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春の王者に守って守って粘り勝ち インカレシード射程圏内!―関東学生ハンドボール秋季リーグ戦 対筑波大

9月22日 明治大学和泉体育館

全勝の日体大との激戦から一日。今季は2位以下が大混戦となっているため、1つの勝敗が順位を大きく左右する。迎えたこの日の相手は春季リーグ王者で近年なかなか勝利を挙げることができていない筑波大。目標である『4位以上でインカレシード獲得』に向けて是が非でも勝利をつかみたい一戦となった。

▲中大のエース中村翼(法2)。この試合も3得点を挙げた

試合後の監督・選手たちの表情と言葉には充実感があふれていた。「相手もディフェンスがいい。五分五分の戦いになる」(実方監督)と臨んだこの試合。前半開始1分、蔦谷大雅(法1)のシュートで先制すると、3分に7㍍スローで1-1の同点に追いつかれたが、直後に安永翔(法3)が得点を挙げて、そこから続けざまに3連続得点。相手キーパーのファインセーブに阻まれ、1対1の場面で何度か得点機を逸したが、相手に流れを渡すことなく、このチームの持ち味である速攻を効果的に決めて着実に点差を広げた。

そして何よりこの前半、輝きを放ったのは強固なディフェンスだった。ディフェンスリーダーの保利憲之朗(経4)、日体大戦でも大活躍だった寺島健太(総3)、1年生ながら主力として活躍する久保寺歩夢(文1)の三選手を中心に、フィジカルの強い筑波大相手に当たり負けをすることなく、連続得点を与えない。18分にはキーパーの大西暁斗(法4)が相手のノーマークシュートをブロックすると、そのこぼれ球に反応した相手のシュートをさらにブロック。副将が見せた連続スーパーセーブにベンチ・応援席の盛り上がりは最高潮に達した。15分から29分にかけては筑波大の攻撃を無得点に封じ、10ー5の5点差で前半を折り返した。

▲随所でスーパーセーブを見せて、チームを救った大西

後半も大西の好セーブからスタート。後半最初の得点は山川慎太郎主将(経4)が挙げて6点差となり、快調なスタートを切ったと思われた。しかし、シュートミスやパスが思うようにつながらず、流れは筑波大へ。冴えわたるディフェンスで何とか粘りを見せるが、食い下がる相手に連続得点でじわじわ詰められ、11分にはついに1点差となった。「昨日の4点差を逆転された試合が頭をよぎった」と山川主将。一進一退の攻防がその後は続いたが、ついに20分に同点に追いつかれた。

何としてでも流れを引き戻したい残り10分。ここでチームに勢いをもたらしたのは、後半中盤から途中出場した大村俊介(商3)だった。「昨日はアップ不足で出てしまった。今日は消極的にならないように強気でいった」と21分に勝ち越しゴールを決めると、気迫を前面に出したガッツポーズでチームを盛り上げる。この大村のプレーから再び火が付いた中大のオフェンスは、蔦谷と安永の連続得点で差を3点に広げた。そして次の見せ場は26分。応援席の「流れはこっち!」の掛け声の中、大村は試合を決定づける強烈なシュートをゴールに突き刺した。

「今年のチームは誰が出ても力をしっかり出せる『全員ハンドボール』を目指してきた」と何度も口にしてきた山川主将。秋リーグ終盤のプレッシャーがかかる場面で、大村がまさにその言葉を体現してみせた。試合はそのまま17-14の4点差で終了。まさに粘り勝ちだった。

▲流れを変える活躍が光った大村のシュート

強敵相手に2試合続けての好ゲーム。「間違いなく状態は上がっている」と実方監督。このチームが掲げた目標は『秋リーグベスト4でインカレシード権獲得』だ。残すところあと1試合。掲げた目標も射程圏内。秋リーグで残された60分を全身全霊で戦い抜く。

▲主将としてチームを牽引する山川主将

 

◆大会結果◆

〇中大17(10-5、7-9)14筑波大●

 

◆コメント◆

実方監督

「筑波も強い相手なので五分五分の戦いになると思っていた。今日は何よりディフェンス。保利を中心に寺島、久保寺がミーティング通りにディフェンスをしてくれてそれがしっかりはまった。昨日負けたけど、日体大相手にいい試合ができた。今日はその中で勝ち切れた。間違いなく状態は良くなってきているので、最後気合いを入れて戦いたい」

山川主将

「前半よかったけど後半は追いつかれて昨日のことが頭をよぎった。それでもなんとか勝ち切れたので良かった。みんなでカバーし合いながら、みんなでしっかり守れたし、キーパーもよく止めてくれた。自分たちが掲げた『秋リーグ4位以上』という目標を達成するために、最後全力で行きたい」

保利

「一人ひとりがやるべきことをやって、今日はチームで勝てた。ディフェンスはまだまだできることがあると思う。もっと研究をして、詰めるところはしっかり詰めて来週に臨みたい」

大村

「強気で攻めていけた結果だと思う。昨日出た時は消極的になってしまったので、自分の中で強くいこうと思っていた。またチームを活気づけるプレーができるように頑張りたいと思う」

 

 

◆お知らせ◆

次戦は国士舘大学多摩体育館で11:50~行われる立大戦です。

(なお、この試合は立大に選手登録不備があったため練習試合という扱いになります。そのため、この後公式戦として扱われるのは今季最終戦の国士大戦のみです。)

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部