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特別な年のインカレ 愛馬と共に駆け抜けた3日間ー全日本学生馬術大会2020

11月1~3日 山梨県馬術競技場

新型コロナウイルスの影響により、期間を縮小して行われた今大会。7人の選手と8頭の馬がインカレの舞台で競技に臨んだ。

〈全日本学生賞典障害馬術競技大会〉

▲第2回走行で第2障害を飛び越える河内一馬(商2)・エヴァン組

快晴の中、1日に行われた障害馬術競技。2回走行を行い、総減点の少ない人馬が上位となる。中大からは4組の人馬が出場した。海老澤凜太郎(商4)・白桃組は第1回走行で、障害物を飛び越えることをためらう反抗を2回繰り返し失権。加藤諒(商4)・白翔組は2回の走行で計6回障害物を落下させ減点24で40位。内藤圭夢主将(商4)・白桜組は2回の走行で計7回障害物を落下させ減点28で42位となった。3組が苦しい戦いを強いられるなかで、好成績だったのは16位に入った河内・エヴァン組だ。第1回走行で障害物を2回落下させてしまうが、第2回走行では障害物をすべて飛び越え減点0でフィニッシュ。「1回走行でのミスをしっかり振り返り、反省を生かして2回走行に挑めたことが減点0につながったと思います」(河内)と修正力が減点0に結びついた。団体成績は第1回走行の上位3人の総減点と、第2回走行の上位3人の総減点を足し合わせた数の少なさで競い合うが、中大は総減点56で8位となった。

 

〈全日本学生賞典馬場馬術競技大会〉

▲競技に臨む杉田清佳(文4)・白彗組

断続的に降りしきる雨により一層肌寒い環境で行われた2日の馬場馬術競技。5人の審判員が馬場上で行われる人馬の演技の緻密さや美しさを評価し採点していく。中大からは杉田・白彗組、新井野乃花(文2)・白雪組が出場した。杉田・白彗組は得点率59.039、新井・白雪組は得点率57.500でそれぞれ19位と23位に。新井は「初めての全学でとてもいい馬に乗せていただいたのですが、自分の技術が無いために悔しい結果となってしまいました。この結果を糧に技術向上に努めていけたらと思います」と悔しさを胸に前を向いた。

 

〈全日本学生賞典総合馬術競技大会〉

▲第8B障害を飛び越え、第9障害へと向かう石井芙吹(文3)・アキトプレスト組

総合馬術は、馬場馬術・クロスカントリー・障害馬術の3種目をトライアスロンのように同じ人馬で順番に行っていく耐久競技。今大会では2日に馬場馬術、3日にクロスカントリーと障害馬術が行われた。中大からは海老澤・ミッキーワイン組、河内・エヴァン組、石井・アキトプレスト組の3組が出場。海老澤・ミッキーワイン組は馬場馬術でチームトップとなる減点33.0をマークしたが、翌日のクロスカントリーで3回の反抗により失権。障害馬術競技へと駒を進めることはできなかった。河内・エヴァン組はクロスカントリーで大量に減点してしまうが、障害馬術では「(馬を)邪魔しないように乗ることを意識」(河内)して減点0で競技を終え41位に。石井・アキトプレスト組は初めてのインカレ出場であったが、順位はチーム最上位である32位。団体成績は3人で積み重ねた減点が重くのしかかり14チーム中12位と、結果は振るわなかった。

 

内藤主将は大会を振り返り、「今大会での中大の戦いぶりはコロナウイルスの影響で練習や出場試合の制限があり、思うような準備、調整ができていない中で挑んだ大会でしたが、それぞれコンビを組んだ馬との最大限のパフォーマンスをするべくチーム一丸となって一体感を持って挑む事が出来たと思います。その証拠として試合期間中、人馬ともに特に大きなトラブルもなく、チームが良い雰囲気であったと思っています」と前向きなコメントを残した。

 

結果は振るわずとも、コロナ禍で無事に大会を終えることができた中大馬術部。愛馬とともに駆け抜けた3日間は、これからも思い出として人馬の胸に刻まれ続けるはずだろう。

 

◆コメント◆

加藤

――出場された障害馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「最後の全日本学生ということもあり、少し緊張しましたが、自分なりのベストを尽くすことができ、悔いの残らない結果で終えることができたので良かったです」

 

海老澤

――出場された障害馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「全日本の障害馬術競技に出場したのは今大会が初めてでしたが、コンビを組んだ白桃は牝馬で、障害に対してとても前向きな馬なので、緊張感を持ちながら馬の邪魔をしないように騎乗することができました。しかし1走行目に失権、2走行目は大量の減点をしてしまい、団体成績に貢献できず申し訳ありませんでした。白桃にはとても感謝しています」

――出場された総合馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「3年間コンビを組んでいた白陽が全日本直前でけがをしてしまい今大会に出場させてあげることができなかったことがとても悔しいです。監督のご配慮もあり、急遽ミッキーワイン号とコンビを組んで出場しましたが、2種目のクロスカントリーで失権してしまいふがいない結果に終わってしまったこと、団体成績に貢献できず申し訳ありませんでした。全日本の出場機会を与えてくださった監督、サポートしてくださった同期、後輩に感謝しています。ありがとうございました」

 

河内

――出場された障害馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「他のメンバーが全員4年生で団体としてのプレッシャーもありましたが、足を引っ張らないように走行できたと思います」

――出場された総合馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「自分の経験が浅く不安な部分も多かったですが、人馬共に無事に帰って来れてよかったです」

 

内藤主将

――出場された障害馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「今回出場した障害馬術競技は1年生の時から出場し続けて4回目になります。最後の年になる今年は、4月の愛馬の死がありコンビを変更しての出場でしたが、今回コンビを組んだ白桜のパフォーマンスを最大限引き出す事が出来ずにふがいない結果に終わってしまった事は馬に申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、4年間の集大成である、この大会で馬への感謝を感じながら精一杯の走行を出来たと感じています」

――今大会が始まる前の中大が目標にされていたこと(順位など)を教えてください

「試合に出場するからには、全部員優勝を目指して騎乗していますが、現実的な目標としては団体3位以内に食い込む事でした」

――来年度以降の馬術部を担う後輩に向けて一言お願いします

「馬術部は馬という動物がいて成り立つ唯一のスポーツであり、それこそが他の部活にはない大きな特徴であると思います。そのため、人よりも馬を優先し、馬のことを第一に考えて、1日の拘束時間も長いですが、馬への感謝だけは忘れず頑張って欲しいと思います」

 

杉田

――出場された馬場馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「最後の全日本学生ということで、支えてくださった全ての方に感謝を込めて、共に頑張ってきた馬たち部員たちと楽しんでベストを尽くすことを目標に挑みました。結果や演技内容は自分の実力不足で納得のいくものではなく、とても悔しいですが、全日本学生という舞台に立てたこと、部員馬共にけがなく終われたことに今は安堵(あんど)しています。まだあと少し続く学生馬術生活、最後まで頑張りたいと思います」

 

石井

――出場された総合馬術競技を振り返ってみて、感想をお願いします

「人馬共に全日本学生が初めての出場でしたが、大会を終えると馬の成長をとても実感できました。今大会では私の自信になる走行ができましたが、人間のミスで馬の実力を最大限に披露できなかったのが1番悔しかったです。今回の悔しさを糧にいい結果につなげられるようにしたいです」

 

◆大会結果◆

〈全日本学生賞典障害馬術競技大会〉

個人結果・2回走行合計

16位 河内・エヴァン組 タイム127.16秒、減点8

→45ポイント獲得

40位 加藤・白翔組   タイム136.65秒、減点24

→5ポイント獲得

42位 内藤主将・白桜組 タイム135.87秒、減点28

→5ポイント獲得

失権  海老澤・白桃組

(第1回走行で2反抗失権、第2回走行はタイム87.36秒、減点12)

→2ポイント獲得

団体結果

8位 中大 団体総減点56

→21ポイント獲得

 

〈全日本学生賞典馬場馬術競技大会〉

個人結果

19位 杉田・白彗組 得点率59.039

→36ポイント獲得

23位 新井・白雪組 得点率57.500

→28ポイント獲得

 

〈全日本学生賞典総合馬術競技大会〉

個人結果

32位 石井・アキトプレスト組

減点合計78.6(馬場減点37.4、クロスカントリー減点37.2、障害減点4.0)

→17ポイント獲得

41位 河内・エヴァン組

減点合計98.4(馬場減点39.6、クロスカントリー減点58.8、障害減点0.0)

→10ポイント獲得

失権 海老澤・ミッキーワイン組

(馬場減点33.0、クロスカントリー競技で3反抗失権)

→2ポイント獲得

団体結果

12位 中大 団体合計減点1177.0

→ポイント獲得なし

 

3種目総合順位

10位 中大 3種目総合ポイント171

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部