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全員でつかんだ勝利!1部のプライドをかけた入替戦 ー2025年度関東大学水球リーグ戦 対成蹊大

2025年6月22日 神奈川県・慶應義塾大学協生館プール

約1カ月半にわたって行われた関東学生リーグ戦もついに最終戦に。1部リーグ戦を7位で終えた中大は、1部残留をかけて入替戦に臨んだ。対するは、2部リーグで6勝1敗の好成績をおさめた成蹊大。「絶対に負けられない」(森田晃輝主将・文4)一戦となった。一時は同点に追いつかれる場面もあったが、後半に試合の流れをつかんだ中大が1部のプライドと底力を見せつけ、見事1部残留を果たした。

▲選手のようす

第1ピリオド(以下P)、成蹊大のセンターボールで試合開始。開始2分、佐賀慶(経2)がゴール前2対1の場面で相手のペナルティファウルを誘うと、本部颯汰(文1)が鋭いバウンドシュートでペナルティスローを決め切り、先制点を奪う。さらに、佐賀が自陣ゴール前でボールを奪うとそのままドリブルで運びシュート。これは惜しくも決まらなかったが、リバウンドを拾った中大は、巧みなパスワークで成蹊大ディフェンスを崩し、最後はパスを受けた森田が落ちついてシュートを決めた。流れを引き寄せた中大は、成蹊大に1点を返された直後の攻撃で、コーナースローからチャンスを広げる。成蹊大に退水が出た隙に、佐賀からパスを受けた久保田啓友(文2)が右サイドの鋭い角度から強烈なストレートシュートを突き刺し、追加点を挙げた。GK安田康太郎(文3)の好セーブも光り、成蹊大に2得点を許すも流れを渡さず第1Pが終了。

▲前半に大活躍の佐賀

第2P、先に点を挙げたのは中大だった。中大のシュートが外れ、攻撃権が成蹊大に移った直後、森田が意表をついて直接キーパーからボールを奪い、そのままゴールポストに押し込んで得点。続いて、右サイドからの味方のパスをうけた佐賀がキーパーとの一対一を制し、リードを3点に広げる。しかし、その後ペナルティファウルや退水などディフェンス面の課題が目立ち、成蹊大に連続3得点を許してしまう。これにより試合は同点に追いつかれる展開となった。スコアが並んだことで嫌なムードがチームを包み込むが、ファウルを受けた佐賀がフリースローからそのままシュートをたたき込み、流れを引き戻しにかかる。キーパー安田も積極的にボールをセーブし相手の追加点を許さない。成蹊大のファウルによって攻撃権を得た中大は、すかさずカウンターを展開。久保田が鮮やかなシュートを決め、完全に流れを引き戻した。その後のインタビューで主将の森田は「全員が一致団結して流れを断ち切って、点差を付けることができた」と振り返る。中大が2点のリードを保ち、試合が折り返した。

▲沸き立つベンチのようす

中大の勝利を決定付けた第3P、開始早々に本部が右サイド鋭角のシュートを決め、勢いに乗る。守護神安田も好セーブを連発し隙を与えない。ゴール前でペナルティファウルをうけた佐賀が、そのままペナルティスローを決め切りさらに追加点を挙げる。成蹊大を突き放しにかかった中大は、ピリオド後半、キーパーから1投目をもらった本部がドリブルで一気に攻め込み、放った強烈なシュートがゴールネットを揺らした。このゴールで成蹊大に5点差をつけ、リードをさらに広げた中大。終盤、成蹊大に1点を返されはしたものの、4点差を維持し、良い流れで第3ピリオドを終えた。そして、試合はいよいよ最終ピリオドへと入る。

▲たくさんの好セーブでチームを救った安田

第4P、勢いにのったままの中大。左サイドからパスをもらった本部が右サイドでシュートを沈め、得点する。しかし、成蹊大も意地を見せ猛攻に転じ、一進一退の攻防が繰り広げられた。成蹊大の激しい攻撃を前に、攻めに転じれず、なかなかシュートを打たせてもらえない時間が続くが、守護神安田の好セーブがチームを救う。試合時間残り2分、成蹊大が2点得点し、点差が3点に縮まってしまうが、藤林佳聖(文3)が力強い泳ぎで前に出て華麗にゴール。苦しい流れからの得点に、ベンチも沸き立った。残り50秒、飯島颯大(文2)がディフェンスに激しく当たられながらも豪快なバウンドシュートを決め、勝利を確信した中大。成蹊大が意地の1点を返すも直後に試合終了のブザーが響く。最終スコアは13ー9。中大が成蹊大に4点の差をつけて勝利をおさめ、1部の座を守り切った。

▲得点を挙げ、ガッツポーズをする藤林

MVP には、本試合4得点を挙げた本部が選出。ルーキーながらその存在感を強く印象付けた。

▲4得点を挙げ、MVPにも選出された本部

本試合をもって、関東大学水球リーグ戦が終了した。試合後のインタビューで「リーグ全体勝てるところを落としている」(佐賀)、「ディフェンスの形が良くなく、失点してしまった」(安田)という反省点が挙げられた一方で、リーグ戦を通して、「勝つことだけを意識した」(本部)という若いルーキーたちの活躍や、安定したオフェンス力、明るく前向きなチームの雰囲気は今後の水球部のさらなる躍進を期待させる内容だった。

今後の公式戦や大会でも彼らの成長と活躍に注目していきたい。

▲試合後、カメラに向かってポーズを決めてくれた選手たち

◆試合結果◆
〇中大13 (3ー2、4ー3、3ー1、3ー3)9 成蹊大●

 

(記事:沼澤春日、写真:福田菜緒、大畠栞里、手代木幸

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