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〜最下位から躍進の秋、この秋をバネに更なる高みを〜17日間連続インタビュー15日目・中前祐也選手

春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。

連続インタビュー15日目は中前祐也選手(法3=浦和学院)。春は自身初となるベストナインを獲得し、飛躍のシーズンとなった中前。この秋は「試行錯誤がなかなか出来なかった」と語るように不調に苦しんだ部分もあったが、主に三塁手として全試合に出場し、チームの躍進を支えた。来季はキャプテンに就任する彼の言葉からは、早くも強い責任感や優勝への想いが感じられた。(取材、構成=志水恒太)

──秋季リーグを振り返って
春は個人的に良い成績が出せて、秋に向かっていく中でやりたい事が出来なかったので、個人の結果としては全然良いものでは無かったですけどそこはしょうがないかなって感じています。チームの成績も良かったですし、次に向かってやっていければなと思います

──やりたい事が出来なかったというのは具体的にどういった部分ですか
春が良くても秋に向けてちょっとした試行錯誤は絶対に必要だと思うんですけど、春のリーグ戦が長かった事もあってそれがなかなか出来なくて、そこが成績につながらなかった原因なので仕方が無いかなというところです

──福島、ZOZO、神宮など計4球場で試合をしましたが印象的だった球場はありますか
福島は地方開催という事でお客さんもたくさん来てくれて、向こうの方に東都の魅力を知ってもらえた面ではすごく良かったかなと思います。ZOZOも土日でお客さんは入っていて、風もあった中で面白い試合が出来ましたし、神宮はやっぱり自分たちの中のホームなので全部の球場が印象に残っています

──オープン戦ではセカンド、リーグ戦では基本的にサードでの出場でした。守備に関しては振り返っていかがでしたか
結構たくさんエラーしてしまったので、1年生の頃から自分が守って、ピッチャーも同級生が投げているので足引っ張らないように頑張りたいんですけど、今年は駄目だったのでしっかり練習したいと思います

──リーグ戦で最も手応えを感じた一打を挙げるとしたら
打球でいったら国学大戦の最終回に打ったセンターフライです。左ピッチャーのスライダーを良い形で捉えられてフェンス際まで飛ばせて、でもあれはホームランに出来る球だったと思うので少し悔しいところはあるんですけど、シンプルな打撃の感覚としては良かったと思います。場面でいったら亜細亜との1戦目、満塁で青山さんから打った右中間への二塁打が一番良かったですね

▲シーズンを通して上位打線に座り、粘り強い打撃を見せた

──対戦してみて印象に残った投手は
自分はずっと細野(東洋大)って言っているので、この秋はやらなかったですけど春は素晴らしいボールで抑えられたので、来年の春はやっちゃいけないですけど、もし秋上がってきたら熱い展開でやりたいなと思っています

──プロに進む森下(翔太=商4・東海大相模)選手、北村(恵吾=商4・近江)選手から技術面で参考にしている事はありますか
2人はアマチュアでトップクラスの打者で、普段から仲良くさせてもらっていたので練習でもたくさん教えてもらったりとか、見て学ぶ事は多くありました

──リーグ戦の序盤は5番、終盤は2番としての出場でしたが打順へのこだわりはありますか
こだわりは特に無いんですけど自分のアピールポイントは勝負強さだと思うので、そういう面ではクリーンナップの方が回ってくるのかなとは思っています。でも監督には「相手チームによって5番にしたり逆にチャンスメイクのために2番に置く事もあるから」と言われていて、ある程度信頼してもらえている中での打順だったのでそれは良かったかなと思います

──同じ3年生の投手陣がフル回転でチームを引っ張っていましたが頼もしさは感じましたか
それはもちろんです。自分たちは来年もう最上級生なので4年生全員で頑張りたいなと思います

▲適時打を放ち、塁上でガッツポーズを見せる中前

──リーグ戦を通して接戦をものにしての勝利が多くありましたがその要因については
自分たちは良いピッチャーが揃っているので、春は色々かみ合わない事も多かったですけどその穴を埋められたというところはありますし、春はあれだけ苦しい思いをしたのでそういう危機感や緊張感は秋につながったのかなと思います

──リーグ戦終盤は優勝争いの中での試合が続きましたが、気持ちの変化はありましたか
ずっと優勝目指して、一戦必勝というところを積み重ねてきた中での優勝争いだったので高揚感はありましたけど気持ちは変わらずにいました

──惜しくも優勝に届かなかった事についてはいかがですか
入学してから優勝した事も無いですし、自分が2年生の春にも優勝を逃したんですけどその時も”あと1勝”でしたし、今年もその部分で優勝を逃したり最下位になったりしているので、”あと1歩、あと1勝”ってところを来年のチームはテーマに掲げてやっているので、そこの原因はそれぞれ分かっているし、埋めていければいいかなと思います

──秋季リーグを踏まえて来季も継続していきたいと考えている部分はありますか
継続っていう事はすごい難しいので、アップデートしながら毎シーズン、毎打席新しい自分で勝負したいなと思っています

──逆に来季に向けてこの冬取り組む課題はお考えですか
キャプテンをやる上で、二遊間というのは要になるポジションでまずは自分がセカンドを守らないとというか、セカンドで周りが見れるのが一番良いのかなと思いますし、守備の面でも打撃の面でも主軸を打つべきなのが自分になってくると思いますし、チャンスで自分に回ってきた時に必ず一本打てるような、そういう風にみんなが思ってくれるような選手じゃないとキャプテンらしく無いので打撃も守備も重点的にやっていきます

▲対亜大1回戦で同点となる適時二塁打を放った中前

──今年のチームを引っ張っていた2人の4年生の姿をどのように感じていましたか
「2人でやるぞ」というのはすごく伝わってきて、それをくみ取った自分たちが下に下にという気持ちでやっていたので良い関係性が築けた中でとても頼もしかったので、そういう姿を見習って来年やっていけたらなと思います

──今年のドラフト会議で中大から2選手が指名を受けましたがプロへの想いは強まりましたか
森下さんと北村さんもそうですし、今年は自分の直々の先輩である蛭間(拓哉=埼玉西武ライオンズ1位指名)さんが1位で指名されて、身近な人がどんどんプロに行く姿を見てすごいなと思う気持ちもありますけど、それよりも羨ましさが強いので「自分は絶対プロになる」という気持ちでずっと野球をやってきているのですごい先輩たちに近づけるように頑張っていきたいなと思います

──目標にしているプロ野球選手はいらっしゃいますか
特にはいないんですけど、自分が高校2年生の時に1個上でキャプテンだったのが蛭間さんで、自分が3年生でキャプテンになって、大学に入ってからもずっと連絡を取っている仲なので一番目標にしているのは蛭間さんになるのかなと思います

──最後に来季への意気込みをお願いします
自分がキャプテンなのでそういう気持ちを持って、常に自分が一番上に立っているという自覚でまずは4年生をひとつのチームにして、その中で全員が「このチームで優勝したい」と思ってもらえるような、そんなチームを作っていければ必ず優勝出来ると思うので、その先頭に立つ者として自覚を持ってやっていければなと思います

◇中前祐也(なかまえ・ゆうや)◇
学部学科:法学部・法律学科
身長・体重:178㌢・78㌔
出身高校:浦和学院高校