2021年5月14日 神宮球場
チーム 12 3 456 789 =R H E
中 大 001 001 000 =2 5 1
国学大 100 000 03× =4 3 1
[中]皆川、大栄、西舘ー古賀
[国]小川、楠茂、池内ー福永
[本]〈国〉川村(1回1点)
◆スタメン◆
1[右]中田 悠斗(経4=藤枝明誠)
2[遊]中川 拓紀(商4=宇治山田商業)
3[捕]古賀 悠斗(法4=福岡大大濠)
4[指]髙橋 隆慶(文2=明秀日立)
5[三]中前 祐也(法2=浦和学院)
6[一]北村 恵吾(商3=近江)
7[中]森下 翔太(商3=東海大相模)
8[二]石井 巧(文2=作新学院)
9[左]佐伯 和希(経2=岩国)
P 皆川 喬涼(法4=前橋育英)
優勝には勝ってプレーオフに持ち込むしかない、9勝2敗の国学大を追う中大。ここまで8試合に登板し1完封1完投と大車輪の活躍をみせる皆川が、先発のマウンドへ。
1回に首位打者のタイトルを獲得した川村(国学大)がライトスタンドに一発を放ち、先制点を許してしまう。
▲今季5勝をあげた皆川。「野手の人が点を取ってくれた」と援護した打線を称え、「東洋大戦は優勝を遠ざけてしまうピッチングだった。秋は自分が9回まで投げて優勝したい」と力を込めた
何としても逆転したい打線だが、四球やヒットなどで出塁するも得点には繋がらない。しかし3回表、中田の四球、中川の内野安打でチャンスを作り、打席には古賀主将。ライト前にしぶとく抜けるヒットを放ち、これが同点タイムリーに。同級生の皆川を援護した。
▲同点タイムリーを放つ古賀。肩の強さは勿論、3本塁打と打撃力もみせた
3回以降、皆川は四球やヒットでピンチを招く場面がありながらも粘りの投球で、スコアボードに0を並べる。6回表、4番高橋隆が死球で出塁し、中前が送りバントを決め一死二塁と得点圏にランナーを置く。北村が三振に倒れ、続く森下も打ち取られたかに思われたが、相手の失策が絡み、高橋隆がホームに。ついに中大が逆転した。
▲逆転のホームを踏む高橋隆。打撃を武器に存在感を放った
7回は皆川に代わり大栄陽斗(商2=仙台育英)が登板。何としてもリードを守りたかったが、8回に先頭打者に四球を与えたところから制球が定まらず、味方の失策も絡み2点を失い、逆転を許す。代わった西舘勇陽(法2=花巻東)はヒットは打たれなかったが、犠牲フライでさらに1点が追加され、点差が2に広がった。
▲犠牲フライのみの失点にとどめ、勝利への望みを繋いだ西舘。清水監督が投手起用について「西舘がいる」と多々口にし、リリーフの地位を築いた
迎えた9回表。何とか点を入れ優勝に望みを繋ぎたい打線だったが、ベストナインの池内(国学大)の前に三者凡退。この瞬間、国学大の11年ぶり2度目の優勝が決まった。
開幕6連勝で優勝への期待が高かったが、「調子の波はあると思うが、連敗してしまったところでもう少し何とかできなかったか」(清水監督)と東洋大戦の2連敗から終盤に失速。結果的に8勝4敗の2位で春のリーグ戦を終えた。
試合後、古賀主将は「悔しいの一言です」と心情を語った。目の前にあったかと思われた優勝を逃し、改めて東都1部の頂点に立つ厳しさを感じるシーズンになった。
▲ドラフト候補にもあがる皆川、古賀の4年生バッテリー。この春リーグの悔しさを全て秋にぶつける
牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)ら主力だった4年生が抜け下馬評はあまり高くなかった中大だが、3本塁打を放ち終盤には4番に座り新人賞に輝いた高橋隆。ピンチの場面での勝負強さが光った石田裕太郎(経2=静清)。初のベストナインを獲得し、誰よりも声を出しチームを鼓舞した中田。ブルペンを支え続けた大栄、西舘と新戦力が台頭。「収穫は色々あった」と古賀主将が言うように、東都1部で十二分に戦えることを証明した。
「勝てなかったら、要因がどこかにある。そこをもう一回見直してどうやったら勝てるチームになるか。春を生かして秋に望みたい」と雪辱を誓った古賀主将。秋こそは頂点を狙う。
◆試合結果◆
●中大2-4国学大○(中大8勝4敗)
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部