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全日本駅伝展望 藤原監督「そろそろ優勝を見据えていきたい」ー第54回全日本大学駅伝対校選手権大会

三大駅伝2戦目、第54回全日本大学駅伝が11月6日に幕を開ける。愛知県・熱田神宮から、三重県・伊勢神宮まで、8区間106.8キロに及ぶレースに27校が出場。昨年9年ぶりに出場した中大は8位で本大会のシード権を獲得。また、先月行われた出雲駅伝でも見事3位入賞を果たすなど着実に戦力をつけ、結果を残してきている中、チームは「優勝」も虎視眈々(たんたん)と狙っている。

11月4日に区間エントリーが発表され、千守倫央(商4)、吉居駿恭(法1)、阿部陽樹(文2)ら出雲出走メンバーが順当にエントリーする中、エースの吉居大和(法3)や中野翔太(法3)が補員メンバーに回り、当日何区に起用されるか、非常に注目の集まるメンバーエントリーとなった。なお、当日変更は3名まで認められている。(記事:小幡千尋)

4年生、集大成の走り見せるか

今回4年生3人が出走メンバーに登録された。特に注目なのは1区エントリーの千守だ。昨年は箱根メンバーからも外れスランプが続いていたが、今季は復調を遂げている。出雲駅伝でも区間新のタイムを叩き出し、2区3位と好走を見せた。全日本での目標は「出雲で取れなかった区間賞を取ること」と語る千守がスタータ―を務める。また、4区に中澤雄大(経4)、5区に主将の若林陽大(法4)がエントリー。中澤は前回大会、エース区間の7区を任され、区間8位と力走をみせた。また、今年の箱根駅伝でも8区3位という好成績を残した。比較的長い距離を得意とする中澤が、今年は4区エントリーとなった。

▲出雲で区間3位を獲得した千守

二大エースの起用は

7月に1万mで 28分00秒86の中大記録を樹立し、10月1日に行われたグランプリシリーズ新潟大会でも5000mで13分39秒94のPBを更新するなど、今季最も勢いに乗る選手の1人である中野は補員登録となった。出雲駅伝では駒大の田澤や青学大の近藤など、エース級がそろい激戦区とされた3区を力走。区間順位は7位だったが、順位をキープしたまま襷(たすき)をつなぎ、安定感のある走りをみせた。夏合宿での取材時には三大駅伝について、「しっかり区間賞を取ってチームに勢いがつけられるような走りを見せたい」と意気込みを語った。当日変更で出走する可能性が高く、中野の区間や走りにも注目が集まりそうだ。また、箱根駅伝で15年ぶりの1区区間新、出雲駅伝でも区間賞を獲得したチームの絶対的エース、吉居大の出走区間も気になるところだ。

▲出雲3区出走の中野

下級生も実力選手そろう

3区にエントリーしたのは吉居駿。全日本インカレ5000m4位入賞、グランプリシリーズ新潟大会では13分40秒26のPBを更新するなど1年目から成績を残しており、早くもチームにとって重要な存在だ。出雲での大学駅伝デビューは、1年生ながら最長区間の6区を任され見事な走りをみせたが、吉居自身は「粘り切れず、残念なレースになってしまった」とレース後、悔しさをにじませていた。全日本では、出雲の悔しさを払拭する走りができるか、期待が高まる。

その他、関東インカレハーフマラソンで3位表彰台を果たした山平怜生(法2)が2区、春の怪我を乗り越え、復調の兆しをみせる東海林宏一(経2)が6区と、実力のある下級生が続々とエントリーされた。

▲出雲でゴールテープを切る吉居駿

出雲では9年ぶりの出場ながら「3位以内」という目標を見事達成した中大。充実した夏合宿を経て、藤原正和監督の下で選手たちは着実に実力をつけ、その結果、夏あけにPBを更新した選手も多くいる。藤原監督は出雲駅伝後、「全日本は昨年経験しており勢力的にも十分戦えると思うので、勝ちにこだわりたい」と意気込んだ。充実した選手層で挑む全日本駅伝。この1年で優勝を狙えるチームへと変化を遂げた中大の走りに注目だ。