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〜最下位から躍進の秋、この秋をバネに更なる高みを〜17日間連続インタビュー14日目・高橋隆慶選手

春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。

連続インタビュー14日目は高橋隆慶選手(文3=明秀日立)。「チャンスの場面で結果が出せなかった」と語った春からは一転、この秋は下位打線に座りながらもチーム内トップタイとなる打点5を記録。夏からこだわってきたという勝負強さを発揮したシーズンだった。右の強打者として来季は中軸の役割に期待がかかる。(取材、構成=志水恒太)

──秋季リーグを振り返って
春はチャンスで打てない事があって、夏の期間に勝負強さとかを意識しながら練習した中で、代打とかの出場だったんですけど、チャンスの場面で1本打てたりしたので、そこは春に比べて成長できた部分ではあったのかなと思います。ただ怪我もあって福島での駒大戦はスタメンでの出場ができなかったので、来年はコンディションの調整というか、怪我無く成長出来たら良いなと思います

──どこを怪我されたのですか
足の甲のじん帯です。自分は知らなかったんですけど足の甲にじん帯あるみたいで(笑い)。守るのも走るのも厳しかったので最初からは出られなかったです。2週目のZOZOからはスタメンで出られたんですけど、開幕の直後は間に合わなかったのでそういう事も意識して今後はやっていけたらなと思いました

──福島、ZOZO、神宮など計4球場で試合がありましたが印象的だった球場はありますか
ZOZOが一番ですね。プロ野球でも使われているのもあってやっぱり雰囲気というか、神宮より観客が近くにいるというか、そういう事があったのでお客さんが目に入ったりはありました。そこはやっぱりいつもの神宮とは違う雰囲気というか、より緊張したりする事はあったので、そういう良い意味でも悪い意味でも印象に残ってる部分はあります

▲駒大3回戦で貴重な追加点となるタイムリーを放った高橋

──リーグ戦で最も手応えを感じた一打を挙げるとしたら
日大との1戦目、4打席目の左中間への二塁打です。あの時の打球は練習した事が出せて、自分の中ではしっかり打てたなという感覚だったので一番印象に残っていますね

──その試合では初回に右中間への三塁打もありました。試合後の取材では逆方向の当たりがご自身の強みだとおっしゃっていましたがその部分については
外の球は逆方向に飛んでいきやすいと思うんですけど、どうしても自分に近いボールよりも当てに行ってしまう事が多くあって、そこを当てにいかずに、常に強く振り切るという事を常に意識してやっていたので、その時も当てにはいかずにしっかり振った中で捉えられたのでそういう打球が増やせたらなとは思います

──得点圏でのタイムリーも多くありましたが打点へのこだわりについては
今年の最初は特に無かったんですけど、やっぱり春、自分のところでチャンスが多くあっても全然結果が出なくて、そこで監督やコーチにも色々言われたりして、嫌でも少し頭にはあったので秋こそはっていう気持ちはありました。打率よりも打点という勝負強さ、チャンスで回せばこいつなら1点絶対に取ってくれるという信頼感は得られるようにと思って夏からずっとやっていて、そこは打率とかよりも秋はこだわったというか、気にしていた事ではあったので、そこを達成出来て秋は自分の中では良かったかなと思っています

──リーグ戦で印象に残った投手は
青学大の常広投手ですね。真っ直ぐの力があって変化球も簡単にストライク投げ込んでくるので、どうしても狙い球が絞りにくくなったり、真っ直ぐを狙っていても球速で押されてファールになったりして一番打つのに苦労したピッチャーだったので、来年もいるので来年こそは絶対打ってやろうという気持ちで今は取り組んでいます

 ▲青学大戦では逆方向へのしぶといバッティングも見せた

──ドラフト会議で、森下(翔太=商4・東海大相模)選手、北村(恵吾=商4・近江)選手が指名されましたが、同じ右打者として技術的に参考にしている部分はありますか
森下さんであったら、どの球、どのタイミングで入っていても常にフルスイングをしているのが自分がベンチで見てても分かるので、そこは新チームになって自分がチームの中心を打っていくってなった時にはやっぱり長打も打っていかないといけないと思いますし、参考にというか自分がやるべき事だと思うので近づけたらなと。やっぱりドラフト1位なので目標にして近づいていけたら良いかなと思います

──終盤は優勝争いの中での試合が続きましたが、気持ちの変化はありましたか
自分たちの中で優勝出来ても出来なくても最後4連勝して良い形で4年生は終わろうみたいな事はあったので、結果優勝出来なかったですけど自分たちが思い描いていたように亜大との3戦目から見たら5連勝出来たので、そこは絶対に自分らで勝利を掴もうとなっていました。あとは4年生と一緒に出来るのが最後っていう気持ちもあったので、そういう意味ではモチベーション高く出来ていたかなとは思います

──同じ3年生の投手陣がフル回転でチームを引っ張っていましたが刺激になる部分は
同じチームなのでありがとうっていう思いもあるんですけど、自分が打てなかった時に助けてもらう事もあるし、勝っていてもピッチャーが崩れて負けてしまう試合もあったので、刺激というよりはお互いに助け合うという気持ちです。どっちが駄目でも試合は勝てないと思うのでお互いに助け合っていけたらなって思っています

──惜しくも2位に終わりましたが今年の中大野球部はどのようななチームでしたか
自分が下級生としてやってきた中でも主力で活躍している4年生自体が少ない代だったので最初は監督にも3年生が引っ張っていくようにって言われてたんですけど、結局4年生の力に頼ってしまいました。良い人たちだったのでそういう意味ではすごくやりやすく、全員が対等にというか、学年の壁もなく1年生から4年生までがやりやすい環境作ってくれてたのでそういう意味ではすごく良いチームだったと思います

 ▲対日大1回戦で右中間への3点三塁打を放った高橋

──秋の活躍を踏まえて来年も継続していきたいと考えている部分はありますか
秋は勝負強さというか、チャンスで凡退する事なく打点につなげられたので、そこは来年の春も継続していきながら、その中で打点以外の部分、打率であったり2年生の時はホームランを打てたんですけど、今年は1本も打てずに終わってしまったので、チームが勝つための打点っていう結果にはこだわりながら自分自身の打率やホームランにもこだわってやっていけたらと思います

──逆に来季に向けてこの冬取り組む課題はお考えですか
自分の場合は今までずっとDHでの出場で守備をリーグ戦でやってこなかったので、来季からは守る事も頭に入れてというか、守る事をしなきゃいけないと思いますし、守備練習っていうのは重点的にやらなければいけない課題だと思うので、そこは本気で取り組んでいけたらと思います

──目標にしているプロ野球選手はいらっしゃいますか
あの人すごいなと思う選手は山田哲人選手がやっぱりチャンスに強いというか、ジャパンの試合とかを見ていても大事なところでの1本を打っているイメージが強いので、そういう意味では自分もここで一本出してほしいって場面で打てるようなバッターになりたいというのがあります。一番近くで見ていた森下さんは常に野球にストイックで練習量もあったのでまだまだ自分も練習しなきゃいけないですし、一番近くにドラフト1位っていう背中があるのでそこを目標に頑張っていけたらなと思います

──最後に来季に向けての意気込みをお願いします
チームとしては優勝を経験した事が無いので絶対に優勝したいというのもありますし、下級生に優勝っていう雰囲気を味わってもらいたいので、自分たちは一番経験のある代でずっと下級生のころから出ているメンバーが多いので、そこはチーム一丸となってやりながら、自分としてはベストナインという目標を掲げて春に向けてしっかり取り組んでいけたら良いと思います

◇高橋隆慶(たかはし・たかのり)◇
学部学科:文学部・人文社会学科
身長・体重:185㌢・88㌔
出身高校:明秀学園日立高校