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【2023秋季リーグ開幕直前インタビュー】第1回・1年生野手コンビ編

中前祐也(法4)主将のもと、「反撃」をスローガンに掲げて始動した今年の中大野球部。春季リーグは5位に終わり、苦しみながらも1部の座を守った。集大成の秋へ、開幕を目前に控えた選手たちの声を全9回に渡ってお届けする。

第1回は1年生野手コンビの伊藤櫂人(文1=大阪桐蔭)選手、安田淳平(商1=聖光学院)選手。春季リーグ戦では大事な場面にバットで起用に応えた2人。フレッシュな勢いと熱い闘志を兼ね備えた期待のホープに秋季リーグ戦の意気込みを語ってもらいました!

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<伊藤櫂人>(聞き手、構成:高橋美帆)


大学1年の春から2本塁打を放った伊藤櫂

――今の状態はいかがですか

「最悪です。バッティングとか今の自分のイメージ通りにいっていなくて、仕上げていくしかないなと」

――具体的にどういうところがイメージと違うのですか

「バッティングで今まで出来ていたことがちょっとできなくなってきていて。そこでちょっと考えることが多くなっちゃって。野球って確率のスポーツなのであんまり打てない日とかもあると思うんですけど、できないことが増えてきちゃって、バッティングで一回打てなかったら考えちゃうことが多くなって。考えているバッティングとずれてるなと」

――気持ちだけというお言葉があったと思いますが、伊藤選手はバッターボックスに入られる時にすごく多彩な表情をする印象があります。そういう部分もその気持ちっていう部分と絡めて何か意識していますか

「打席の中では自分とピッチャーだけの勝負だと思うので、自分のバッティングをできるように。暗い顔してたら自分の気持ちも上がらないですし。楽しもうとする気持ちが強いのかなと思います」

――春季リーグ戦ではホームランも出ましたが、そういう面も含めて感想をお願いします

「ホームランを2本打てたというのは正直自分でもびっくりしました。先輩方が自分のプレーがしやすい環境や雰囲気を作ってくださっているので。1 年生だから思いっきりやっていいよ、っていう声かけもしてくださったり、やりやすい状況を作ってもらっていたので思い切ってできたかなと思います」

――仲のいい先輩はどなたですか

「部屋が繁永(晟・商2=大阪桐蔭)さんと一緒で、繁永さんとも仲は良いですけど、岳飛(皆川・経2=前橋育英)さんもバッティングとかも教えてくださっているので仲いいかなと」

――どういう部分を学んだり教えてもらったりしていますか

「右と左でバッターとしては違うんですけど、岳飛さんが持っている感覚と自分の持っている感覚を照らし合わせたり、自分目線で話してくれるというか、感覚が違っても自分のバッティング見て、今のはいいとかそういうのが言ってくれたりするので、すごい参考になるなと」

――中大野球部に入って半年ほどが経ちますが、中大に来て良かったと思う部分はありますか

「大学野球って言ったら六大か東都かその2 つがトップレベルになると思うんですけど、六大は六大でカラーがあるというか。東都は入れ替え戦とかもあって、1試合1試合がすごく熱い戦いになるというのを春で感じることができたので、そういう厳しい戦いの中でできるっていう楽しさとかがあったり、先輩方もたくさん自主練をしていたり、競争できる場だなと。自分がもっと成長できる場になるのかなって思っています」

――春季リーグ戦を終えてどのように練習していますか

「少し前にチームとしてたくさんバットを振るという時間があって、そのときに自分の中で結構追い込んできました。それと今はあんまり状態が良くないので、自主練して少しでもイメージ通りに持ってこられるような練習をしないといけないなと思います」

――先ほど状態があまり良くないという話もあったと思いますが、逆に春と比べて成長したと思う部分はありますか

「経験が春一回なんですけど、入れ替え戦まで行きそうな経験をしたりして、春の大会入る前までは緊張したりとか試合感に慣れなかったりとかあったりして。やっぱ最初はがむしゃらにやっていたので、野球の技術とかも一切考えなかったんですけど、緊張とかも取れてきて、今ちょっと落ち着いて自分と向き合うぐらいの気持ちでいけているので、そこで自分の技術をなさとか感じることができてるなと」

――春季リーグ戦を経験してみて、高校野球と違うと感じる部分はありましたか

「簡単に言えば、高校野球はトーナメントで大学はリーグ戦なので、まずそこの戦い方が違うのと、自分の感覚なんですけど、やっぱ高校野球も面白いし楽しいですけど、大学で春通してやって、大学のほうが、すごい熱いし楽しいなって思います」

――オープン戦を通しての手応えや課題は何かありましたか

「バッティングと守備で分かれていると思いますけど、最近はどっちかがダメな時に両方ダメになってしまったとか。ほぼそれも気持ちなんですけど。高校時代もそうだったんですけど、そういうことが今になってまた出てきてしまって。試合になったら切り替えがすごく大事になると思いますし、気持ちの持ち方とかも大事にしないと、リーグ戦でここ一番で出してもらったときにいい結果はついてこないと思うので。その気持ちを作るのも自分次第なので。たくさん練習して自信つけて、それしかないかなと」

――バッティングが注目されることが多いと思いますが、守備をする中で気をつけていることは何かありますか

「守備と打撃で別にしても、やっぱり守備からリズムを作っていくのがチームとしても個人としても大事になるのかなと思うので。守備でもエラーしてしまったら、考えてしまうこともあるので、リズムを作るためにも1個1個のプレーとか、自分のところに飛んでこなくても、ほかの人がするプレーの中でもボール1球に入り込んでやるということを意識しています」

――チーム内でライバル視している選手はいらっしゃいますか

「今はいないかなと。やっぱり先輩と自分とのレベルの差がまだまだ全然あるなと。岳飛さんとか繁永さんとか1年生から出ている人たちはすごい力を持ってるんで。その差を埋めるようにしないとな、と。ライバルというか1年生の中では自分が一番出させてもらって、経験もさせてもらっていて。1年生からしたら自分が追われている側だと思うので、自分が1番を走って行かないといけないのかなと」

――目標にしている選手は誰かいらっしゃいますか

「皆川岳飛さんです」

―どういう部分がすごいなと感じますか

「走ることでも取って投げることでも打つことでも、全部のことで今の4年生3年生のいる中でも一番に近いのかなと見ていて感じます。自分も全然まだ追いつけないんですけど。今まだ岳飛さんとはあと3年できるのでその3年で超えるぐらいやりたいと思います」

――先ほど1年生の中では試合にたくさん出させてもらっていて、抜かれないように、というような話もあったと思いますが、チーム内でもメディアからも、伊藤選手は注目度が高いと思います。そういうことに対してプレッシャーというのはやっぱり感じますか

「今も感じるんですけど、入ってきた時はやっぱり、甲子園で少し活躍して、先輩たちに期待されていて。自分が最近ちょっと打てなかった時に、言われないんですけど、考えてしまうというか。お前ぜんぜん打たんやん、とか思われてるのかなー?っていうのを思ってしまうので、そこに勝たないとというか、そこも気にせずに自分のプレーをするのが一番なのかなと思うので。先輩らの学年でやらせてもらっているので高校のプレッシャーと大学のプレッシャーもすごく差があるくらい違うんですけど、そこをずっと気にしてしまったらいいプレーや思い切ったプレーはできないので。思い切ってプレーするためにも出させてもらっていることに感謝して、野球を楽しくやるのが一番なのかなと思います」

――チーム内で仲のいい選手は誰かいらっしゃいますか

「同級生に中川(雄斗・文1=遊学館)っているんですけど、春のリーグ戦の時からリーグ戦の試合の前日に一緒にご飯食べに行くというルーティンを作っていて、その時に本当に打てるので、仲良いのかなと」

――そういう部分でチームメイトが精神的な支えになっている部分はありますか

「自分がプレッシャーがあるっていうことを正直に話したことがあって、その時に、「気にしなくていいよ。」、「思い切って打ったらいいよ。」とか言ってくれて。そういう味方につくじゃないですけど、自分がやりやすいように、何か言われても守ってあげるぐらいの雰囲気を作ってくれてるので。すごくいい同級生に恵まれたなと」

――秋のリーグに向けてその意識している大学はありますか

「今は特にないんですけど、初戦が青学大なので。まずそこに勝てないと秋も厳しい戦いになってしまうのかなと感じるし、やっぱり大阪桐蔭のときの同級生も青学で主に出ているので。負けたくないっていう気持ちはあります」

――打席に入る時に意識していることは何かあったりしますか

「高校の時は一番だったので、1番バッターって最初に打席入る選手であって。チームの顔なのかな?って自分は感じていて。その時はチームに勢いづけるためにやろうっていうのは思って毎回打席に入ったんですけど、今はバラバラで、最近だったら1番で使ってくださるときもあったり、3番とか5番とかそういう大事なところを任されてることが多いので。1個意識しているのはやっぱり打席に立ってるのが当たり前じゃないというか、そういうメンバー入ってない方や補助してくださってる方、先輩方もいる中でなのでとにかく思い切ってやろうってのは毎回打席に立つ前に思っています」

――バッティングが注目されることが多いと思いますが、自分自身のバッティングの魅力はどんなところだと思いますか

「自分は特出したものがあんまりないので、長打を何本も打てるわけじゃないし、たくさんヒット打ったりできるわけじゃないんですけど、積極性だったり、思い切って振ったり、とか。ホームランも春に2本打ったんですけど、自分の感覚的にいいところで回ってくるっていうのは感じてて、チームがここで打ったら勢いつくだろうなっていう場面でよく回ってくるので。自分で言うのはおかしいんですけど、何というかそういうの持ってるのかなっていうか。いい時に回ってきてそういう時に1本自分は出せることが多かったので。そういうところのチャンスで1本出せるのが魅力だと思います」

――チームでの自分の役割は何だと思いますか

「自分は1年生なので。フレッシュさを大事にしないといけないのかなと思っていて。チームにとっても、中前さんたちの代で優勝したことがないので、新しい風を持ってこないといけないのかなって思っているので。アウトになっても自分がチームをどう乗せれるかというか。自分だけじゃないと思うんですけど、特に新しい風吹かすには自分が打つこともそうだし、アウトになってもいいから思い切ってやってチームに勢い付けるのが自分の役割なのかなと」

――最後になりますが秋季リーグ戦への意気込みや目標をお願いします

「チームとしては日本一になるために思い切って自分たちの持っている力を出すべきだなと思っていて、個人としては春も最後の方に何回かちゃんとスタートから出させてもらってることが多かったんで、今の状況じゃ難しいのかもしれないですけど、秋は何回か、春よりも自分を使ってくれるように、そのためにもう少ししかないですけどその期間を大事にして練習して、優勝した後に自分がいたから、自分がここで打ってくれたから勝てたとかそういうふうできるようにしたいのと、やっぱり春は青学大の渡部海が新人賞を取って、同級生がそういう賞を取っているのは刺激になっているので。サードで取るのはすごく難しいと思うので、そこに名前が入っていけるくらいになりたいなと」

◇伊藤櫂人(いとう・かいと)◇
学部学科:文学部・人文社会学科
身長・体重:178㌢・84㌔
出身高校:大阪桐蔭高校

<安田淳平>(聞き手、構成=齊藤さくら)


▲最終戦で流れを変えるホームランを放った安田

――今の状態や調子を教えてくだい。

「調子はまあ普通ですね。ちょっと前まで調子を落としていたんですけど、だんだん上がってきたのでなんとかなりそうです」

――春季リーグ戦を振り返っての感想を教えてください

「春は優勝を目指していたと思うんですけど、その中であまりうまくいかなくて勝てない日もたくさんあって。でも最後、駒大戦で3点取られた中で粘り強く戦えたっていうのは、自分の初めてのリーグ戦だったので、やっぱり強烈な東都だなっていう印象もありましたし、春が終わってからもこの秋、リーグ戦で優勝したいっていう思いはすごくあるので、その悔しさをバネに秋も頑張りたいと思います」

――上尾での最終戦、大事な局面で大学公式戦初ホームランが出ましたが、その時の気持ちを教えてください

「とにかく必死に打席立っていたので、あまり覚えていないんですけど、とにかくベンチに帰ったらみんな喜んでくれて、そこから流れもできたと思うので、(今期の中大野球部のスローガンである)「反撃」ってあるんですけど、そういう一発が出てよかったなと思います」

――リーグ戦が終わってから、今まで取り組んできたことを教えてください

「最後の方で試合に出させてもらった時も、最後ホームランを打てたのはあったんですけど、大事な場面でたくさん打席に立って、そこで結果を残しきれていなかったなっていうのはあったので。そういう勝負強さというか、本当に 1 球を無駄にしないっていう思いでバットを振って、守備もやってきたので、本当に1球にかける思いっていう、野球の技術的なところではないと思うんですけど、そういう気持ちは作ってやってこられているなと思います」

――オープン戦で手応えはありましたか

「まあ、あんまり打てていないんですけど、最近になってちょっと打てるようになってきたので。頑張りたいなと思います」

――リーグ戦やオープン戦での対戦で印象に残っているピッチャーはいらっしゃいますか

「やっぱり青学大の常廣さん。初めて自分がスタメンで出た試合だったんですけど、ストレートも速かったし、高校と全然違うなっていう印象があったので、なんとか打席立てる機会あったらリベンジしたいなと思います」

――リーグ戦を拝見していて、安田選手は初球からバットを積極的に振っている印象があります。積極性を大事にされているのですか

「していますね。そんなに野球上手くないので、とにかく自分のはつらつとした勢いで、チームにいい影響を与えられればいいなと思っているので。とにかく振っていくっていうのは一番大事にしています」

――それがご自身のアピールポイントですか

「はい」

――攻守交代の時や試合の中で熱くチームメートを応援していらっしゃる印象があります。一戦一戦にかける思いを教えてください。

「優勝するって考えたら一試合も負けられないと思うので、とにかく試合に出る出ない関係なく、いつでも元気を出すことはできると思うので、それを一番大事にやりたいなと思っています」

――巨人の浅野選手のホームランなど同級生の台頭が目立ちますが、連絡を取り合ったり、刺激をもらったりすることはありますか?

「浅野のホームランは自分もすごく嬉しかったですし、あと高校が一緒の山浅龍之介(中日ドラゴンズ)もプロでの1 軍でちょっと出ていたりとか。そういうのはすごい自分の高校のグループ LINE も盛り上がって、すごい刺激をもらっていますし、佐山ともこの前会っていろいろ近況報告して頑張っているって事だったので、ここから自分ももっともっと試合出られたらいいなと思っていますし、活躍していろいろまた話したいなと思います」

――安田選手は母校への愛がすごく強いイメージがあります。今年の甲子園でも聖光学院高校と仙台育英高校の対戦がありましたが、後輩の応援をしたり連絡を取ったりはしましたか

「しましたね。甲子園に限らず、県大会とかも連絡取り合ったりとか。最後、県大会の決勝はサヨナラ勝ちをしたんですけど、そういうのもすごく見ていましたし、キャプテンの高中とか試合に出ていたメンバーも何人かいてすごくたくましくなって戦ってくれたなってすごい、なんか嬉しくなりました」

――春季リーグ戦は伊藤選手と安田選手の起用が多かったですが、オープン戦では佐藤壱成(経1=東日本国際大昌平)選手の起用もあったと思います。中大の同級生との関係性はいかがですか

「そうですね、あんまりライバルとかって感じじゃないんですけど、櫂人(=伊藤)も壱成(=佐藤)もすごい野球うまいですし。今状態もいいと思うので、1 年生の中で誰が試合出るかわからないですけど、1 年生はとにかくさっきもあった通り、元気を出してはつらつとやるっていうのが一番大事だと思うので、そこは3人で意思統一して頑張りたいなと思います」

――3 人が引っ張っていく感じで

「そうですね」

――秋季リーグ戦、俺のここを見てくれ!というポイントをお願いします

「熱さですね。とにかくエネルギーを出して全力でやっているところを、結果はもう気にしないで、自分が熱くなってやっているところを見てもらいたいかなと思います」

――秋季リーグ戦への意気込みと個人の目標をお願いします!

「4年生とできるのはこの秋が最後ですし、このメンバーでできるのも最後なので、とにかく優勝できればもういいなと思っています。そのために自分が打つこともそうですし、ベンチで声出すこともそうですし、できることを最大限やりきって、このチームで優勝したいなと思います」

◇安田淳平(やすだ・じゅんぺい)◇
学部学科:商学部・経営学科
身長・体重:177㌢・76㌔
出身高校:聖光学院高校