2023年9月 山梨県・西湖
▲西湖合宿のようす
今年「三大駅伝三冠」の目標を掲げる中大。そこで目標達成のためにはチーム全体の底上げが必要不可欠。まさに中間層の走りが大躍進へのカギとなる。西湖で夏合宿を行った中間層と言われる選手たちはどのような思いを抱え駅伝シーズンへ向かうのか。
第１回は柴田大地（文１）と白川陽大（文２）。（取材は９月３日に行いました。）
柴田大地 フレッシュさで駅伝デビューへ
▲西湖合宿での柴田
今の仕上がりや調子について「絶賛大不調です」と苦笑いで振り返った柴田。今日までの夏合宿については「最初はユタ合宿というところで距離を踏む練習をすることができたんですけど、帰ってきてからあまり上手く噛み合っていないかなという感じ」とアメリカでの練習の疲れが取り切れていない様子だった。一方で夏の合宿で成長出来た点については「高校から大学とステージが上がって、走る距離が増えるにつれて距離に対する不安は徐々に取り除かれている気がします。その一方でいい時はいいんですが、状態が悪いと大きく崩れてしまうので安定感が今の課題です」と調子が上がりきらない中でも実りのある練習に取り組んでいた。三大駅伝に向けては「これまで三冠をされてきた駒澤大学さんなどの大学では、選手層の厚さというものが重要になってくると思うので、しっかり走って自分も貢献していきたいです」と１年生から駅伝メンバーに絡むという気合い十分だった。大学で様々な経験を重ね続ける柴田、そのフレッシュさがチームの背中を押していく。
白川陽大 去年の悔しさ糧に
▲７月に行われた中大記録会での白川（中央）
「練習を引っ張っていけるような存在で駅伝シーズンへ」と力を込めて話す白川。着実に力を伸ばし、駅伝での出走を虎視眈々（こしたんたん）と狙う。上半期については「２月の丸亀ハーフでそこそこの結果を出せて、そこから少し体調が優れなかったが、関東インカレがきっかけとなってうまく練習を積めた」と振り返る。今年７月の関東学生夏季網走記録挑戦競技会では28分55秒で28分切り。しかしこのレースの想定タイムは「28分40前後」だったという。「微妙な記録で想定よりも全然走れなかった。もっといけてよかった練習を積めていたのに」と本人は悔しさをにじませた。
前回の箱根ではエントリーはあったものの出走はかなわなかった。「悔しいというよりも来年に向けてやらないといけないなというのが大きかった」と当時の気持ちを語る。大学に入学してから最も印象的なレースは箱根メンバーの選考であった「MARCH対抗戦」。「練習を積めていた状態で２週間前の世田谷ハーフもよかったので、自信を持って臨んだが大崩れしてしまった」。箱根出走への厳しさを味わったが「うまくレースできなかったのが悔しさとなって今年来れているので、あの時一発で沈んだのは自分の中で大きい」と白川の向上心を突き動かすレースとなった。
自身の強みは「中間で浮き沈みがずっとないところ」。三大駅伝に向けては「去年の４年生の穴を埋められるような努力はしています。その４年生の力に劣らないくらいにはできているのかな」。白川の真摯に陸上と向き合う姿勢は、間違いなく「三冠」への後押しとなるだろう。
（取材、記事：松本あゆみ、山﨑響）
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