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4年生が最後のインカレで躍動!チーム力で昨年王者中大・意地の男子総合3位―秩父宮杯・秩父宮妃杯 第97回全日本スキー選手権大会

2月15日~2月19日 花輪スキー場

 

全日本スキー選手権大会(インカレ)が2月15日から5日間、秋田県鹿角市の花輪スキー場で行われた。昨年92ポイントを獲得し王座に立った男子の二連覇、そして2部優勝と悲願の1部昇格を果たした女子の躍進に期待がかかった今大会。中大勢は男子1部ノルディックコンバインド、クロスカントリー・女子1部クロスカントリーを中心にポイントを獲得し、男子が1部総合3位、女子が1部総合12位で大会を終えた。

 

この大会では各種目、1位に11点、2位に9点、3位に8点、と10位までの入賞者に得点が与えられ、大学ごとの合計得点で総合順位を競う。

 

初日は降雨による中止が懸念される中、アルペンは男子1部・女子1部ジャイアントスラロームが、クロスカントリーは短い距離を競うスプリントのフリーが男子1部、女子1部ともに行われた。男子1部スプリントフリーでは小林皓生(経4)が決勝Bで1位、全体7位で入賞。女子は松倉后杏(経4)が決勝Bで3位、全体9位で入賞を果たし、クロスカントリーで幸先の良いスタートを切った。

雨による視界不良と雪のコンディション不良によりアルペンでは各大学コースアウトが続出。中大勢も女子の最高成績が保坂花(商2)の17位、男子の最高成績が森囿竜輝(経4)の17位と悔しい結果に終わった。

 

2日目は男子1部スペシャルジャンプと、クラシカルからフリーへ変更になったクロスカントリーの男子10㌔、女子5㌔が行われた。

前日の公式練習が雪不足により中止となったスペシャルジャンプであったが、畔上祥吾(法4)、木村幸大(法4)が文字通り「飛躍」した。1本目、2本目ともに安定したジャンプの木村が8位、1本目のジャンプで全体3位の畔上は1本目のアドバンテージを生かし9位と4年生二人が入賞。翌日のノルディックコンバインドにつながるジャンプとなり、二人とも表彰式では朗らかな表情を見せた。

男子1部10㌔では前日のスプリントフリーで入賞した小林皓が3位、すぐ後を追った湯本幸耶(経4)も4位と、クロスカントリーでも4年生が大健闘。4年の意地を見せた積極的なレースを展開した。

▲前日に引き続き力走を見せた小林皓

今大会、中大勢が最も多くの得点を獲得したのは、3日目に行われたスキージャンプとクロスカントリースキーの成績を組み合わせて戦うノルディックコンバインドだった。今大会のグンダーセン方式ではまずスキージャンプを行い、そのポイントをクロスカントリースタート時のタイム差に換算。続けて行われるクロスカントリーのフィニッシュライン通過時に最終的な総合順位が決まる。

はじめに行われたスキージャンプでは中澤拓哉(経2)が2位と好成績。また、前日のスペシャルジャンプで入賞した木村と畔上はそれぞれ4位と6位、小野沢泰雅(法2)は18位の成績でスキージャンプを終え、勝負の場をクロスカントリーに移した。

1位とのスタートタイム差を9秒とした中澤はジャンプでのアドバンテージを生かしクロスカントリーで逆転優勝を狙う。「積極的なレースがしたかったので、ずっと前に引っ張るような感じで頑張った」という言葉通り、得意のクロスカントリーで集団を牽引しそのまま1位でフィニッシュ。続いて畔上、木村も3位、4位でゴールし、ゴール後には3人で互いの健闘を称えあう姿も見られた。小野沢もクロスカントリーの成績は全体5位と奮闘。10位入賞を果たし、晴れて出場した4人全員が入賞した。

優勝した中澤は表彰式後のインタビューで「今年はジャンプの調子が良かったが、直前で崩れてしまって。前日のスペシャルジャンプからしっかり修正できて挑めたのが良かった」と晴れやかに語った。

 

▲ノルディック複合で優勝した中澤

残すところあとはクロスカントリー種目のみとなった大会4日目。この日、2日目の10㌔フリーで入賞した湯本が30㌔フリーに出場し、3位の成績で8点を奪取。チームの総合成績に大きく貢献し有終の美を飾った。同じく表彰台登壇に期待がかかる小林皓は途中棄権と悔しい結果に終わった。最終日にリレーを残した大会4日目、突如訪れたエースのアクシデントに「その分を自分が何とか補って、チーム一丸となって上位入賞を狙えたらなと思います」と湯本。リレーでもチームとして最後まで戦い抜くことを誓った。

女子1部15㌔ではこちらも入賞に期待がかかる松倉が13位と、あと一歩入賞に届かず悔し涙を飲んだ。

 

男子1部30㌔フリーで集大成を飾る快走を見せた湯本

最終日の男子リレーには小林琉斗(経2)、湯本、古田歩(経2)、青野叶夢(商3)が出場。小林琉から8位でレースを託された湯本が6位まで順位を押し上げる奮起を見せるも、なかなか反撃の糸口を見出せない苦しいレース展開となった。しかしエースを欠く中、最後まで粘りのリレーで10位入賞。全員で大きな1点を獲得した。

 

中大は男子が60ポイントを獲得し総合3位、女子が松倉の活躍で2ポイントを獲得し12位で大会を終えた。男子は総合優勝の早大と41ポイント差。前回王者の中大としては決して満足のいく結果だったとは言えないだろう。しかしゴールしたチームメイトのもとにすぐさま駆け寄る選手たちの姿、同じ競技に出場した選手同士で互いの健闘を称えあう姿、そして木村主将の「個人競技だけどチームで戦っているんだな、という感じで、その雰囲気が楽しかった」という言葉からも、中大スキー部のチームとしての強さを垣間見ることができた。

今年表彰台を独占したのは男女ともに早大であった。しかし来年、インカレの表彰台が臙脂から再び鮮やかな赤で染めつくされる瞬間が今から楽しみである。昨年栄光を飾った秋田の地で、確かに中大戦士の「Cの矜持」を見た。

 

◆大会結果◆

学校別総合順位

男子1部3位 中大 60ポイント

女子1部12位 中大 2ポイント

 

個人成績

2月15日

女子1部スプリントフリー

⑨松倉后杏

 

男子1部スプリントフリー

⑦小林皓生

㉑小林琉斗

㊶沓掛隼士(法3)

㊼青野叶夢

㊽古田歩

55古田柊斗(法1)

 

女子1部ジャイアントスラローム(タイムは各回の合計)

⑰保坂花   1:41.68

⑲伊藤麻理乃(文2) 1:42.65

㉖西田れいあ(国3) 1:44.91

宮本理央(商3) DNF

 

男子1部ジャイアントスラローム(タイムは各回の合計)

⑰森囿竜輝 1:33.00

㉕戸谷椋(法2)  1:33.93

㉚平井颯馬(商1) 1:40.66

ウィリアムス飛(商3) DNF

中島崇秀(経1) DNF

薄井理央(商4) DNF

 

2月16日

男子1部ノーマルヒル スペシャルジャンプ(得点は各回の合計点)

⑧木村幸大 180.6

⑨畔上祥吾 179.5

⑬中澤拓哉 169.3

㉕小野沢泰雅 117.6

 

女子1部5㌔フリー

⑭松倉后杏 13:59.9

 

男子1部10㌔フリー

③小林皓生 22:48.4

④湯本幸耶 22:48.7

㉘古田柊斗 24:35.6

㊲古田歩 25:03.4

㊴小林琉斗 25:10.2

53沓掛隼士 26:11.6

 

2月17日

女子1部スラローム(タイムは各回の合計)

⑭保坂花  1:27.22

㉚宮本理央 1:37.46

㉜西田れいあ 1:38.26

伊藤麻理乃 DNF

 

男子1部スラローム

⑪戸谷椋  1:19.95

㉒森園竜輝 1:21.29

㊴村井堅  1:28.13

㊶薄井理央 1:30.28

中島崇秀 DNF

ウィリアムス飛 DNF

 

男子1部ノルディックコンバインド10㌔(順位は各種目の総合)

①中澤拓哉

③畔上祥吾

④木村幸大

⑩小野沢泰雅

 

2月18日

男子1部30㌔フリー

③湯本幸耶 1:07:35.1

⑱古田歩  1:12:20.5

㉛古田柊斗 1:15:39.2

㉞沓掛隼士 1:15:49.9

小林皓生 DNF

小林琉斗 DNS

 

女子1部15㌔フリー

⑬松倉后杏  44:16.8

 

2月19日

男子1部 4×7.5㌔リレー

⑩中央大学(小林琉斗―湯本幸耶―古田歩―青野叶夢) 1:26:10.6

 

 

(記事、写真:齊藤さくら)

 

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