは、昨年もランク入りを果たした一ノ瀬拓巳(法4)を始め、吉田大輔(文3)と弓取眞貴(文3)もベスト16と結果を残した。
初日ダブルスからスタートした全日学。シードからのスタートとなった一ノ瀬・弓取組は、2回戦、3回戦と抜群のコンビネーションで順調に勝ち上がる。そして迎えた4回戦の相手は愛工大の田原・宮本組と力のある相手であった。「相手は強気でレシーブから攻撃してきたので、それに対して自分たちが後手に回ってしまった」(弓取)とスタートから自分たちのリズムがつかめず第1セットを先取されてしまう。第2セットからは徐々にペースを取り戻し、2ー1と逆転するも第4、第5セットを連続で奪われ、2ー3で敗れ、ベスト16で姿を消すこととなった。「ベスト4入りしたかったがそんなに甘くはなかった」と弓取は一ノ瀬主将と組む最後のダブルスだっただけに試合後悔しさをにじませた。
▲奮闘する一ノ瀬・弓取組
ランク入り決定戦を突破した浅津・小野寺組は準々決勝で駒大の二木・渡井組との対戦。全日本卓球選手権大会でも準優勝に輝いた強豪、松山・高見組(愛工大)の進出を想定していた二人にとって、リーグ戦でも戦うことのある二木・渡井組が相手であることは好チャンスでもあった。
第1セット、ボールに慣れずに連続ミスを繰り返しあっけなくこれを落とすと、第2セットでは相手を凌駕する勢いで11-2と取り返し、続けて第3セットも取り切る。このまま勝ち切りたいところだがこのセットを奪えず、フルセットまでもつれこむと0-4からの苦しい立ち上がり。「自分たちのミスでの失点。逆にやっていくしかないと思えた」(浅津)。と切り替えると、隙を与えず11―6で最終セットを取りきった。
続く準決勝の相手は秋季リーグ、明大戦でも戦ったことのある龍崎・沼村組。「リベンジとして戦いたい」(浅津)という気持ちで挑んだ一戦だったが、フルセットの末敗れ苦杯を喫した。しかし全日学という上位の選手が多数いる大舞台で、1年生ながらベスト4という結果まで上り詰めたことはこれからの大きな自信となるだろう。これからの成長に期待がかかるペアである。
▲格上の選手を抑え1年間数々の結果を残した浅津・小野寺組
続くシングルスではランク入り決定戦に一ノ瀬、岩城友聖(文4)、弓取、吉田大輔(文3)、柏友貴(法2)の5人の選手がコマを進めた。最後の全日学となる岩城は明大・沼村との対戦。「最後の試合は頭の中が真っ白になってしまった」(岩城)と第3セットまでを連続で奪われ厳しい展開に。第4セットを何とか奪い3ー1とするも結局は4ー1で敗れ、ランク入りは叶わなかった。「大学最後の試合だったので親に恩返しというか良いところを見せたかった」(岩城)と本人は話したが今大会は過去最高となるベスト32入りを果たすなど十分にその健闘を見せた。
一夜明け、迎えた準々決勝。弓取は高校時代に1度敗れた相手である愛工大・松山と対戦。スタートダッシュを切りたいところだったが、振るわず第1セットを6-11で落とす。第2、第3セットではどちらも一時リードを奪うも逆転を許し、セットカウント0-3と追い詰められる。第4ピリオドでは反撃に転じたいところだったが、またも逆転され7-11で試合終了。セットカウント0-4でストレート負けを食らい、雪辱を果たすことは出来なかった。試合後には「自分に足りない点が明確に見えた試合だった。1本を取る難しさを感じた」(弓取)と悔しさをにじませた。「リベンジしたい」(弓取)。最高学年としての出場となる来年のインカレに向けて、滾る(たぎる)思いを弓取は静かに口にした。
吉田大は高校の先輩である専大・三部と対戦。第4セットまで両者互角の戦いを繰り広げる。ターニングポイントとなったのはセットカウント2-2で始まった第5セット。三部が得点を積み重ねリードを広げる。吉田大は得点を奪う機会をなかなか与えられず1-11で落としてしまう。第6セットも三部の勢いを止めることが出来ずに、5-11で5回戦敗退が決まった。「余裕がなくなったのが敗因。自分の目標を達成して満足しないで、もっと上を目指していきたい」(吉田大)と既に今後の戦いを見据えていた。
▲雄叫びを上げる吉田大
一ノ瀬主将は日大・金光と対戦。流れに乗り相手を圧倒した第1セットは11-5で勝利。しかし第2セットから相手に主導権を握られ3連敗で王手をかけられる。だがここで踏ん張れるのがエース一ノ瀬。底力で盛り返し2連勝で逆王手。勝負の行方は最終第7セットへ。第7セットは序盤から両者譲らぬ攻防が続き10-10でデュースに。金光が得点を決め10-11となったあとは、一ノ瀬主将が追いつき金光が突き放す展開が繰り返されスコアは13-14に。「焦りが出てしまった」(一ノ瀬)。最後は金光が得点を加え、13-15で一ノ瀬主将は力尽きた。昨年のベスト8を超えることは出来なかったが、きっちりとベスト16入りを果たす実力を示した。残す大会でも好成績を残し、大学生活の集大成を飾りたいところだ。
▲サーブを打つ一ノ瀬主将。手に汗握る勝負を展開した
ダブルスでは浅津・小野寺組がベスト4に進出し、シングルスでも3名の選手がランク入りするなど今大会躍動した中大。4年生はこれで中大として戦うのは最後、これからは今の3年生が中心となり強い中大を見せていってほしい。1年生の台頭と4年生の引退。変革の時代を迎える中、選手たちがどのような戦いを見せてくれるのか。卓球部への期待値は大いに高まっている。
▲メダルをかけ賞状を手に笑顔を見せる浅津・小野寺組
◆大会結果◆
ダブルス③浅津・小野寺組
5回戦敗退 一ノ瀬・弓取組
3回戦敗退 太田輝(文2)・吉田俊暢(文2)組、吉田大・柏組、岩城・高橋徹(文4)組、伊丹雄飛(法3)・橋本一輝(文1)組
シングルス⑨一ノ瀬 ⑫吉田大 ⑭弓取
4回戦敗退 岩城、柏
3回戦敗退 伊丹、太田、吉田俊、浅津、小野寺
2回戦敗退 橋本
◆お知らせ◆
次戦は今月23日〜24日に埼玉県・所沢市民体育館にて行われる全日本学生選抜卓球選手権大会です。
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部