9月15日 中大多摩体育館
「今まで一番の試合だったね」。実方監督はにこやかな表情で試合を総括した。前回の早大戦では思うようなプレーができず、後半怒とうの追い上げを見せるも僅差で敗北を喫した中大。「昨日のミーティングで話していたことができた」(岩﨑滉大・文3)と前回の反省を生かした試合運びで勝利を収めた。
▲得点後、ガッツポーズを掲げて喜ぶ山川主将
会心のゲームだった。会場は前回に続き中大ということもあり、多くの卒業生たちが後輩たちのプレーを一目見ようと駆けつけた。そんな頼もしい先輩たちの応援を背に、前半から選手たちの足がいつにも増して動いていた。中村翼(法2)の先制点で幸先のよいスタートを切った中大は中村翼や蔦谷大雅(法1)の下級生コンビの活躍でリードを広げる。また、キーパーの大西暁斗(法4)の好セーブも光るなど、ディフェンスも十分に機能し、前半10分を終えるまで明大をわずか3点に抑えた。その10分を過ぎたあたりから、一気に流れを引き寄せるプレーを見せたのが山川慎太郎主将(経4)だ。山川主将は味方の素早いパスにしっかりと反応し、相手のディフェンスをかいくぐるとゴールにシュートをたたき込む。そんなキャプテンの活躍に応援席も独自のアレンジを加えたコールで沸き上がるなど、ムードは最高潮に達した。そうして試合の主導権を握った中大は前半20分を経過した頃に福本吉伸(経3)を投入。昨日21歳の誕生日を迎えたという福本はコートに立つとすぐにチャンスをものにし、ガッツポーズでチームメイトの期待に応えた。大西に代わって出場した宮城風太(経2)も要所でゴールを守り切るなど、選手起用もピタリとはまった中大。前半終盤には相手の二選手が2分間退場となるなど優位な状況を作り出し、16-8の大量リードで前半を折り返した。
▲7㍍スローを決める岩﨑
後半もまた中村翼の得点からスタートした。後半序盤には前半に引き続き出場していた岩﨑が7㍍スローや速攻を決めて存在感を示すと、守備をけん引する寺島健太(総3)もループシュートを成功させるなど中大は順調に得点を重ねていく。後半12分前には髙橋宗汰(商2)がコートに姿を現し、ゲームメイクをしながら4得点を挙げる大活躍を見せた。後半中盤からは髙橋をはじめとする下級生たちの積極的なプレーが目を引いた。「メンバーが交代してもシュートを決めれたし、ディフェンスの戻りもできた」(保利憲之朗・経4)。春先、絶対的なエース不在の今年は『誰が出ても勝てるチーム』を目指したいと選手たちは口をそろえて言っていた。それが、ようやく形となってきたのが今回の試合だ。後半は前半と比べ大幅に選手を変更。全てがうまくいったわけではないが、攻守ともにバランスのとれた内容となった。「誰が出てもフィットできるようにしているし、それがチームにとって理想形なのでいい試合ができた」(山川主将)。最後まで一つ一つのパスやシュートを大切にした結果、31-22の快勝で秋リーグ第5戦目の幕を閉じた。
▲巧みなプレーでシュートチャンスをつかんだ髙橋
「今回はみんなでハンドボールができた」(岩﨑)。まさに明大戦はこの一言に尽きるだろう。確実にチーム全体としての底上げが進んでいるように感じられた今回の一戦。次週からは日体大、筑波大といった強豪校との試合が続いていく。「練習をもう一回締めていきたい」と山川主将は次戦に向け静かに闘志を燃やしている。フレッシュな力とこれまで培ってきた経験を活かし、上位進出へ。まだまだ中大の戦いは終わらない。
▲試合終了とともに沸き立つベンチ
◆大会結果◆
〇中大31(16-8、15-14)22明大●
◆コメント◆
山川主将
「昨日の反省を生かしていいゲームができたと思う。ミーティングで話していた通り、オフェンスでやることを徹底できたのが良かった点。昨日の試合で一戦一戦を大切にしないといけないということが改めて分かったので、強い相手が来週続くけど一つずつということは忘れないようにしたい」
保利
「4年生がいい流れを作るプレーをしないと下がついてこないけど、今回は積極的にディフェンスを引っ張ることができたと思う。みんなが活躍できた試合だったので、チームの状態は良いと感じる。日体大と筑波大の試合は4年生がしっかり引っ張って、中大の組織的なプレーをしたい」
岩﨑
「雰囲気が良かったし、流れがつかめたいい試合だった。前回うまくいかなかったので、今回は自分のためにもチームとしても良かったと思う。来週は上位に食い込むための山場。この雰囲気を維持しつつ、チームで勝てるようにしていきたい」
◆お知らせ◆
次戦は9月21日、日体大健志台にて15時50分から日体大との試合に臨みます
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部