9月20日 茨城県・開智望小学校体育館
前日に昨季のインカレ王者・筑波大に勝利し、勢いに乗って迎えた日大との一戦。「気を抜いていた選手は一人もいなかったけど、気持ち的に昨日勝って安心していた部分が前半少し悪い方向に出てしまった」と安永翔主将(法4)が話すように、前半こそなかなか点差を広げられない展開が続いたが、後半はディフェンスからの速攻を中心にミスなく着実に得点を積み重ね、最終的には8点の差をつけて快勝。昨日の流れそのまま、連勝でブロックリーグの前半を折り返した。
▲高い決定率で5得点を稼ぎ出した岩﨑
前半は日大のボールからスタート。先制点こそ許したものの、中大は安永主将がすぐさまゴールネットを揺らし、攻撃の口火を切る。今日の中大は前半8分までに司令塔の安永主将のパスを起点として部井久アダム勇樹(法3)、蔦谷大雅(法2)、岩﨑滉大(文4)、中村翼(法3)がそれぞれ得点を挙げるなど多彩な攻めを見せ、快調な滑り出し。しかしこの試合は、「日大の攻撃にディフェンスのシステムがなかなか噛み合わなかった」(実方監督)というように、前半は互いに取っては取られてを繰り返して連続得点を挙げることができず、一進一退の攻防を繰り広げる。なかなか点差を広げることができないもどかしい展開が続く前半だったが、特に攻撃陣で光ったのは岩﨑のサイドシュートだった。同点・一点差と緊張感のあるシュートシーンも「今日は調子も良かったですし、落ち着いて気持ちをこめていきました」とキーパーとの駆け引きを制し、安定感あるプレーで前半に3得点を挙げた。前半終盤も日大は粘りを見せ、25分から27分にかけては連続得点で同点に迫るが、中大もそれ以上は許さず。13-12の1点リードで前半を終えた。
▲前日に続いて最多得点を挙げた中村翼。得点王争いに名乗りを上げる
僅差で折り返し迎えた勝負の後半。開始早々5分には日大攻撃陣が連続得点を挙げて逆転許したが、ここから中大に火が付いた。「選手たち自らで話してしっかり修正できていた」(実方監督)という、前日の勝利のポイントとなったディフェンスで徐々に流れを引き戻すと、前半はミスもあった速攻を中心に7分から11分にかけて怒涛の5連続得点。ここで一気に点差を4点に広げた。さらに、サウスポーエース中村翼を中心に、15分から19分にかけても4連続得点を挙げて完全にペースをつかんだ中大。25分には西山仁(文4)がリーグ戦初得点。「一般生として入ってきて、4年間頑張ってきたのでうれしかった」(実方監督)とこの日一番の盛り上がりを見せたベンチと応援席へ、西山も渾身のガッツポーズで応えた。後半の中盤に2度の連続得点で挙げたリードをそのまま守り切った中大は、最終的に8点の差をつけて29-21で勝利。後半の失点は一桁と、ディフェンスで見事な修正力も見せた。
▲安永主将と同じセンターのポジションで的確なボールさばきを見せた中村仁宜(文3)。ゴール前に切り込み、自ら得点も挙げた
連勝でブロックリーグ単独1位となり、頭一つ抜け出した中大。「1位・2位決定戦で勝つことしか考えていない」と前を見据えつつも、安永主将は「ブロックリーグはあと2戦ある。前だけを見過ぎて足もとをすくわれないように」気を引き締めた。
試合終盤はベンチ入りメンバーもフルに使って層の厚さも十分に見せた中大。選手たちが口を揃えて今年の強みと語る、「誰が試合に出てもクオリティが変わらない層の厚さ」を見せる場面はこれからも多そうだ。
▲4年生最後のリーグ戦で公式戦初得点を挙げた西山。チームも今日一番の盛り上がりを見せた
◆試合結果◆
〇中大29(13-12、16-9)21日大●
◆コメント◆
実方監督
「前半は日大の攻撃にディフェンスのシステムがなかなか噛み合わなくて上手く守れずに速攻もむすをしてしまって。でも前半の間に選手たちから『こう守ろうよ』みたいな意見も出ていて、そしたら後半ものすごくよく守れるようになった。相手の攻撃に合わせて自分たちのディフェンスシステムを変えれたってのはすごいし、そこから速攻もどんどん決まるようになった。選手たちが自分たちの意見でしっかり修正かけられたし、すごいいいチームだなと思います。みんな活躍してたし、トータルで見たらいい試合ができたと思います」
安永主将
「相性もありますけど、昨日勝って安心していた部分が前半少し悪い方向に出てしまって気がします。それでも後半はしっかり修正できたので良かったと思います。まずブロックリーグの残り2試合も勝つ気でしかいないですし、目指すところは決勝ですけど、その前に足元をすくわれないように、しっかり準備して一試合一試合出来ることをやれればと思います」
◆今年もやります!~4年生特集~◆
毎年恒例!チームを支える4年生を紹介するこの企画。第2回目の今回は、岩崎滉大選手(文4)とマネージャーの風間紫緒さん(法4)のお二人です!
〈岩﨑滉大選手編〉
▲日大戦でも大活躍の岩﨑
――ハンドボールを始めたきっかけを教えてください
岩﨑「小学5年生のときになるんですけど、4年生の時に今の実家である栃木県に引っ越して、その際に習い事とか何もやってなかったので何か始めてみようってときにちょうど地元でハンドボールチームが新しくできるって話をもらったのが出会ったきっかけですね」
――中大を選んだ理由は何ですか
「自分と同じポジションである先輩とかが中大でも活躍されてらっしゃったので、成長できるチャンスがあるのかなと思ったので選びました」
――サイドプレーヤーの醍醐味を教えてください
「キーパーとの駆け引きが面白いところですね。キーパーの動きを考えたりしながらコースを選んだりとか、キーパーをこう動かしたいなって考えながら打ったりするので、そういうのが決まるとすごくうれしいです」
――ゴール後の筋肉パフォーマンスも恒例となっている岩﨑選手ですが、筋トレを始めるようになったきっかけは何だったのでしょうか
「1年生の12月ごろに肩をけがしてしまって、練習もできなくて熱も続いたりして、すごい痩せてしまった時期があって。そういう自分を見ているのが嫌だったので、けが治ってから筋トレやろうと決意して、後輩を誘って行ったりもしました。やっていくうちに体の変化が分かると楽しくなっちゃうので、より一層筋トレに熱が入るようにもなりましたし、シュートスピードだったり体幹の面ですごく成果を感じています」
――最後にこのリーグの目標を教えてください
「インカレが無い分、リーグ戦がどんな形であっても終わったら引退になってしまうので、全部勝って、最後笑顔で終わりたいです!」」
▲岩﨑の好きな言葉は『自分に厳しく』。「中学生の頃から大事にしてることで、人以上に頑張って自分に厳しくいることで周りの人にも『頑張らないとな』って思わせられる存在でありたいと思っています」
〈風間紫緒マネージャー編〉
▲昨秋リーグ戦より(風間)
――ハンドボールのマネージャーになろうと思ったきっかけを教えてください
風間「中学生の頃からマネージャーをやってみたいって気持ちはあったんですけど、大学までできずに憧れみたいなものがあって。それで1年生の時は地方から出てきたばっかりであまり動けなかったんですけど、後悔しないためにも2年生からでも挑戦できるならしたいと思っていて。それで部活を探していた時にハンドボール部のブログを見つけて見た時に、選手の様子がすごくわかって、そこで選手に惹かれて、この選手たちのマネージャーになりたいと思ったのがきっかけです」
――マネージャーとして努力してきたことは何ですか
「他のマネージャーと違ってスポーツ経験もないし、しかも2年生から入部してはじめましてのことしかなかったので、目に見えて他のマネージャーさんよりも劣ってるってことが分かって。なのでがむしゃらに自分に出来ることを全力でやる。とにかくやってみて選手のためになりたいという思いでやっていました。その中でも自分の強みを生かして、広報活動はがんばってきたと思うし、自分もブログを見て入部したので、自分のブログで選手の人としての魅力を知ってもらって応援してくれる人が増えたらなという気持ちでしたね」
――今年の4年生はどんな代ですか
「一見すると違う方向にそれぞれ矢印が向いているように見えるんですけど、その元をたどるとみんなが相手のことを思ってるし、みんなしっかり自分を持ってるなって感じます。私からすると、みんな1年先に部活をしていたので、同期は今の3年生って感じで、4年生は同い年だけど頼れる先輩って感じもするなあ…(笑)」
――最後にどのような思いで臨みますか
「春のリーグだったり、インカレが中止になってしまいましたけど、選手の実力を発揮できる場として秋のリーグ戦は試合方式は変わりますけど機会を作って頂けたので、最後みんな笑顔でいい思い出で大学ハンドボールを終えられたらと思いますし、みんなの雄姿を目に焼き付けたいと思います!」
▲風間の好きな言葉は『真心』。「1年間遅れて入ってきたからこそ、選手のことを思って業務一つ一つ、誰よりも丁寧に真剣に向き合ってきました。『小さいことほど丁寧に。当たり前のことほど真剣に』という言葉を大事にしてるので、そこからの『真心』です」
次戦は10月4日(日)11:00~対順大です。本リーグ戦は無観客試合のため、一般のお客様はご入場いただけませんこと、ご理解ください。男子1部リーグ戦は全試合ライブ配信されます。詳しくはこちら(http://www.asahi-net.or.jp/~zb3m-knk/2020A_live_schedule.html)をご覧ください。
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部