2021年3月14日 東京・警視庁交通安全教育センター
春らしい暖かさが東京に桜の開花を知らせたこの日。世田谷区の警視庁交通安全教育センターでは、自動車の運転技術を競い合う熱い戦いが繰り広げられた。
昨年は新型コロナウイルスの蔓延で中止となった全関東学生自動車運転競技選手権大会(全関東フィギュア)。今回は大学別に入場時間を指定するなどの感染症対策を講じ、無観客での開催となった。
「フィギュア」競技ではスピードを競う「ジムカーナ」や「ダートトライアル」とは異なり、自動車教習所のクランクやS字をさらに狭く区画したようなコースで、運転操作の技術を競い合う。今大会が新体制発足後初めての公式戦となる中大は、男子小型乗用の部に岡安優晋(法3)と山口翔太郎(法3)、男子小型貨物の部に高橋凜太郎(商3)と尾形莉欧(国経1)、女子小型貨物の部に上村静香(文3)がエントリー。終わってみれば男子団体3位、個人では上村が優勝と上々の滑り出し。全関東制覇に向け、初めの一歩を大きく踏み出した。
▲今回出場した選手たち
女子小型貨物の部では上村が見事に優勝を果たした。昨年の全日本フィギュアではタイムオーバーで失格。苦節を経て、今大会に向けて動きの速さを意識した練習を積んできた。「今回は絶対帰ってくるぞという気持ちで一つ一つの動きを速くできるように意識しました」(上村)。ペナルティを悔やむも、それ以外は練習通り進められたと自信を持っての優勝。大学ラストイヤーの目標は「部として全日本優勝。個人としても表彰台に上りたい」。早速表彰台のトップに上った上村は全日本の舞台でも活躍してくれるに違いない。
▲ミラーで後方確認する上村
男子小型乗用の部では岡安と山口が出場。岡安は公式戦初出場となった昨年の全日本フィギュアではタイムオーバーで失格となったが、今回はしっかりと4位にまとめた。山口の結果は2位。「個人というよりは全体として総合杯という目標があって、このまま総合杯を目指して頑張っていきたい」と話すように、着実に結果を残しチームに貢献した。
▲小型乗用の部に出場した岡安
男子小型貨物の部は高橋と尾形。高橋は昨年の全日本フィギュアに引き続きの出場であったが、5位という結果にあえいだ。尾形は国際経営学部の1年生。コロナ禍で入部し、様々な制約がある中で初の公式戦となった。「例年よりもおそらく練習ができていないと思いますが、その中でも練習した成果を自分は出すことができたと思います」と前向きに捉えた。本番は練習通りにいかないということを身をもって知れたと言い、今シーズンは「練習通りのことを本番でできるようにする」ことを目標に掲げた。「経験したことで成長することができた気がして楽しかったです」(尾形)。今シーズンの活躍に注目したい。
▲公式戦初出場となった尾形
新体制として初めての公式戦となったが、主務を務める上村は「時間に若干ルーズであったり、ちょっと空気が緩んでいると思う。4月からは怒るべきところは怒ったり、もう少し厳しい雰囲気にしたい」と気を引き締める。フィギュアを終え5月、6月とタイムトライアルが始まる。今シーズンの中大自動車部が走り出した。
◆大会結果◆
男子団体の部
①慶大②早大❸中大
男子小型乗用の部A ④岡安
男子小型乗用の部B ②山口
男子小型貨物の部A ⑤高橋
男子小型貨物の部B ③尾形
女子小型貨物の部 ①上村
◆お知らせ◆
今後の全関東選手権大会の日程は以下の通りです
5月16日(日)全関東学生自動車ジムカーナ選手権大会(静岡・富士スピ-ドウェイ)
6月27日(日)全関東学生自動車ダートトライアル選手権大会(栃木・つくるまサーキット)
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部