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中大予想外12位、シード権を逃すー第56回全日本大学駅伝対校選手権大会

2024年11月3日 愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮

中大にとっては今シーズン初めての駅伝が開幕。約2週間前の箱根駅伝予選会を回避した選手の好走、そして予選会出走選手の復調具合が注目されていたが、チーム全体として終始苦しい走りとなった。チームは12位。4年連続のシード権とはならなかった。

(記事:二村沙羅 写真:片岡芹菜、遠藤潤、功刀萌恵、琴寄由佳梨、日向野芯、日原優、藤本佳野、山﨑響、要明里沙、大畠栞里、酒井奏斗、土屋日向、村野風珈)


◆大会結果◆
①国学大  5時間09分56秒
②駒大   5時間10分24秒
③青学大  5時間10分41秒
⑫中大  5時間19分49秒

1区 9.5km 溜池一太(文3)28分31秒 区間19位
2区 11.1km 岡田開成(法1)31分53秒 区間6位
3区 11.9km 本間 颯(経2)34分31秒 区間6位
4区 11.8km 浦田優斗(経4)35分03秒 区間13位
5区 12.4km 東海林宏一(経4)37分10秒 区間9位
6区 12.8km 佐藤大介(文1)38分11秒 区間7位
7区 17.6km 吉居駿恭(法3)53分22秒 区間14位
8区 19.7km 阿部陽樹(文4)1時間1分08秒 区間18位

1区はスローペースで展開。大集団のまま終盤へいきスパート合戦となった。9月後半に故障をした溜池が走り始めたのは約1週間前。「(本来ならば)自分が1区で一番強いのは分かっていた。自分が前にいることで集団がけん制してくれるかなと思った」とトップと秒差で2区に渡すために、状況を冷静に判断し前方でレースを進めた。最後は力尽きたが、トップとの秒差は13秒に収め2区につないだ。

19位で襷(たすき)を受け取った2区、1年生岡田。箱根駅伝予選会を部内2位で走破していたが全日本でも強さを見せ、一時は先頭集団にも追いついた。終盤は苦しい走りとなったが、12人を抜き7位まで順位を押し上げた。「最初から突っ込みすぎた。けれど自分はあれしかできない。後悔はないが、もっと後半粘れたらよかった」とレースを振り返った。

7位で受けた襷を3区本間は「練習はできていた」といい、一時4位争いまで順位を押し上げる。追いついた国学大の辻原としばらく並走をしたが、後半は大幅に引き離されてしまった。城西大のキムタイにもかわされたが、終始粘りの走り。区間6位の走りで6位で4区浦田へ。

▲「チーム全員が変えていかなければいけないところがある」と本間

4区、浦田のレースプランは「前半からある程度突っ込んで一度ペースを落ち着かせてからもう一度切り替える」であった。しかしながら「2、3㌔の段階できつくなってしまった。9㌔くらいからは持ち直すことはできたが、全体としてはかなり良くない走りになってしまった」と話すように、順位を2つ下げ、8位で同級生東海林へ襷を渡した。

5区、4年生東海林は初めての出走。過去にはエントリーされるも当日変更などを経験し3度目の正直で出場をかなえた。「僕にとってはいろいろな思いがある大会だった。楽しみにしていたし頑張ろうと思っていた」と意気込み、襷を肩にかけた。「つなぎの区間で自分のペースで押していって、最終的に前を詰めるような走り」を目標に走り始めたが、1つ前、7位を走る早大・山口のペースが速かった。「余力を持って5㌔を入ったつもりが、思った以上に速くなってしまった。しかし、全く早稲田の山口くんと詰まらなかった」と動揺がその後の走りにも影響した。区間9位で8位のまま6区佐藤大へ。

▲東海林「もう一度頑張りたい」

6区佐藤大は大学駅伝デビュー。「(吉居)駿恭さんに良い位置で渡せるように、そして1年生らしくがむしゃらに走ろうと思った」と語ったように、力のある走りを見せた。「駅伝は難しいと感じた」と話すも最後もキレのあるラストスパート。8位と順位を維持し、7区吉居へ襷をつないだ。

篠原倖太郎(駒大)、平林清澄(国学大)、太田蒼生(青学大)と各大学のエースがそろった7区。吉居は、序盤は帝京大との7位争い。徐々に日体大、立大が加わり4人集団でシード権争いを繰り広げたが、その中で最初に脱落したのが吉居だった。「すごく悪かったレースになってしまった」と一言、振り返った。区間14位、順位を11位へ落とし、最終8区阿部へ望みを託した。

▲「箱根では絶対にしっかりチームに貢献する」と吉居

3年連続8区出走となった阿部。「なんとしてもシード権をっていうところで前を追いかけたが、中盤苦しい走りになってしまった」と話すようにペースは上がらなかった。個人区間18位、チームは12位でフィニッシュした。

▲フィニッシュテープを切る阿部

悔しい結果となった全日本大学駅伝。

藤原正和駅伝監督は次のように試合を振り返った。

「チームとして良くなかったところは、全日本専用に作ってきた子が軒並み走れなかったことが一番の大きな課題かなと。どうしてそのようなことになってしまったか、というところは、これから選手たちとやりとりをしてしっかりと原因を探らないといけない。(予選会組と)二手に分かれ、しっかりと予選会を乗り越えてきた中でこのような結果になってしまって非常に悔しい」。

箱根駅伝に向けて「立て直さないといけない。箱根駅伝では何がなんでも結果を出さないといけない」と誓った。

チームには選手たちが自力でつかんだ箱根駅伝の切符がある。箱根駅伝まで約2ヶ月。見つめるべきは、一点、箱根駅伝だけ。惑わされることなく、信じる道を突き進んでほしい。