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【独占インタビュー】丸亀ハーフ・手話実況で話題!ろう実況者、早瀬憲太郎氏が描く「新しい価値」

取材後の感想

湊谷昂太郎(法3)

早瀬さんへの取材をさせていただく前、私自身、聴覚障がいを持つ方と初めてお会いする機会ということもあり緊張していました。しかし、いざお話を聞くとなると自然と目を見てコミュニケーションを取ることができました。それほど早瀬さんの手話を含めた身ぶり手ぶり、表情や目線から感情を読み取ることができました。相手に伝えるということに対してとても熱意のある方だという強い印象が残っています。
今回の取材を通して最も感銘を受けた点は早瀬さんのプロ意識です。数ヶ月前から始まる準備、出走する選手のデータを覚え、実際のコースを走り、その沿道の様子も細かくチェックする。一人のプロのスポーツ実況者として、聞こえるかどうか、手話を理解できるかどうかを超えてスポーツを伝えることに覚悟を持って臨むそのプロ意識に驚かされました。それと同時に私自身も学生スポーツ記者として誠実な態度で取材・制作活動に臨みたいと改めて考えるようになりました。
手話実況について学べたこと、バリアフリーを前提とした様々な制度設計の重要性について考えられたことは私にとってとても貴重な経験です。今回、インタビューをお受けいただき本当にありがとうございました。今後のご活躍もお祈りしております。

塚越香都(文3)

手話は耳が聞こえない方のためだけのものではないということが、印象的でした。私は手話に興味があり、独学で勉強をしていました。しかし、それはあくまでも耳が聞こえない方が使っているコミュニケーションを学びたいという好奇心から。早瀨さんの手話を実際に拝見させて驚いたのは、実際に手話がわからなくても伝わってくることでした。声を発している訳では無いですが、表情と手話が言葉を紡いで、その言葉の感情が伝わって来るような気がしました。単に声で発した言葉で伝達するよりも手話の方が感情が伝わりやすいのではないかと思いました。非常に素敵なコミュニケーションだと感じました。手話でしか知ることが出来ない情報もあることを知り、耳が聞こえる人にとっては音と手話と映像全てでさまざまな情報を獲得でき、新たな楽しみ方の発見に繋がりました。また早瀨さんのお話を聞いている中で、耳が聞こえないということは、障がいというよりもひとつのアイデンティティだと思わされました。今回、自分の固定観念を広げ、新たな見方を学ぶことができました。これからは自分の表現の可能性を広げるための、ひとつの言語として身に付けられるよう学問を進め、耳が聞こえる人としての手話との関わり方をもさくしていきたいです。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

小林想(経3)

これまで、例えばチャリティー番組で障がい者の方が努力している姿を「頑張っているな」と思って見ていた。無論、手話実況を見る前にも同じ感情を抱いていた。
しかし、早瀬さんの実況を一度見るとその考え方は一瞬にして崩れ去った。「手話」という言語で、レース風景が伝わってくるのだ。字幕実況ではない、第3の選択肢を作り新たな試みを行った岡山放送と早瀬氏にはただただ驚かされた。
お話しする前には、通訳さんが手話を通訳するわけだから、そちらの方向を見てしまいがちにならないようにせねばと思っていた。私は早瀬さんの真横に座ってお話を聞かせていただいたが、表情や身振り手振りで、色々伝わってくるものがあった。彼の目を見て話を聞くことができたのだ。これが実況にも生かされているのだと感じた。
また一番印象に残ったのは、早瀬さんのプロ意識である。数ヶ月前から準備を始めて、本番に挑む。本物の実況者である。この姿勢は我々記者にも通じるし、見習わなければならない。
1時間以上にわたり貴重な話を聞かせてくれた、早瀬氏に感謝したい。

小林陽登(法2)

手話実況をするにあたって、バリアフリー化のみならずユニバーサル化までを目指しているというお話に感銘を受けました。音声言語と手話言語とではそれぞれが違った特性を持っています。そのため、健聴者であっても手話を用いた情報伝達を行うことが効果的な場面もあるでしょう。また、多くの健聴者が情報伝達の手段として手話を想起するようになればバリアフリー化も促進されていくでしょう。しかし、現状は話者が選択肢を想起するまでもなく音声による情報伝達が選択されることがほとんどです。情報伝達のプロである早瀬さんが全国に届けたユニバーサルデザインとしての手話実況は、そんな現状を打破する起爆剤になりうると思いました。

松岡明希(法3)

「取材の依頼をもらえてうれしかった」という言葉を言っていただき、私も非常にうれしかったです。そもそもは中大アスリートの活躍を広報することが目的で丸亀ハーフマラソンの大会について調べていた時に、早瀬さんの存在を知ることができました。そこから、早瀬さんがどのような思いを持って手話実況を始められたのだろうと関心がわき、思い切ってメールをしてみました。すると篠田アナから連絡があり、この取材を実現することができました。本当にありがとうございました。
手話というものが1つの言語として考えられていることが新たな発見でした。どうしても、スタート地点が我々が話している言葉、それを翻訳したものが手話であるという感覚を持ち合わせていました。しかし、スタート地点が手話であり、今目の前で起きている状況を多くの人にシェアをしていくんだという早瀬さん、篠田アナの確固たる思いに感銘を受けました。このような思いがあったからこそ、耳が聞こえない方以外にも思いが伝わる「新しい価値」へとなっていったのだと思います。また、早瀬さんはプロのアナウンサーなのであって、たまたま耳が聞こえないだけという篠田アナが言われたことも印象に残りました。早瀬さんは選手の事前資料として200枚ほどのパワーポイントを作成することもあったそうです。プロフェッショナルとしての早瀬さんの準備に驚きました。「中大スポーツ」新聞部ですから、情報を届けるために、私たちはどのような価値をつけることができるのか、これからも考えていきたいと思います。
今回はありがとうございました。また、手話通訳をスムーズにやっていただき、いろいろなお話を聞くことができました。ありがとうございました。今回の企画のように、中大スポーツから始まる、様々な社会で起きている出来事についても、「失敗を畏れて、挑戦し続ける」姿勢で取材していきたいと思います。

▲早瀬さん(左から4番目)、篠田アナ(左から3番目)、手話通訳の方、学員体育会の皆さま ご協力ありがとうございました

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