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【第167号掲載記事】9年ぶりの伊勢路で悲願達成─第53回全日本大学駅伝

※「中大スポーツ」第167号1面の本文を掲載しております。

11 月 7 日 愛知・熱田神宮西門前~三重・伊勢神宮内宮宇治橋前(106・8 ㌔)8区間◇出場27チーム

古豪復活の序章か─。中大にとって、9 大会ぶりの出場となる全日本大学駅伝で、目標通りの8位となり、12 年大会以来 10 年ぶりのシード権を獲得した。チーム最大の目標である箱根駅伝5位に向け、弾みをつける。

◇   ◇   ◇

〝前半型〟が奏功

 真紅の襷(たすき)が伊勢路を沸かせた。目標を8位、シード権獲得に置き臨んだ今大会。駅伝経験の少なさから、出遅れを避けるべく、藤原正和駅伝監督はエース吉居大和(法2)を1区に起用する〝前半型〟のオーダーを組んだ。
 個人としても区間賞を狙った吉居。序盤から先頭集団に付くものの、最後は秒差なしの2番手で襷をつなぎ、戴冠を逃した。「ラスト2㌔、勝ち切る強さが足りませんでした」と悔しさをにじませ、箱根駅伝でのリベンジを誓った。
 2区以降は終始、8~11 位でレースを展開。7区で中澤雄大(経3)が8位に躍り出ると「気持ちよく走ることができた」と、安定感のある走りでリレー。襷を受けたアンカー手島駿(商4)は、そのままシード権を死守しフィニッシュ。「プレッシャーの中で役割を果たせた」と振り返った。

全員駅伝の功績

 「来年に残せるものができて本当にうれしい」。腕にはマジックで「シード!!」の文字。ゴールテープを切った手島は、後輩への〝置き土産〟を喜んだ。全日本での目標をシード権獲得に据え、チームは始動。6月の選考会は難なく通過したが、2週間前には箱根駅伝予選会もあった中での難しいチャレンジだった。
 「我慢強い走りをつないでいければチャンスは出くる」。指揮官は4区時点でのシード権圏外を見越し、折り返しの5区に三浦拓朗(商4)を配置。ジャンプアップを狙った。それでも 2~4 区の選手は「最低限のことはできた」(中野翔太・法 2)と、大きく順位を落とすことなく三浦に襷をつないだ。
 最終3区間、6区の山口大輔(文 1)が一時順位を落とすも、監督が信頼を寄せる中澤と手島でカバー。まさに全員駅伝を体現した。

「新たな一歩」

 伊勢路が遠い存在となっていた8年間、中大は辛酸をなめてきた。16 年には藤原監督が就任。今季はチームに対して「新たな一歩を刻もう」と誓った。6年かけてつかんだシード権。指揮官にとっても喜びはひとしおだ。
 一転、視線は箱根路へ。今大会、上位校はいずれも関東勢。年始に再び相対する。最大の目標、そして古豪復活へ。二歩目を踏み出す。

(記事:杉浦瑛俊)

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2021年11月29日(月)付で「中大スポーツ」第167号を発行いたしました。詳細はこちら