いよいよ今週末、2024年度第73回全日本大学サッカー選手権大会(以下、インカレ)が開幕します。関東大学リーグ戦を4位で終えた中大は4大会ぶりにインカレ出場権を獲得し、28大学が出場する全国の舞台で頂点を目指します。
今回はインカレ開幕に先立ち、監督、総監督、選手10名へのインカレ直前インタビューを全5回にわたりお届けします。リーグ戦の振り返りからインカレに向けた取り組みまで、幅広く語っていただきました。
第3回は、湯谷杏吏選手(経4)、小川嵩翔選手(商4)へのインタビューです。
今シーズンリーグ戦に20試合以上出場し、多くの試合でボランチを組んで攻守の要となる中盤を担った湯谷選手と小川選手。今季に関してはもちろん、4年間を振り返るなかで印象的な出来事として、あのOBの名を挙げエピソードを語ってくれました。
▲インカレに向けて目標を書いていただきました!
-今季リーグ戦を振り返って
(小川)去年なかなか勝てなくて残留争いをしていて、ぎりぎり残留できたというところで、1部に上がって感じた強度のところを今年はシーズン始まる前から意識して取り組んで、その強度のところをが去年よりも上げられた分、今年は最終的に4位という結果で終われたのか名とは思います。 でも目標としていたのは優勝で、それが叶わなかったということは今年の強度とか、それ以外の戦術的なところ、技術的なところでも足りない部分があったとは思います。
(湯谷)去年、今の4年生が3年生の時に結構出ている人が多くて、その分その出ていた人が今年出て去年経験しているというのもあって、去年より手こずっていない感じはあって、勝てていたのでよかったかなと思います。
-今シーズンチーム1番、2番の出場時間を記録しているが、ご自身の成長をどう見るか
(小川)学年が上がるにつれて試合に出られる機会は増えてきて、経験やうまくできた時の自信とかはつながっていて、長く試合に出られるようになった理由ではあるのかなと思います。2年生の頃とかはけがが多くてなかなか試合に出られないとかありましたが、今年はほとんどけがもしていなくて、 そういう怪我をしていないところも長く試合に出られている理由なのかなとは思います。
(湯谷)ずっと出させてもらっていますが、強度の部分とかプレーの判断のスピードとかを結構言われてきて、まだ完全に良くなったわけではないですが、安定感は出たかなとは思います。
-今季1番印象に残っている試合は
(小川)後期の筑波戦。負けた試合ですけど、相手チームも多分万全なフルメンバーみたいな感じで、圧倒的な差を見せつけられた試合で、そこまでやってもそのチームでさえ優勝できていないので、その試合で差を見せつけられて印象に残っています。
(湯谷)前期の東国戦。印象はあまりよくなくて勝っている感じもなかったけど、1節で分けてまた去年みたいにずるずるいかず2節目で勝てて、最初の方に勝てたというのはこの4位という結果につながっているのではないかなと思います。
-今季を振り返って100点満点で点数をつけるとしたら
(小川)50、60点です。ボランチとはいえ、得点、アシストのところをもっとしないといけないし、1番多分試合に出ているというところでそういう数字的な結果を出せなかったというのは課題だと思います。1番試合に出ているので去年よりいい4位という結果に1番影響しているのはあると思っていて、そういう面では良かったと思いますが、目標としていた優勝に届かなかったのは自分の責任も大きいのかなとは思います。
(湯谷)30点で。
(小川)低い(笑)
(湯谷)意外と試合は出ていますけど、そんな自分がいないとだめみたいな感じで出られていなかった部分もあるし、自分が理想としているのは自分がもっと中心になってというところだったので、そういう部分を考えるとできていなかったので半分くらい点数失いました。あとは、嵩翔(小川選手)も言った通り、アシストとか得点とか結果として残せていない部分もあるので、ボランチだとしてもどちらかで残せていればというところだと思います。
▲取材時の小川
-インカレでも通用するような中大の強みは
(小川)監督とかも結構自主性を重んじるというか、自分たちの発想というのを尊重してくれて、試合の中で監督がこうしろというよりかは自分たちでやっていくみたいな感じでやることが多くて、そういうピッチの中アイデアを出して修正していけるというところは強みなのかなと思います。今年は相手を圧倒して勝った試合が多くない中で、勝っても負けてもおかしくなかったところを勝ちに持っていける力も強みかなと思います。
(湯谷)去年だと光平くん(田邉光平・令6卒・現レノファ山口)みたいな10番でリーダーの人がいて付いていく感じでしたが、今年は全員が自分がやってやろうという気持ちが4年生は特に出ていたので、去年より勝ちに対する姿勢があると思います。それは逆転とか連勝している要因なのかなと思います。
-ボランチを一緒に組むやりやすさ、お互いの印象について
(小川)杏吏(湯谷選手)は前に行った時のラストパスなど攻撃的なプレーとか自分にはないところをたくさん持っていて、杏吏が攻撃的な面でより輝いて、自分は守備みたいなところで、いいバランスなのかなと思います。
(湯谷)自分は守備の部分が課題で狙われるところではあって、組んだ時にその守備の部分では助かった部分も多くてすごいなと思います。あとは、キックが上手くて、自分にないものを持っているなとは思っていて、そういった意味でもバランスがよくできていたかなとは思います。
-同級生全体を見るとどんな学年なのか
(小川)(湯谷)仲がいい。
(小川)真面目だと思います。
-4年間で印象的な出来事は
(小川)憲剛さん(中村憲剛テクニカルアドバイザー)が来たことですね。
(湯谷)自分もそうです。
(小川)技術的なことをいっぱい言うのかなと思っていましたけど、どちらかというと気持ちとか。プロの世界でプレーしている姿を見たら技術が目立つ選手でさえ、そこまで気持ちという部分を大事にしていて、そう考えたら自分は上手くもないし技術もない分、もっと気持ちを出していかないといけないと感じました。あとは、ボランチで同じポジションというのもあって、ボランチのプレー以外の味方を動かすところとか。自分は1、2年の時とかやんちゃなところがあって、大学生になって言われることではないと思いますが、憲剛さんに「協調性を持て」みたいなところを言われて、人間性みたいなところも見直すきっかけになったし、大学サッカーで大きな影響を受けました。
(湯谷)リーグの前日に気持ちの部分を言われます。技術のところは聞いたら教えてくれると思いますけど、大体気持ちのところを声掛けてくれます。
-毎試合佐藤総監督からの声掛けが響いていたが、学んだことは多いか
(湯谷)デンソー(デンソーカップチャレンジサッカー大会)で選抜の監督をやっていて、その基準で話してくれるし、強度とか戦う部分は何度も言われてきました。あとは、守備のところをたくさん言われて、戻るところだったり球際、セカンドボールだったりはよく言われて学んできたと思います。
▲取材時の湯谷
-インカレに向けて練習はどんな感じか
(小川)特別意識することはなくて、これまでやってきたことを続けていくことが大事だと思います。ただ、これまでの練習でリーグ戦を4位で終えていて、いいところまで行けても優勝はできないみたいな感じになってしまうので、より意識高くやる必要はあると思います。
(湯谷)インカレに出られるとわかってから、「これでは勝てないぞ」とチームで話したこともあったし、基本雰囲気がいいとき勝てているので、インカレまでの試合で勝って雰囲気よく行きたいというところはあります。
-インカレで注目してほしい部分
(小川)4年生にとっては大学最後の大会で、4年生の集大成というか意地というか、最後の気持ちの部分含めて4年生の活躍は見てほしいと思います。
(湯谷)去年2部に落ちかけて中大は強くない印象もあるとは思いますが、今年は4位というところで自信もついているので、しっかり勝って中大は強いぞというところを見てほしいなと思います。
-インカレに向けた意気込み
(小川)目標は優勝することで、それに向けてできることは全部やりたいし、大学生活最後なので1試合1試合悔いがないように全員で戦いたいです。
(湯谷)優勝します。
◇湯谷杏吏(ゆたにあずり)◇
平成14年7月8日生、興國高卒、ポジションーMF、ベガルタ仙台内定
◇小川嵩翔(おがわしゅうと)◇
平成14年6月10日生、ヴァンフォーレ甲府U-18出身、ポジションーMF
(取材、写真、構成:琴寄永里加、吉田弥生、琴寄由佳梨、山口周起)
第2回 DF3選手へのインタビュー記事はこちらから!
次回は、Jリーグクラブに内定した攻撃陣2選手へのインタビューをお届けします!
◆インカレ初戦情報◆
予選ラウンド
日時:12月7日14時キックオフ
会場:味の素フィールド西が丘
対戦相手:東海学園大