2024年5月9日~5月12日 東京・国立競技場
大会最終日である12日は男子1部ハーフマラソンから始まり、各種目の準決勝、決勝が行われ大きな盛り上がりを見せた。中大からは男子1部3000m障害で柴田大地(文2)、男子1部200mでエケジュニア瑠音(法2)がともに準優勝、男子1部ハーフマラソンで白川陽大(文3)が3位に輝いたほか、多くの選手が入賞を果たすなど活躍を見せた。
ハーフマラソンでは中大から佐野拓実(経4)、白川、本間颯(経2)が出場し白川が全体の3位、日本人2位でフィニッシュ。2年前の山平怜生(法4)、昨年の湯浅仁(中央大学クラブ)に続き同種目3年連続での中大生の表彰台登壇を達成した。3月の日本学生ハーフマラソンで13km、15kmでの勝負に反応できなかった反省を踏まえ「ここで僕が行けば絞れるなと思って勇気をもって出た」と今回は15km地点で自分から勝負を仕掛けた。その後ともに2位争いを繰り広げていた梅崎(東洋大)に離され3位でゴールしたが、レース後「優勝を狙ったうえでの3位。最低限の結果で終えられた」と今回の結果への手応えを口にし、藤原監督からも「エース格になった。表彰台は取って当たり前だったなと思っている」と高い評価を受けた。また、佐野は21位、本間は39位に留まり「前半からきつくなってしまってずるずるいってしまった」(佐野)、「記録会とかでは狙った記録を出せるのですが、選手権とかになると自分の力をうまく出せないところが課題」(本間)とそれぞれ悔しさを口にした。
▲表彰式で笑顔を見せる白川
男子1部200m準決勝には松嶋飛希(法3)、エケ、植松康太(総1)が前日の予選を突破し登場。エケ、植松が第1組でワンツーフィニッシュし決勝に駒を進めると、続く第2組では松嶋が5位に入りタイム差で決勝に進んだ。3人全員で挑んだ決勝ではエケが力強い走りを見せ準優勝を果たし、10日に行われた男子1部4×100mリレーに次ぐ銀メダルを獲得した。他の選手が前半からスピードを上げている中でそれに惑わされず、事前のレースプラン通り「後半から追い上げる」ことができたと語るエケ。鵜澤(筑波大)との差は実感させられたものの「早くこの背中に追いつきたいという向上心にもつながった」と6月末の日本選手権、そして9月下旬の日本インカレでの巻き返しを誓った。また、植松、松嶋はそれぞれ7位、8位入賞を果たした。
▲銀メダルを掲げるエケ
男子1部3000m障害決勝に進出した柴田は、8.42.90で自己ベストを10秒以上更新し初めての関東インカレで2位に輝くという快進撃を見せた。序盤から先頭集団でレースを引っ張り「ラスト一周で同じ集団にいる人全員には勝とうと思っていた」とラストスパートで2位集団から抜け出し見事準優勝を勝ち取った。故障があり十分に練習を積み上げることができなかった状況の中、藤原監督から「何とか形にしてくれたのはさすが勝負強い」と高評価を得た柴田は「5000m、10000mでも結果を残していくことが駅伝シーズンで勝負するには必要になってくると思うし、一つ一つのレースにこだわってやっていきたい」と今後のさらなる活躍に向け目標を語った。
▲2位でフィニッシュした柴田
男子1部三段跳決勝では常泉光佑(文3)、工藤匠真(法1)が中大から出場し、工藤が15m30で全体の7位に入賞した。1回目、2回目で14m78、14m92と距離を延ばすと、迎えた3回目で15m30を出し、初の関東インカレで自己ベストを更新した。常泉は13m90で21位に入り「1試合毎に目的をもって挑めたので、感覚も自己ベストに近いものをつかめていた」と状態が良い中で9月に行われる全日本インカレを見据え「自己ベストを出せるよう練習に励んで」いくことを誓った。
▲自己ベストを更新し躍動した工藤
男子1部5000m決勝には中大から佐藤蓮(法2)、岡田開成(法1)、並川颯大(法1)が出場。岡田が13.53.32の好タイムで6位に入賞し大健闘を見せた。「万全の状態で臨めた」という岡田はレース序盤から同学年である松井(東洋大)と共にレースを引っ張り、前半2000mあたりで2位集団が形成されてからも冷静にレースを進め、事前のレースプラン通り残り4周で勝負を仕掛けると、ラストスパートで粘りきり6位でフィニッシュした。「良かったのは自分から仕掛けられたことと最低限入賞できたこと」と手応えを得た一方で、「もう少し賢いレース展開ができたのかなというところとラストスパートは悪かった」と課題を語った。また、並川は20位、佐藤は31位に入り「(スローペースという)自分の苦手意識というのが最初からついてて積極的に行けなかった」(並川)、「切り替えのところでみんなについていけなくて、思うように走れなくて悔しかった」(佐藤)とそれぞれ初の関東インカレでの課題と収穫を見つけた。
▲初の関東インカレで大健闘した岡田
4日間にわたる今大会を締めくくった男子1部4×400mリレー決勝では、会場がこの日一番の盛り上がるを見せる中、第1走に稲川慧亮(法4)、第2走に植松、第3走に西山雄志(法3)、第4走にエケが登場。果敢に前を狙う走りで激しい争いを繰り広げるも一歩及ばず7位入賞という結果となったが、各学年一人ずつメンバー入りし、上級生と下級生の力がかみ合ったレースだった。全員が持てる走力を発揮した姿は今後の躍進を予感させるものだった。
▲バトンをつなぐ植松、西山
4日間に渡り国立競技場で行われた第103回関東学生陸上競技対抗選手権大会は、男子1部総合得点54点で7位に入り、そのうちトラック競技で3位、フィールド競技で12位という結果で幕を閉じた。短距離、長距離ともに”C”を胸に戦い抜いた姿は今後の活躍を期待させるには十分すぎるものだった。学年、種目に関わらず中大陸上部全員で挑んだ今大会。今後は日本選手権、ホクレン、日本インカレなどそれぞれの目標に照準を合わせ新たなスタートを切る。
◆試合結果◆
男子1部ハーフマラソン 決勝
③白川陽大(文3)1.03.41
㉑佐野拓実(経4)1.06.15
㊴本間颯(経2)1.09.18
男子1部200m 準決勝
1組
①エケジュニア瑠音(法2)20.98
②植松康太(総1)21.03
2組
⑤松嶋飛希(法3)21.20
男子1部3000m障害 決勝
②柴田大地(文2)8.42.90
男子1部三段跳 決勝
⑦工藤匠真(法1)15m30
㉑常泉光佑(文3)13m90
男子1部200m 決勝
②エケジュニア瑠音(法2)21.03
⑦植松康太(総1)21.41
⑧松嶋飛希(法3)21.47
男子1部5000m 決勝
⑥岡田開成(法1)13.53.32
⑳並川颯大(法1)14.11.04
㉛佐藤蓮(法2)14.20.96
男子1部4×400mリレー 決勝
⑦中大 3.09.74
稲川慧亮(法4)
植松康太(総1)
西山雄志(法3)
エケジュニア瑠音(法2)
(記事:琴寄由佳梨 写真:二村沙羅、遠藤潤、琴寄由佳梨、斎藤さくら、藤本佳野)
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