• Twitter
  • facebook
  • instagram

「記者が捉えたベストゲーム」第6回 記事・河邉希乃佳

2年生記者8人が昨年度の取材の中でNo.1の試合を一人1試合ずつピックアップし、その試合を記者目線で振り返っていくこの企画。第6回はバレーボール部が怒涛のフルセットを制した明大との試合です。

※以下学部学年役職などは昨年度の表記に準じています。

2019年11月29日 バレーボール部 

全日本バレーボール大学男子選手権大会 準々決勝 対明大 墨田区総合体育館

 

春リーグ4位、秋リーグ8位。実力のある選手が多く揃いながらも、「全日本インカレ優勝」を目指す選手たちにとって、リーグ戦は思うような結果が得られなかった。見事なストレート勝利で飾る試合も多かったが、接戦にもつれ込むと勝ちきれない。そんな印象の試合も多く見受けられた。その典型例として挙げられるのが、明大との試合だ。明大には、東日本インカレを除き、春秋リーグともに敗北。セットの中盤まではリードしながらもあと一歩のところで逆転される。勝ちきることの難しさと、もどかしい思いを経験してきた。

こうして迎えたのが一年間を締めくくる全日本インカレだ。中大は順調に勝ち進み、準々決勝で迎えたのが明大だった。最大のライバルを倒す機会ともあって、トーナメント表が出た当初から、この試合にかける選手たちの思いは大きかったと思う。さらに当日は満員の客席からの応援もあって、会場はこれまでにないほどの盛り上がりを見せていた。

▲試合開始前に円陣を組む選手たち

いよいよ始まった第1セットでは、中大の攻撃陣の活躍が光った。ミスの少ない相手に対し、25-16と大差をつけて先取。勢いそのままに第2セットも連取した中大は、確実に勝利へと近づいているかのように見えた。しかし、第3セットで流れが変わる。デュースを目前にして明大に連続得点を決められ、このセットを落としてしまったのだ。まさかの展開に嫌な予感が走る。さらに第4セットも落とし、とうとう第5セットまでもつれることとなった。このとき私はとても印象に残っていることがある。4年生の選手たちが率先して声を出し、チームを奮い立たせていたことだ。悪い流れを追い払うかのように、「楽しんでやろう!」と明るく鼓舞する声は、客席まで聞こえてきた。彼らにとって学生最後の大会。インカレは負けたら終わりの厳しい戦いだ。焦る気持ちもあったはずだが、それ以上に4年生として下級生に優勝を経験させてあげたいという思いを強く感じた。長く続いた接戦を中大が制した瞬間、選手たちが喜びを爆発させた光景は印象深い。

▲長時間の接戦を制し、喜びを爆発させた選手たち

私は、全員が一丸となって戦うというチームスポーツをまさに体現したような試合を見ることができた。誰かが得点したら全力で称え、苦しいときは互いに声を掛け合う。こうしたチームの雰囲気があったからこそ、リーグ戦の雪辱を果たすことができたのだと思う。結果的に全日本インカレを3位で終えた中大。今年こそ全日本優勝という目標を達成するべく、新体制となった中大バレー部の活躍に期待したい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

記事:河邉希乃佳(法2) 写真:「中大スポーツ」新聞